「常に忙しそうなリーダー」が周囲に与える大きな影響
こんにちは!
みなさんの職場では、リーダーが毎日忙しそうに仕事をしている姿を見ていますか?
実際、パワフルで能力があるリーダーほど、目の前の仕事に集中して取り組み、「自分が全てを解決する!」という強い意気込みで仕事に臨んでいることがあるかもしれません。
ただ、こうした「リーダーの忙しさ」を周りのメンバーが強く感じてしまうと、悪影響が出てしまうことがあります。
今回は、リーダーの忙しさが与える影響と、その改善策について書いてみたいと思います。
それではいってみましょう!
1. はじめに:リーダーの「忙しさ」が与える印象
職場でよく見かけるのは、常に何かしらの業務に追われ、スケジュールがぎっしりと詰まったリーダーの姿です。
リーダーが忙しそうにしていると、多くのメンバーは「この人は仕事に一生懸命で、チームのために努力してくれている」と感じるかもしれません。
特に、勤勉で責任感の強いリーダーほど、その働きぶりを誇示しようとする傾向があります。
しかし、その忙しさがチーム全体に与える影響は一面的ではありません。
表面上はポジティブに映るこの忙しさが、実はチームにとってマイナスとなるケースも少なくないのです。
本記事では、なぜリーダーの「忙しさ」が初期の印象としては好意的に捉えられるのか、その一方で後々どのような悪影響を生む可能性があるのかについて書いていきます。
2. 「忙しさ」アピールの心理とその裏側
リーダーが常に忙しそうにしている理由には、多くの心理的背景が存在します。
表向きには「自分は重要な役割を果たしている」「仕事を全力でこなしている」という印象を周囲に与え、チームメンバーや上司からの信頼を得るための行動かもしれません。
このようなアピールは、リーダーとしての地位を保ち、自らの存在意義を示そうとする一種の自己防衛本能ともいえます。
しかし、深掘りしてみると、リーダーがこのような「忙しさ」を見せたがる理由は、単なる自己満足にとどまらないことが分かります。
実際、リーダーが自分の負担を過度にアピールすることで、周囲に「自分しかこの業務をこなせない」と思わせることができるからです。
これにより、自らの重要性を高め、不可欠な存在であることを確保しようとします。
この心理は時として、リーダー自身の不安やプレッシャーを隠すための手段ともなります。
「自分はチームを統率する役割を担っているのだから、常に忙しくしていなければならない」と思い込むことで、精神的な安心感を得ようとするのです。
しかし、このような行動が無意識に続くと、周囲の理解を欠き、チームに逆効果をもたらすことがあります。
3. チームメンバーへの逆効果:悪影響の例
リーダーが常に忙しそうな姿を見せることは、初めのうちは「この人についていけば安心だ」とチームメンバーに思わせるかもしれません。
しかし、時間が経つにつれて、その「忙しさアピール」は予期しない形でチームに悪影響を及ぼすことがあります。
a.チームの士気の低下
リーダーが忙しそうにしていると、メンバーは「自分たちは十分に信頼されていないのではないか」「自分の仕事を任せてもらえないのかもしれない」と感じることがあります。
このような状況が続くと、メンバーは自分の役割に対する責任感を失い、ただ指示を待つだけの受動的な態度になりがちです。
結果として、チーム全体の士気が低下し、生産性にも悪影響を与えます。
b.信頼関係の崩壊のリスク
リーダーが自分の忙しさを過剰にアピールし続けると、チームメンバーは「この人は自分の業務の大変さを見せることに集中しているだけで、私たちのサポートを本気でしているわけではない」と感じることがあります。
リーダーとメンバーの間に距離が生まれることで、チーム内の信頼関係が徐々に希薄になっていくのです。
c.コミュニケーション不足や混乱
リーダーが多忙なふりをすることで、日常の業務での透明なコミュニケーションが阻害されることがあります。
重要な情報共有が滞る、タスクの優先順位が曖昧になるといった問題が発生し、チーム全体の方向性が見えにくくなります。
これらの悪影響が積み重なると、結果としてリーダー自身の負担がさらに増すという悪循環に陥ります。
チームが自己判断で動ける環境を作らなければ、リーダーが全てを管理しなければならず、さらに「忙しいリーダー像」が強化されるという皮肉な結果になるのです。
4. 忙しさの「質」と「量」を見直す
リーダーとして成功するためには、ただ単に多くの時間を働くことが重要なのではなく、その「忙しさ」の質と量を見直すことが求められます。
リーダーが効率的で効果的な働き方を実践することで、チームにポジティブな影響を与えることができるのです。
効率的なマネジメントを行うためには、リーダーは自分が行っている業務を分類し、優先順位を見直すことが必要です。
例えば、戦略的な決定やメンバーの育成といった、チーム全体の成長に寄与する「本質的な業務」に時間を割くべきです。
日常的な雑務や細かな指示は、メンバーに任せることで自主性を引き出し、チーム全体の責任感を高めることができます。
また、リーダーは「見せる忙しさ」ではなく成果に焦点を当てたリーダーシップを意識するべきです。
チームが結果を評価し、リーダーの努力が本当にチームの成長につながっていると感じられれば、自然と信頼関係が深まります。
メンバーは「リーダーがいつも忙しい」ということではなく、「リーダーがどのようにして目標を達成しているか」に注目するようになります。
さらに、オープンなコミュニケーションも重要です。
リーダーは自分が関わる業務の状況や優先事項を透明に伝えることで、メンバーに安心感を与えることができます。
これにより、チームメンバーは自分の役割を理解し、リーダーのサポートを得ながら自律的に行動することが可能になります。
リーダーはまた、自分の限界を認識し、時には休息を取ることを恐れないことも必要です。
自分の体調管理や時間の使い方を見直すことによって、パフォーマンスを長期的に維持し、チームの見本となることができます。
5. まとめ:リーダーの姿勢がチームに及ぼす影響をどう改善するか
リーダーの「忙しさ」は、一見してチームのために奮闘している姿勢を示すように見えますが、その実、無意識のうちにチーム全体のパフォーマンスや信頼関係を損ねてしまうリスクがあることを確認してきました。
では、リーダーはどのようにしてこの「忙しさアピール」を改善し、チームにポジティブな影響を与えるリーダーシップを発揮するべきなのでしょうか?
まず、リーダーは自分の行動を内省し、優先順位を見直すことから始めるとよいでしょう。
常に忙しさを強調するのではなく、チームの成長に不可欠な業務に集中し、メンバーにとって真に価値のある働き方を示すことが重要です。
これにより、メンバーが自主的に行動し、リーダーに頼らずに自信を持って判断できるようになります。
次に、メンバーとの信頼関係を築くために、オープンで積極的なコミュニケーションを心がけることです。
リーダーは、プロジェクトの進捗や戦略的な視点を明確に共有し、チーム全体が同じ方向を向いていることを保証しなければなりません。
これにより、メンバーはリーダーがただ忙しくするのではなく、彼らの成長を真剣に支援していると感じるようになります。
「成果を重視する文化」を促進することも大切です。
忙しさをアピールするのではなく、達成された結果を評価し、そのプロセスを振り返る時間を持つことで、チーム全体が何を目指しているのかを理解しやすくなります。
こうしたアプローチは、メンバーのやる気を引き出し、チームの生産性を向上させます。
最後に、リーダー自身の健康管理とバランスの取れた働き方が不可欠です。
リーダーが疲労を感じていては、質の高い判断やチームへの適切なサポートは難しくなります。
休息を取り、自分をリフレッシュすることで、チームにとって最も効果的なリーダーシップを発揮できるのです。
リーダーは、ただ「忙しく見える」ことではなく、実際に成果を出し、チームにとって模範となる行動を示すことが求められます。
これにより、チームは高い士気と自主性を持ち、より良いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
リーダーのみなさんはハードな仕事できっと忙しい日々を過ごしていることと思いますが、一度立ち止まって、「自分がチームメンバーに忙しいアピールで悪影響を与えていないだろうか?」と考えてみて下さい。
ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました!
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《このnoteを書いた人》
ひろ/介護事業経営者/理学療法士/介護支援専門員
・病院で80人の部下を抱える管理職⇒介護で起業⇒7事業立ち上げ⇒経営11年目
・仕事効率化、知的生産、ビジネス書、文房具、ガジェットの話題が大好き
・X(旧Twitter)で介護事業の運営・マネジメント・リーダーシップについて発信
・YouTubeで介護事業の起業・経営について発信
・LINE公式アカウントで介護事業の経営・マネジメント・リーダーシップについて発信