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丸いままつらぬいて TOMOO 『Super Ball』 感想!
僕にはセンサーがある。そのセンサーはいい曲を聴くと反応して、思わずウルっときてしまうのだ。
先日、関ジャムで2023年の年間マイベストランキングが発表された。
そこで音楽プロデューサーのいしわたり淳治さんが1位に選んだのが、TOMOOの『Super Ball』という曲だ。
一聴して、ビビッときた。そして、涙腺にもきた。僕のいい曲センサーが、YOASOBIの『アイドル』以来はじめて反応したのだ。
とにかく歌詞がいい
僕は『Super Ball』の歌詞を読んで、好きという気持ちを虹色のスーパーボールに例えた曲だと受け取った。この“虹色のスーパーボール”という例え方がすばらしい。
子どものころに遊んだスーパーボール。たくさんの色を含んだレインボー。どちらも童心を思い出すような、わくわくした明るい気持ちになる。
また、サビではこんな歌詞がある。
俯いたままで踊って
胸から飛び出す虹色
それでもときめくわけを
「好き」をだまらせないで
このサビの歌詞では、俯いた“下”の視点とスーパーボールが飛び出す“上”の視点があると思う。
下向きになっている気分が、一気にはじけて上向きになるような。視点を上下に振ることで、ぱあっと鮮やかな情景がリアルに目に浮かんでくる。
ミソなのは、スーパーボールの跳ねる性質を上手くリンクさせているところだ。比喩にスーパーボールを使ったのはこれが狙いだったのか……! とTOMOOの才能を感じずにはいられない。
「好き」をだまらせないでという表現も素敵だ。好きな気持ちを我慢しなくていいんだよ、好きに正直になっていいんだよ、と肯定してくれている気がする。
個人的な話になってしまうけど、今、僕は好きを仕事にしている真っ最中だ。
でも、好きを仕事にするって想像以上にむずかしい。好きな気持ちが変わりそうになってしまうときもある。
そんなちょっとグラついている今、『Super Ball』を聴けてよかった。好きって気持ちに自信を持っていいんだよって言われたようで。
揺れもしない 強さなんていらない
いらない
歌詞を目で追いながら聴きたい曲だと思う。歌詞以外にもTOMOOの声もいい。終盤でまくし立てた後、何段階にも盛り上がるのもいい。
え、めちゃくちゃいい曲に出会ってしまった。関ジャムといしわたり淳治さんに感謝しかない。
「丸いままつらぬいて」とい印象的なフレーズは、無理して尖らずともありのままでいいと肯定してくれる。そう、これも肯定だ。
僕は素敵な表現で自分を肯定してくれる曲が好きなんだと思う。だから、『Super Ball』が大好きだ!!