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日本一好きな街から生まれた物語

私の日本一好きな街。好きすぎて休日ドライブするたびに訪れ、地元の友達が遊びにくると必ず案内し、ついにはそこを舞台にした小説まで書いてしまった街。

尾道が好きです。大好きです。行ったことのある人にならきっと伝わるはずですが、不思議と何度も訪れたくなるあの魅力、なんなのでしょうか。

古くから地域に根ざした店がどっしりと軒を連ね、新しいお店からもこの地への心からの愛を感じます。愛に溢れる街。その街並みを平然と猫が歩き、瀬戸内海が守っている。何十年も前から変わらないのであろう、どこか懐かしく胸がきゅっと切なくなるこの街の空気を、定期的に吸わずにはいられなくなるのです。

先日書いた小説『パン屋 まよなかあひる』には、尾道に実在するお店やスポットもいくつか登場させています。それらも含めて、おすすめの場所をまとめました。中国地方や広島を訪れる際には、ぜひ、ぜひぜひ参考にしていただきたく。


・古本屋 弐拾dB

まずは激推し。深夜営業の古本屋さん(土日は昼営業)。街の中心部から絶妙に離れているのがポイント高めです。

店内の写真撮影は禁止(だった気がする)。
だけど表看板だけで雰囲気、出てるでしょう。

そう、このお店こそが、まよなかあひるのアイデアのもとです。尾道で深夜営業、と聞いてピンと来た方もいらっしゃるんじゃないかなと思います(読んでいない方のために補足しておくと、『パン屋 まよなかあひる』は深夜営業のパン屋さんのお話です)。
私は金曜日の夜、夫とともに出没しがちです。

文庫本を買うとつけてくれるブックカバー、
処方箋風のデザインがかわいい。

訪れる際には店主・藤井さんのポリシーやお人柄を理解していただいていた方がいいかなと思うので、僭越ながらTwitter(合ってる)アカウントを置いておきます。本を愛する、めっちゃいい人です。

尾道にはいくつか古本屋や個人の書店がありますが、dBさんが圧倒的だと思っています私は! いきなり熱量高めで失礼しました。


・夕やけカフェ ドーナツ

お豆腐ドーナツのお店。まよなかあひるの地図上の位置はこのお店のあたりをイメージしました。目の前には瀬戸内海、観光客がひっきりなしに闊歩する海辺の道。

もちろんドーナツも美味しいです。何個でもいける控えめな甘さ。全種類制覇したい。

夕方にはほとんど残っていないので、
昼間のうちに行くのがおすすめ。


・あかとら

第4話にて、あひると愛貴くんが訪れた丼物のお店。海鮮丼、絶品です。小説内の飯テロシーンの中でも、ここは特別美味しく書けるように頑張りました。だって本当に美味しいんだもの。


・喫茶キツネ雨

手前はキツネさんのチーズケーキ。
食べるのがもったいないけど美味しい。

小説に登場はさせられませんでしたが、私の尾道マイラブ喫茶店。大正浪漫の雰囲気がたまりません。何よりも、食べ物や飲み物がみんな可愛すぎる。キツネに騙されたと思って、うっかり足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


・アウトサイダー娑ヶ婆

商店街から外れて路地をくねくね歩いていくと、禍々しい雰囲気の場所にぶち当たることがある……かも。夜にしか開いていないところも怪しさ満点。
正直、ここはなんなのか私にもよくわかりません、が、尾道訪問の記念に爪痕を残していってもいいかもしれませんね。

「まう」と書かれた付箋を見つけたらラッキー(この写真にはいません)

こちらの記事、とても参考になります。勝手に貼らせていただいてすみません!


・千光寺公園頂上展望台 PEAK

皐月まう、大学4年の姿──

第4話第5話に登場した「この街に住むほとんどの人たちにとって大事な場所」。実はかなり重要な役割を果たしていますね。きっと、ここからの景色を見たら愛貴くんがそう語った理由もわかる、はず。

ぐるりと階段を上った先の展望台からは、尾道の街が一望できます。なんなら瀬戸内海(尾道水道)も、その先の島々まで。絶景と呼ばれる場所が世界中にごまんとある中、尾道の景色がそれらの絶景に匹敵するかどうかはわかりません。でも、私はここから眺める尾道の街や瀬戸内海が大好きです。


・猫の細道

猫の街・尾道を訪れるなら外せない! 千光寺へ向かう山道を逸れると突如現れ、独特な雰囲気を醸し出す謎スポット。猫探しが楽しいですよ(本物も偽物も)。

強かに生きろよ。


私が『パン屋 まよなかあひる』を書ききることができたのは、尾道という街が大好きだからという理由に他なりません。この街の魅力を、この街の心地よさを余すことなく表現したくて、実は普段ほとんど推敲しない私が何周も推敲を重ねた作品でもあります。

私の本気度はどうでもいいとして、現実で訪れるのもよし、物語で尾道の街を歩いてみるのもよし、かもしれません。よろしければ深夜のパン屋さん、まよなかあひるにも遊びに来てみてください。

創作大賞の応援期間は1週間後、7/31(水)までだそうです。引き続き、応援よろしくお願いいたします。私も皆さんの作品読み進めていきます。

ご自身のためにお金を使っていただきたいところですが、私なんかにコーヒー1杯分の心をいただけるのなら。あ、クリームソーダも可です。