苦しかったときの話をしようか
USJを復活させたマーケター森岡さんが自分の子供向けに書いた虎の巻を書籍にした本が気になったので読んでみました!
現実を見極め、正しい選択をすることで、人は目的に近づくことができる。そのために重要なのは、さまざまな現実を生み出している「構造」を明らかにすること
キャリア戦略とは、その人の目標達成のため、その人が持っている「特徴」を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということ
オンリーワンとは、ある文脈においてのナンバーワンを目指すこと。花も人も相対的にある程度は勝ち残らないと、商品や労働力として買ってもらえない
会社よりも機能が大事な理由
1.いくら会社に惚れ込んで結婚したくても、会社はどうしても結婚できない。いまは安定してても10年後20年後はどうなるか分からない
2.スキル(機能)こそが、相対的に最も維持可能な個人財産。能力だけは健康な限り常に共にある
コントロールできる変数は、1.己の特徴の理解、2.それを磨く努力、3.環境の選択
最初から、この3つしかない
資本主義とは何か?
資本主義はの本質は人間の「欲」
基本的な「より便利で、より快適な暮らしがしたい」という欲のベクトルは、人間の歴史の中で決して逆行したことはない
資本主義とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造。生涯年収を比べると桁が違う結果になる
年収を決める大きなドライバー
1.最初のドライバーはその人の「機能の価値」
今よりも需要が増えれば価格は上がり、今よりも供給が増えれば価格は下がる
2.2つ目のドライバーは所属する「業界の構造」
たくさんの給与を払える場合とそうでない場合が存在する。払える人件費には業界特有の構造的な限界がある
3.3つ目のドライバーは「成功度合による違い」
その人がどれだけ重要で代替不可能な能力を有しているか
年収の期待値の上下を知った上で、それでも自分にとっての情熱を持てる好きな仕事を選ぶべき
人生とは、まだ知らない面白いことを求めて、自分の世界を拡げていく旅のようなもの
将来変わるかもしれない仮設でもって突貫する努力に、一体どんな価値があるのか?その価値は2つあり、1.納得性、2.一貫性
具体的な「こと」からの発想するのではなく、「どんな状態」であれば自分はハッピーだろうかという未来の理想「状態」から発想する
「伝え方(HOW)」よりも「中身(WHAT:何を伝えるか)」こそが、遥かに重要な意味を持つ
コミュニケーションはマーケティングそのもの
誰に伝えるか(WHO)→何を伝えるか(WHAT)→どう伝えるか(HOW)の順番で考えるのが正しい
WHOはブランドの「ターゲット」を規定する
ターゲット設定は主に「戦略ターゲット(ST:Strategic Target)」と「コアターゲット(CT:Core Target)」の2つがある。戦略ターゲットとはブランドが選ばれる確率を高めるために経営資源を少しでも投下する広いくくりのこと。コアターゲットとは戦略ターゲットの中で更に集中して予算を投下する、より狭いくくりのこと
My Brand
1.Valuable 価値は十分強いか?
最も重要なポイント、価値そのものが強いことが最も大事。相手にとって十分な価値のあるWHAT(便益)になってないと、先方は買う必要性がない
2.Believable 信じられるか?
相手を信じさせることができなければ、相手は価値を評価することはない
3.Distinctive 際立っているか?
WHOに選ばれる確率を高める差別化が必要
4.Congruent 自分の本質と一致しているか?
ウソはいけないが、スピンは必要
スピンとは、同じ事実を言うのに切り口や見せ方を考えるだけでインパクトを増やすやり方
人が苦しいのほ、自己評価が極端に低くなっているとき。自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたとき。「きっと何とかなる」ことを覚えておく
リーダーとして成さねばならないことは何か?誰に嫌われようが、鬼と呼ばれようが、憎まれようが、何としても集団に結果を出させること
大切なことは自分の強みで戦うしかないことと、自分の強みを知っておくことの2つ
自己保存の本能の話。チャレンジによって起こる変化が大きいほど不安は大きくなる。つまり、不安とは、本能を克服して挑戦している勇敢さが鳴らしている進軍のラッパのようなもの。不安があるほど勇敢
最も大切なのは目的の方向に向かって絶えず成長し続けること。成長することで目的を達成する確率は上がり、諦めない限りいつかその目的に到達できる。「挑戦するから失敗してしまう自分」の方が圧倒的に強くなれる
会社が給与を払っている対象は、強みに対してであり、弱みを克服する努力ではない。年収を上げたいなら強みを伸ばさなくてはならない。弱点改善を要求されたときに、上司から言われたことに素直に「はい」と受け入れつつも、どこまで真剣にその克服にリソースを使うか冷静に判断しなければならない
人は無意識に自分と似た人間を過剰に評価する傾向がある。自己保存の脳が、自分自身を認めて肯定したいバイアスを常にかけているから。自分とは違うタイプの特徴を持つ人を意識して探して、その価値を認めて、その価値が炸裂する場で輝かせて、それらの人を敬意を持って大切に扱う
変わろうと覚悟したときの意識変化と、実際の行動変化まで「タイムラグ」に耐えられないから。実際に行動が変わるかどうかは、神経回路と連動する筋肉の動きという物理的な問題
マーケターの森岡さんが子供に知ってもらうための自分の強みをどう認識して生かせるかのノウハウが多く分かりやすく書かれた書籍で、キャリアの考え方にとても参考になりオススメです!