テクノロジーが予測する未来
先日読んだ、Web3の本とセットで読んだ方が良いとお薦めだったので、伊藤穰一さんのWeb3、メタバース、NFTで、世界はこうなる 新書を読んでみました
DAO Decentralized Autonomous Organization
分散型自律組織で、この形態の組織では、「経営者→従業員」といった上意下達ではなく、何事もメンバー全員参加のもとで直接民主主義的に決められる
Web1.0では、「つなぐ」と表現されて、ブラウザさえあれば誰でも情報を公開し、誰もが情報にアクセスできる。情報の発信者と受信者を「つなぐ」ようになった
Web2.0では、誰かが一方的に情報を発信するのではなく、不特定多数のユーザーが自分の意思で書き込んだり体験をシェアしたりできるようになった。SNSで自分がフォローしている人のニュースソースがシェアしたリンクに飛んでニュースを読む
Web3とは「トークン」が行き交う世界
ファンジブルトークン(代替/交換可能なトークン)とノン・ファンジブルトークン(代替/不可能なトークン)に分けられ、ファンジブルトークンには通貨的なトークンと証券的なトークンがある。通貨的トークンには、「ステーブルコイン」や「ペイメントトークン(またはユーティリティトークン)と呼ばれるものがある
Web1.0では、グローバルに「read = 読む」ことが可能になり、Web2.0ではグローバルに「write = 書く」ことが可能になり、Web3ではグローバルに「join = 参加する」ことが可能になった。一般的にWeb3は「own = 所有する」という言葉がよく使われる
イギリスの有名グラフィックアーティスト、バンクシーの作品のデジタルコピーをもとったうえで原本を燃やしてしまい、デジタルコピーのほうをNFT化するという、アート界を騒然とさせた作品がOpenSeaに出品されている
メタバースの重要なキーワードは「多様性」
各プラットフォームごとの分断がなく、オンライン上のさまざまなコミュニケーション空間が一緒になって「超 = メタ」な「1つの世界 = バース」を形成しているというのがメタバースの概念
暗号資産専用の確定申告作成サービス・Koinlyや自分のウォレットを一元管理できるサービス・Zapperなどを使って、ブロックチェーンで行った決算や税務処理をはじめ、あらゆる事務処理をスピーディに完了させられる。必要に応じてツールを組み合わせるのは、Web3ならではの「コンポーザビリティ」といえる
いまは、国も企業も、何でもタスク化して解決に注力する「ソリューショニズム」に陥っている。これからの時代、そうでない真の創造性には「そもそも、なぜ?」という問いが不可欠
パーパス・ベース・ラーニングは、プロジェクトの前に「目的」がある。「いい空気の環境で暮らす」という目的が先にあって、そのためには何が必要かを考える。そこからプロジェクトが発足して、必要なことを学んでいく
Web3のテクノロジーを使いながらも、ユーザーを自分のプラットフォームに囲い込もうとする「なんちゃってWeb3」もある。せっかくのWeb3のメリットも半減する
2022年3月、メタマスクというメジャーなイーサリアムウォレットがApple Payに対応した。これを使えば簡単に円をイーサリアムに替えることができる
Web3の最大の特徴は、「Decentralized」 = 「分散」
すべてを非中央集権化するテクノロジーをきっかけとして、社会は非中央集権的なパラダイムへと移行しようとしている
Web3やメタバース、NFTの基本を事例を入れながら分かりやすく解説されているので、Web3の概念や、今起きていることを知るのにはとても読みやすくオススメの1冊です。