ナミビアの砂漠の感想~女の不条理/正論と不条理と、世界との折り合い~
ナミビアの砂漠の感想です。帰りにジャイアントコーンアイス買って帰りました。
女の不条理
中絶のくだりもそうだけど、圧倒的にカナが正論、どう考えても正論なんだけど女の不条理にイライラして、ムカついて、腹が立って、「そんなのおかしいじゃん!!!!」って表現しようとするとふだん抑圧されていたおかげで怒りのエネルギーが溢れすぎてしまう。そしたら男は「感情的すぎだって」「そういうのいいって」「俺は冷静ですよ」ムーブしてくる。何もわかってない!!!そしてますますそれにムカついて腹が立って怒ったら、男もますます「一回落ち着けってムーブ」してくる。女の怒りだって受け止めてほしいんや〜〜!!!!!!!!!!感情的なんじゃなくて怒ってるんだ!!!!!!!!
このジレンマ、女なら絶対分かるはず。
というか、「私が決めるから!!!」も女であることの全ての苛立ちや憎しみの結果。カナ、感情的でうるせーよ、一回落ち着けよ、と思った奴、思い直そう。
正論と不条理と、世界に折り合いをつけられない人間
「サロン脱毛意味ないですよ、初めっから医療脱毛に通ったほうがいいですよ」って正直にお客さんに行っちゃったらクビになっちゃったカナ
じゃあ、ロリコンも頭の中だったらなんでも考えていいんですか?
手土産持って行った方がいいよね?
お前が忘れんなよ忘れてましたってなんだよ今すぐ電話して忘れててごめんなさいって謝れよ!!(中絶のくだり)
どうせ上司の誘い断れないでしょ?(すすきのの風俗)
頭の中で考えてることと行動が違う人がたくさんいるって気持ち悪くないですか?
騙してるみたいな商売なんて存在していい訳ない。中絶をさせておいてのうのうと生きている男は死刑。たとえ口にしなくても悪い事は思うべきでない。そんな感じでカナは正論をものすごく持っている。でも「どうせ上司の誘い断れないでしょ?」みたいに現実では正論がまかり通らないことも分かっている。でも、それでも正論が正義でない世界は「おかしい」と思っていて、息苦しさを感じている。
この映画は多分「あるべき」の正論を持ちすぎて現実の生活に折り合いをつけられない人間カナが今の社会のおかしさに切り込んでくれた映画。
でもそういう正論を持ち続けられる人って本当に正しいのだけれどやっぱり現実のおかしさに耐えられなくて、エネルギー消費して、自分が壊れてしまう。そういう不条理。(そんな人に自分の人生俯瞰して見てみたら?って映画だったりする?)