もしミネソタの田舎者がフランスへ行ったら【2】 ブルゴーニュのオーベルジュ編
フランス旅行5日目、私達2人はリヨンをあとにし、TGVで ボーヌ(Beaune)へ向かった。Beaune はバーガンディーワインで知られた地域の、人口2万人ほどの町。お目当てはワインとグルメ。
では、紙芝居風にいきます
余計なお世話だけど車体の洗車が必要ではないかと。車内はキレイだったけど。
やはりミネソタから来たせいか、彼も私も、リヨンという都会をあとにし、田舎に来ると気持ちが落ち着いた。笑
ぶどう畑のまわりを散歩した後、宿泊先に戻りシャワーを浴びておしゃれしてから、レストランでいよいよディナー!! 庶民的な田舎者の私達だが、Beauneのオーベルジュだけ奮発した。
レストランは、トップ画像の白と黒を基調としたインテリアに、ピンクとグリーンの家具が品よく配置されたエレガントな空間。給仕の方に、テーブルにご案内していただくだけで、もう気分高揚。← 慣れてないだけに余計。
クレマンとは 「シャンパーニュ」とは名乗れないものの、由緒正しい手法で造られたフランス産発泡ワインのこと。私は全く知識がなかったが、このレストランで食事するために、いろんなウェブサイトを読みまくってつけ焼き刃で、事前に学習した。 CRÉMANT DE BOURGOGNEは、ピノワール、シャルドネ、ガメイのぶどうで造られているものが多いという。上品な香りと味わいに癒された。
アメリカの食肉店では仔牛は簡単には手に入らなくなっているので、数年ぶりの仔牛。
優しい彼は、仔牛にを食べるのはしのびないと言う。確かにそうなんだけど、仔牛には申し訳ないのだけど、このとろけそうな食感と味わいはかなりのインパクトがあって、絶句するほどの美味しさだった。 多分、数年に1度くらいししか食べないので許してほしい・・・。
食事のフィナーレを飾る、このデザートがすごく良かった。ストロベリーの甘酸っぱい味わいと、下のメレンゲ主体のクリームが楽しく豊かなハーモニーを奏でていた。こういう知らない世界があったんだ、こういうグルメ料理は芸術なんだ、と思った。ミシュランの星はついていないが、私達にとっては星がいくつ付いていても足りないぐらいの最高のレストランに思えた。
こうやって書いていると、スマートにコース料理を楽しんだような印象を与えるかもしれないが、アメリカの田舎者の私達がゆえの、失敗もあった。
まず、フランスのレストランは、前菜を Entrée、主菜を Plat と呼ぶのだが、ミネソタでは(アメリカの他の地域もそうなのかもしれないが)、なぜか 主菜をメインディッシュと呼ばず、 Entrée と呼ぶ。このため、メニューの読み込みで若干混乱があった。 多分、ヨーロッパから来た人がミネソタのレストランに入って主菜が Entrée と書かれていたら、やはり混乱すると思う。この国際化の時代、アメリカで主菜をEntrée を呼ぶのはやめた方がいいと思うのだが・・・。
ついでに言うと、アメリカもいい加減インチとかフィート、華氏の単位はやめて、他の国と同調してメートル法や摂氏に移行してほしい。マイルとキロメートルや、華氏と摂氏の変換は慣れたけど、「フィート」はなかなかピンとこない。特に単位が大きくなると。アメリカ人であるパートナーも、ヨーロッパに来て何かをメートル法で説明されてもピンときていない様子。一説によると、アメリカ人は算数が苦手な人が多いので、なかなか単位移行は難しいという。
そして、もう一つの失敗がこれ。食前酒に「Bellini - ベリーニ (白桃とスパークワインのカクテル)」を注文したつもりが、私の発音が悪く、Beleniumというビールがサーブされてしまった!
サーバーの方が、栓を抜く前に確認してくれたのだが、「えっ」と思っている間に栓が抜かれて撤回できなくなってしまった。(涙) そういう名前の地ビールがあるとは知らなかった。それはそれで美味しかったけど。 あとで調べたら、Bellini というのはプロセッコ主体のイタリアのカクテルなので、フランスの食前酒としては一般的ではないのだろう。食前酒は Mimosa (ミモザ) かキールにしておけば良かったかな。
ま、そういうこともありますよね!? 失敗も思い出のうち、ということで!笑
食事の後半に、私はミネソタ魂を発揮し(日本人だけど。笑)、お隣のテーブルのご夫婦にフレンドリーに話しかけてみた。聞くと、おふたりはスイス人で、家から自転車を持ってきていて、ブルゴーニュ地方を10日間かけて自転車で回るそう。そう、この地域はサイクリング・コースが充実していて「自転車でまわるワインツアー」なんかもあったりする。フランスのブルゴーニュとスイスはお隣り同士で近いので、自分の自転車を持ってこれたりするのだ。いいなあ。 ご主人は俳優さんで、日本に仕事でいらした事もあり、日本の話で4人で盛り上がった。彼らはドイツ語圏の人だが、フランス語堪能、料理の注文はフランス語でやっていた。英語も堪能だし。スマートやなあ。
全般的に、この食事体験は魔法のように素敵だった。
えっと、翌朝朝ランしようと思ったが、前日のフルコースとワイン、予定外のビールの余韻で体が重くあまり走れず、朝ウォークになってしまった。朝日が農地に昇る風景は印象派の絵のようだった。 金色に光る大地。 Beauneは本当に大地が美しい。
その【3】へ続く。 次は Paris パリ へ向かいます。