Web3とDAO
Web3の本を読んでみたいと思ったので、孫泰蔵さんが帯でコメントも書いていたので、気になって読んでみました!
Web3は、2014年ごろイーサリアムの共同開発者だったギャビン・ウッドによって初めて使われた言葉
Web1.0は、情報社会を支える重要な発明が1990年にされる。それが、World Wide Web。現在我々が利用しているWebサイトやアプリケーションなどは、ほとんどがこの仕組みに則り開発・提供されている
インターネットやデジタル技術の進化とこれらの影響による産業構造の変化などを受け、2005年にはティム・オライリーが「Web2.0」という言葉を提唱した
デジタル技術の発展によって、より活発な情報交換ができるようになったことで、さまざまなデータを群衆の力で構造化し、文脈化している点であり、これがWeb2.0の大きな特徴とされている
2009年1月、ビットコインが稼働し始めた。人類初めてのブロックチェーンを手に入れた瞬間。サトシ・ナカモトの論文の中で重要な点は、特定の主体のみがデータを握りそれを処理しなくてもよい状態を構築するための具体的なアイデアが提案されていた点
ブロックチェーンの登場によって、企業やその他組織が行っていたデータの処理を、インターネット上でできるようになった。このようなブロックチェーンの登場に端を発する一連の変化やトレンドが、「Web3」と呼ばれる
Uniswapは、トークンを供給してくれる人にインセンティブをつけて募集する。そのうえで、プールっていう資産を貯めておくところを作る。このプールにトークンを提供してくれる人に、その証拠となるトークンを発行して利益を分配したりしていく。こうやって経済を回していってプロトコル全体を成立させる。これを「流動性を提供する」という
NFTは「Non-Fungible-Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略で、「非代替性トークン」と呼ばれるブロックチェーン上の固有の形式を保有するトークンのこと。これまでデジタルデータ1つとっても、容易にコピーが可能であり、そのデータの所有者を証明することは不可能であったが、ブロックチェーンの発明により、デジタル上でも価値を保存できるようになった。これがNFT
メタバースは大きく2つに分けられる、「VR業界が培ってきた」メタバースと、「ブロックチェーン業界の」メタバースがある
一企業が独占的に提供しているメタバースはプラットフォームにしかなりえないが、ブロックチェーンを利用したメタバースであれば、プラットフォームを超えた存在となり、実世界に近い公共財(社会的に人々に共有され、管理されるべき冨のこと)的な存在となる
DeFiのムーブメントの本質は、金融領域のありとあらゆる事業が分散されていくことにある。DeFiは主に次のものがある
ウォレット:自身の保持するクリプトを表示するアプリケーション
分散型取引所:トークン同士の交換が可能な分散型の取引所
貸金業:トークンを貸すことご可能になる
金融派生商品:トークンを用いたデリバティブ取引が可能になる
オプション取引:トークンの売る権利、買う権利の取引
保険:トークンを用いた保険商品の取引
ステーブルコイン:値動きの激しいクリプト市場で価格の安定性を実現
アグリゲーター:あらゆるDeFiプロトコルを集約して一元管理
インデックス:クリプト市場の動きを示す指数の実現
GameFiという言葉が生まれるきっかけになった大人気ゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」が取り入れた制度。奨学金のようなイメージで、ユーザーは「Axie Infinity」のプレイに初期費用がかからない制度
DeSci(ディーサイ) Decentralized Science
分散型サイエンス クリプトの技術や知見を生かして、資金調達、研究へのアクセス、出版仲介業などにおける科学界のこれまでの課題を解決していくことを目指す領域
・研究者の時間の多くは助成金獲得のための書類作成や研究に費やされている
・短期間で結果が出て世間的にも評価されやすいテーマを選択する傾向があり、イノベーティブな研究が奨励されにくい
・科学は「世界の公共財」であるにも関わらず、本来あるべき姿が世界レベルで実現しているかといえばそうでなく、国家間競争にも利用され、その競争は企業や国レベルまでとなっている
・その結果「オープンサイエンス」と呼ばれる、誰しもが学術的研究や調査の成果などの情報にアクセス可能にする運動が台頭したが、今度は「Nature」に代表されるように、出版社などの仲介業者へ権力が集中してしまった
Web3領域を支える技術であるブロックチェーンの存在は、Web3を支えるそれらのチェーンのエコシステムである
2010年代は個人がエンパワーメント(能力の引き上げ)をされた時代であった。ある人からすると幸せな社会であったかもしれないが、ある人からすると淘汰の早い残酷な弱肉強食の世界だった
「トラストレス」とは、よくブロックチェーン分野で口にされる言葉で、「お互いの信頼関係がまったくない状態でも取引を可能にすること」お互いに信頼を得ることなく、決まったルールに基づいて取引できる
「NFTを保有する」ということは、NFTマーケットプレイスでNFTを単に買うことではない。NFTを保有するということは、「NTFを自身で所有する」こと。NFTとなっているトークンを自身の「ウォレット」と呼ばれるブロックチェーン上にて誰からも認識される財布に収納していること
Web3社会において重要なことはオーナーシップを利用者個人が持てること。利用者は単なるユーザー、顧客ではなく、オーナーシップを持つ複数オーナーの1人としてプロトコルに関与できることが、Web3の特徴
総務省の令和3年版情報通信白書によると、日本における個人のインターネット利用率は83.4%で、インターネットをまったく使っていない個人を見つける方がもはや難しい。スマートフォンを通して利用している個人が68.3%で、パソコンから利用している個人は50.4%となっている
コラボレーションや協力、つまり、「共創」が人間の本質の一つであり、基本的な生き残り戦略だと言える。Web3はコンセプトとして「競争」よりも「共創」を重視している
ブロックチェーンの登場は情報に加え、価値の流れも変える。Web1.0がIT革命ならば、Web3はコラボレーション革命であると言える
DAO(ダオ) Decentralized Autonomous Organization : 自律分散型組織
ブロックチェーンの登場によって可能になった、新しいコラボレーションの形であり、ブロックチェーン上で実行されるルールを共有しあい、ミッションを中心に組織されたグループ、コミュニティのこと。DAOでは、さまざまなタイプのトークンを利用して、参加者のインセンティブを調整することが可能。「中心のない、ミッションドリブンのコミュニティ」
ファットプロトコルの議論には、ブロックチェーンテクノロジーによって、価値の源泉を根本的に反転させ、プロトコル層がアプリケーション層よりも多くの価値を生み出すように変更できるという思想が根底にある
Web3やDAOの入門書として、とても分かりやすい書籍で途中物語で登場する単語なども詳しく例えてくれて初心者にも優しく、Web3の概念を理解するのにおすすめの1冊です