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もしミネソタの田舎者がフランスへ行ったら【1】 リヨン
私の Noteはアメリカの中西部ミネソタの魅力を紹介する目的で書いているが、今回は番外編として先日のフランス旅行について田舎者目線で書いてみたい。
先日パートナーと2人でフランスへ10日間ほど行ってきた。地方都市である Lyon (リヨン)と、バーガンディワインで知られる Beaune (ボーヌ)を回って、最後にParis (パリ)に滞在した。
パリへはミネアポリス国際空港(MSP)から直行便が出ていて、飛行時間は8時間ほど。フライト・トラッカーを見ていたら、ミネアポリスからアメリカ東海岸ではなく北東にカナダへ進み、カナダ上空を斜めに横切って北大西洋を横断するコース。このルートだとミネアポリスからヨーロッパは割と近い。
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パリのシャルル・ド・ゴール空港 (CDG)出発リヨン行きの TGVを事前予約していたのでパリ市内には行かず、空港から高速列車TGVでリヨンへ向かった。CDG - リヨン間の直通 TGVは高速すぎて車窓からの景色をゆっくりは楽しめなかったが、車窓からの風景はほとんど牧場と林で、牛がのんびり草を喰む姿が印象的だった。 フランスが農業大国であることを再認識した。
500 km の距離を、2時間でリヨンに到着。リヨンの街では散歩や食事を楽しみながらゆっくり5日間、のんびり過ごした。
ここからは写真を中心に紙芝居風に
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PHILIPPE BEL のチョコレートは、今まで食べてきたチョコレートは一体何だったのかと思うほどのおいしさ。「すんごく美味しい」という言葉だけでは足りない。官能的と言っていい! 甘いものは通常ほとんど好んで食べないパートナーでさえ、一口食べてあまりの美味しさにうなったほど。 ただ、もしかするとこの感動は、私たちが美味しいチョコレートを食べ慣れていないせいで増幅したのかもしれない。
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買い物時、田舎者の私のズッコケが発生。パートナーと店内を探すも卵が見つからないので、私がサビついたフランス語を試す時だ!と思い店員さんに「卵はありますか?」とフランス語で尋ねたところ、全く別のもの (ワッフル)の売り場へ案内された。笑
私 「Excusez-moi. Vous avez des œufs? (ヴザヴェズ ウーフ?)」(すみません、卵はありますか?)
店員さん「Waffles? (ウワフッル)」 => ワッフル売り場を示す
私 「Ah non, je cherche des œufs (ア、ノン、ジュシェーシェ デウッーフ)」(えっーとそうじゃなくて、卵を探してるんですー)
店員さん「?? 」
困った私はスマホのGoogle 翻訳アプリにeggs と打ち込みフランス語のœufs 表示を見せる。
店員さん「Ah! Eggs! Eggs are here! I can speak English! 」
私 「Awwww!! You speak English!!」(なんだ、英語できるんだー!)
昔、父に「フランスではフランス語で話した方がお店の対応が良い」と聞いていたのでちょっと頑張ったのだが、私の発音が悪くて「卵」が通じなかった (-_-)。 フランス語苦手の我がパートナー、ここまで静かにしていたが、私がフランス語でのコミュニケーションに失敗し店員さんが英語ができることがわかると、がぜん Mr. Congeniality (協調バツグン男子) の本領を発揮し、楽しそうに店員さんと英語で会話し始めた。な、なんのこっちゃないがな。フランス、父が留学や旅行をしていた時代と違って英語がかなり通じるようになったようだ。
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パートナーはアメリカ中西部育ちのためか、朝食はがっつり食べたい派。でもフランスのカフェの朝食メニューは基本、パンとジャム。アメリカ中西部人を満足させるがっつり系の朝食を提供するお店などほとんどない。というわけで、フランス滞在中は、オーベルジュに泊まった日を除き毎食2人で朝食を作って食べた。
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このクロワッサンは Eric Kayser という人気のパン屋さんで購入。サクッとした食感と、バターの香りが主張しすぎないのがいい。クロワッサンは日本では美味しいのが買えるけど、ミネアポリスでここまで美味しいものにはめったに出会えない。
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牡蠣、新鮮で美味しかった!これもミネアポリスではなかなか出会えないので、かなり貴重な体験だった。
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ポール・ボキューズ市場とはフランス料理界の巨匠、故ポール・ボキューズ(Paul Bocuse)さんへのオマージュから名づけられた市場。 チーズ、魚介類、肉類、ケーキ、パンなどの有名店が一カ所に集まっている。
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ポール・ボキューズ市場って、日本のデパ地下みたいだ。新鮮で美味しい食材や、調理済みお惣菜、またはあとは焼くだけに下準備した食材が豊富に揃う。美味しい料理がレストランやビストロに行くより安く気軽に楽しめる。こういう市場もデパ地下もミネアポリスにはないので貴重だった。(← そればっか。笑)
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甘すぎず、素材の良さを生かした美味しさ。繊細な食感。こういうケーキはなかなかミネソタではお目にかかれない。(← 再び。笑) しかもここのケーキは全てグルテン・フリー!2人だけど3つ買って帰って楽しんだ。というか私ひとりでほとんど食べた。私が旅行中太ったのは言うまでもない。
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花とワインという組み合わせ、 関連購買(あわせ買い)のテクニックとして賢くておしゃれ! こういうお店が近所にあったらいいなと思う。妻が旦那さんに「仕事帰りにあのお店でワイン買ってきてね」と頼み、旦那さんがワイン購入ついでに花束か小さな鉢植えを買って帰るという場面を妄想してニヤついてしまう。
これがアメリカだと「ビールとオムツ」という古典的な組み合わせか、せいぜい「ワインとチーズ」になりそう!
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6月のリヨン、平均気温は25度くらいで外でビールやワインを飲むのが楽しい季節。人々が密に集って楽しそうにおしゃべりする姿を見て感慨深かかった。コロナの時代は終わったんだ、人々が気兼ねなく集える時代が戻ってきて本当に良かった、と心から思った。
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写真は撮らなかったが、人気のレストランにもおしゃれして出掛け、美味しい料理を楽しんだ。ただし、ここで残念な事が発生。レストラン内で小さな子供連れの4人家族が食事しており、その子が始終金切り声を発してレストランの雰囲気を台無しにしていた。「フランスのレストランのディナーは大人の文化だから、子供は寝かしつけてから来るものでは?」と不思議に思っていたところ、耳の良いパートナーが「彼らは英語を話している。たぶんアメリカ人やな」と言う。
子供とお母さんが席を立って私たちのテーブルの横を通り過ぎる時、パートナーがにこやかに話しかけて、スモール・トークを開始。彼は初対面の人達と打ち解ける天才なのだ。ま、ミネソタの人はたいていナイスでフレンドリーだけど。話した結果、彼女はアメリカのアイオワ州から来ていることが判明。彼女がどういう経緯でフランスに来たのかとか、職業上の専門は何かなども話してくれた。初対面の立ち話でいきなりこんだけ自己開示するって、アメリカ中西部らしいキャラ、と私は話を聞きながらひたすら感心した。数分話したあと、「良い旅を!」「あなた方も!」とにこやかに挨拶。私はここが日本の関西だったら「まあ、元気なお子さんですね〜」とチクっと言うところを今回はおさえた。アメリカ人のフレンドリーさ、長い立ち話は相手を理解し衝突を防ぐ効果があり、私の印象では、中西部のナイスな人々は基本波風は立てない。人にもよるのかもしれないけど。
その家族がレストランを去ると、他のお客さん達もみんなほっとした顔をしたように見えた。
彼:「アイオワだってさ・・・。」
私:「彼女はここがアメリカ中西部のダイナーじゃないってことわかってないのかな。」
彼:「たぶん・・・。」
わかっていないのか、わかっていてながら現地の習慣に対応する気遣いが足りないのか・・・。 いずれにしても、他のフランス人や観光客の食事の雰囲気をお邪魔してしまったのがアメリカ中西部のグループだとわかって、同郷者として余計に居心地が悪い気分になってしまった私たち。 私は日本人だけど、今は中西部に住んでいるので。 レストランの食事は美味しかったし、お店のサービスも素晴らしかったけど。
その【2】へ続く。 (次は Beauneへ向かいます。)
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