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mayo
2021年3月6日 21:47
次女が6歳の誕生日を迎え、もう6年も前のこと、と、褪せはじめた記憶を、静かに手繰り寄せてみる。◇わたしは切迫早産体質のようで、長女の時も、次女の時も、妊娠後期は安静の日々だった。長女の時は、盛夏を寝て過ごした。里帰りしていた実家では、午後になると母が勤めに出かけていき、ひとり寝そべり、庭の百日紅をじっと見ていた。夏の光の中では、生きとし生けるものがすべからく生をよろこんでいる。それは部
2021年2月23日 21:43
「神様に会ったことってある?」と、長女に聞かれた。日曜日の夕食の最中。先に夫が「ないなぁ」と答える。「じゃあサンタさんは?」と続くその無邪気に敬意を表して、返事をする前に、まじめに記憶をさらう。神様に会ったことはないが、神様っているのかも、と、感じることは、長く生きていると何度かあるんじゃないか、と、思っている。記憶から掬い上げたのは、祖母との間に起きたことだ。◇父方の祖母は、よく