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哲学者 マックス・シュティルナー(Max Stirner)

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僕の先生の一人です。 ドイツの哲学者でカール・マルクスと同時代を生きました。
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#教育

ぼくの問いとシュティルナーの答え⑤

 シュティルナー哲学の真骨頂はエゴイズム(自己性)です。エゴイズムときくと「自分勝手に振る舞う」というイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。不快な気分になる方もいるかもしれませんね。 ✍意図せざるエゴイスト あなたはエゴイストです。僕もエゴイストです。ボランティアに勤しむ方もエゴイストです。意図せずとも誰も彼もがエゴイストです。なぜならエゴイストであることは、存在しているもののと性質だからです。  シュティルナーはこういっています。 「諸子が主要事なのであり、誰もが

ぼくの問いとシュティルナーの答え④

 前回はシュティルナーの「唯一者」についてみてきました。今回は唯一者を構成する要素である「唯一性」についてみていきます。 (ぼくの問いへのシュティルナーの答えに辿り着くまでまだまだかかります。端的に言ってしまえるのですが、皆さまにシュティルナーを味わっていただきたい。もう少々お付き合いください)  ✍唯一者の四大元素①概念に現実的な意味を与える。 ②説明不可能性。 ③個体性(唯一無二かつ完全なもの)。 ④自己性=エゴイズムに基づいて活動する。  人間であること。日本人であ

ぼくの問いとシュティルナーの答え③

 今回はシュティルナーの人間観について詳しくみていきますよ。  ✍「唯一者」とは何か?  ぼくは「唯一者」です。あなたも唯一者です。  道端に咲いているタンポポも唯一者。ねこも金魚も、オケラだって唯一者なのです。シュティルナー曰く、  「どんな羊、どんな犬でも、「正しい羊、正しい犬」になろうと努めたりはしない。どんな動物にとっても、己れの本質が、一の課題として、つまり、現実化さるべき一の概念としてあらわれることなどない。彼らは、己れを生きつくすことにおいて、つまりは解体し

ぼくの問いとシュティルナーの答え②

 前回は教育への問いから出発し、ぼくの素朴な人間観について書きました。今回はシュティルナーの人間観に触れながら、彼との出会いについて書いていきます。(出会いについて書くって、どれだけぼくは彼のことが好きなのでしょうか笑) ✍シュティルナーの人間観 ぼくたちが「人間」とよぶものを、シュティルナーは「人間なるもの(Menschen)」とよびます。  「歴史は、人間なるものを探しもとめる。だが、人間なるものとは、私であり、君であり、われわれであるのだ。一の神秘的本質として、神的

ぼくの問いとシュティルナーの答え①

 ぼくがシュティルナーを深く理解したい理由について書きました。  ぼくの問いは『教育の意味とは何か』です。  「意味」とは、人間を理性的に突き動かす理由となる要素です。  「教育の意味」を問うことは、人間を教育することへと理性的に動かす理由となる要素を探すことです。  ぼくの問いには、「人間は教育しないではいられない」という前提があります。人間にとって教育は「よい」もの。だから、教育しないではいられない。人間の本性(ほんせい)が教育を求めているのです。人間は教育に何を期待