ネオニコチノイド系農薬について
今日、ネオニコチノイド系農薬についての勉強会に参加したので、その内容を紹介します。本日の講師は神戸大学大学院農学研究科の星 信彦教授でした。
ネオニコチノイド系農薬とは、以下の7種類あります。
アセタミプリド
イミダクロプリド
クロチアニジン
ジノテフラン
チアクロプリド
チアメトキサム
ニテンピラム
昆虫の神経系に高い選択性を持ち、人や他の哺乳類に対する影響は比較的低いとされていました。
しかし、世界各地でミツバチの大量死が報告され、EUではヒトへの発達神経毒性を懸念して、予防原則に則り、2013年クロチアニジン,イミダクロプリド,チアメトキサムの3種について暫定2年間の使用を禁止しました。使用禁止はその後も継続され、フランスやオランダでは使用の全面禁止、アメリカ、台湾、韓国などでも使用禁止の動きが始まっています。
一方、日本では、2015年 クロチアニジン,アセタミプリド、2016年 チアメトキサム、2017年 イミダクロプリドについての規制が緩められ、継続使用が認められています。
日本国内の3歳児の223名の尿中から有機リン系,ピレスロイド系が100%, ネオニコチノイド系が 79.8%検出されたようです(Osaka A, et al. Environ Res. 2016, 147:89-96よりデータ引⽤)。また、2019年の論文では,日本人の子ども46人の尿から,ネオニコチノイドが100%検出 されたと報告されています(Ikenaka Y, et al. Environ Toxicol Chem, 2019 )。
さらに、クロチアニジンは母体内で代謝され、濃縮されて母乳移行すること、クロチアニジンとその代謝物は極めて迅速に胎盤関門を通過し、胎児に移行するようです。
妊娠中や授乳中の母親は、特に注意が必要だと改めて感じました。
田畑に播かれた農薬は無制限に公共用水域に排出されるため、水道水から農薬が頻繁に検出されるようです。しかし、日本 では水道水中の農薬について水質基準が定められていな いため、浄水場では検査の義務がないみたいです・・・。野菜は気をつけても、水から体内に取り込んでしまうので、飲み水にも気を付けたいですね。水道水に限らず、ペットボトルなどのミネラルウォーターのその源水がどこなのかなど源水の環境にもよると思います。
星教授は農薬の除去には活性炭が良いとのことでした。
ネオニコチノイド系農薬は浸透性が高いため、野菜を洗う専用の洗剤等では落ちないようです。農薬を使用していない野菜を食べるように心がけましょう!
健康は食事から‼
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。