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リーダーが成功するために意識すべき3つのポイント「視野・視座・視点」

はじめに

リーダーとして、日々、多くの決断を迫られていませんか?

チームを率いる責任を背負い、時には難しい選択や厳しい状況に直面することもあると思います。
その中で、的確な判断を下し、チームを成功に導くためには、ただ自分の視点だけに頼るのではなく、もっと広く、もっと深く物事を捉える力が求められます。

ここで鍵となるのが、「視野」「視座」「視点」の3つです。

視野、視座、視点を表した図


この3つは、リーダーの意思決定に大きな影響を与えます。
リーダーシップの質は、広い視野で全体を把握し、異なる視座から多面的に状況を理解し、そして適切な視点で問題の核心を見抜く力によって決まります。

視野が狭ければ、目の前の問題ばかりにとらわれてしまい、チーム全体の成長や長期的な戦略を見失う危険があります。

また、特定の視座に固執すると、他者の立場や意見を軽視してしまい、コミュニケーションが断絶することもあります。そして、肝心な視点がズレてしまえば、どんなにリーダーシップを発揮しても的外れな結果になりかねません。

今回の記事では、リーダーがこの「視野」「視座」「視点」をいかにして意識し、どのようにリーダーシップに活かすべきかについて詳しく解説します。

日々のリーダーシップにおける視覚を磨き、より高いレベルでチームを牽引していくための第一歩を、一緒に踏み出してみませんか?


1. 視野:リーダーの持つ全体像の把握力

リーダーにとって、「視野を広げる」ことは、全体像を理解する力を意味します。
視野が狭いと、個別の問題や細部にとらわれてしまい、全体のバランスを見失うリスクがあります。
視野が広いリーダーは、複数の要素を同時に考慮し、長期的な視点で戦略を立てることができます。

視野とは何か

視野とは、目に見える範囲だけでなく、どれだけ広い範囲を意識的に理解できるかを指します。
リーダーシップにおける視野は、単に「多くの情報を収集する」ことではなく、「重要な情報を適切に取捨選択し、全体の動きを把握する力」と言えます。

例えば、短期的な業績向上だけでなく、会社全体の成長や市場の変化、チームメンバーのスキルやキャリアアップなど、広範囲な視野を持つことで、戦略的な意思決定が可能になります。

リーダーに求められる広い視野の重要性

広い視野を持つことは、以下のような理由でリーダーにとって重要です:

  1. 長期的なビジョンを描ける:広い視野があるリーダーは、短期的な利益に振り回されず、長期的な成長を視野に入れて計画を立てることができます。

  2. 複数の要素を総合的に判断できる:チームメンバーの個性や強み、業界のトレンド、会社のビジョンなど、さまざまな要素を考慮してバランスよく決断を下すことができます。

  3. 変化に柔軟に対応できる:市場の動向や技術の進化、社内外の環境の変化に対しても、広い視野を持つリーダーは素早く対応し、必要な方向転換を行えます。

視野を広げるための方法

視野を広げるためのアプローチはいくつかあります:

  • 情報収集を怠らない:外部環境や競合、顧客のニーズなど、リーダー自身が積極的に最新情報をキャッチアップし続けることが必要です。

  • 異なる業界や視点を学ぶ:他の業界やリーダーの考え方に触れることで、自分が属する分野だけに囚われず、新しい視点を得ることができます。

  • フィードバックを求める:自分だけでは気づかない視野の盲点を補うために、チームメンバーや他のリーダーからフィードバックをもらうことも効果的です。

広い視野を持つことで、リーダーは全体を見渡す力を高め、チームや組織の持続的な成長を支えることができます。


2. 視座:物事をどの位置から見るかの選択

「視座」という言葉は、物事をどの位置から眺めるか、どの立場に立って考えるかを意味します。

視座のイメージ図


視座はリーダーシップにおいて非常に重要な概念であり、リーダーが自分の位置をどこに置くかによって、同じ状況や問題でも見え方が変わります。

視座が低いと、将来的に遭遇する落とし穴が見えないということになります。
例えば、会社でいうと、役職が上がるほど視座が高くなり、より長期的なスパンで物事を見ることができるようになり、5年後、10年後の落とし穴に気づくことができ、それを防ぐように戦略を立てられるといったことがあります。

視座を柔軟に切り替えることができるリーダーは、多角的な視点から判断を下し、組織やチームにとって最適な選択を導き出すことができます。

視座の定義とリーダーシップでの意味

視座は、単に「立場」を指すだけではありません。
それは、リーダーがどのような位置からチームや問題、課題を見るかという「心の位置」も含んでいます。
自分の立場だけに固執せず、時には部下の立場、顧客の立場、さらには外部の第三者の視点から状況を捉える力が求められます。
これにより、リーダーはより広い視野を持ち、偏った見方に陥らず、公平でバランスの取れた意思決定ができるのです。

例えば、プロジェクトが遅れている状況を考えてみましょう。
自分のリーダーとしての視点だけで考えると、「もっとスピードを上げなければならない」とチームに圧力をかけることもあるでしょう。
しかし、視座を変えてメンバーの立場から考えれば、遅延の原因はリソース不足や外部要因にあるかもしれないと気づくことができ、その対応策も違ってきます。

チームや他者の視座を理解する大切さ

リーダーが自分の視座だけでなく、チームや他のステークホルダーの視座を理解することは、信頼関係を築くために非常に重要です。
人は誰しも、自分の立場や状況に基づいて物事を考えるため、リーダーがその視点を理解し共感することで、メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、モチベーション向上にもつながります。

  • 共感力の向上: 視座を他者の立場に置くことで、メンバーの悩みや課題をより深く理解できるようになります。共感力のあるリーダーは、メンバーが本当に必要としているサポートを提供でき、信頼を得ることができます。

  • 多様な意見を受け入れる柔軟性: 視座を変えることで、異なる意見やアプローチを受け入れる柔軟性が養われます。これにより、チーム内で新たなアイデアが生まれやすくなり、イノベーションが促進されます。

視座を変えることがもたらすメリット

視座を柔軟に変えることは、リーダーとしての成長にも大きな影響を与えます。
特に、次のようなメリットがあります:

  1. 多面的な問題解決: 一つの視点からしか問題を見ていないと、解決策も限られがちです。しかし、視座を変えて多面的に問題を捉えることで、より創造的で効果的な解決策を見つけることができます。

  2. ストレスの軽減: リーダーとしての責任感から、自分だけで問題を抱え込んでしまうこともありますが、視座を他のメンバーや外部の視点に置くことで、負担を分散させたり、より客観的に問題を見つめ直したりできるため、精神的な負担が軽くなることがあります。

  3. 判断のバランスを取る: 自分の視座に固執すると、偏った判断や極端な意思決定を下すリスクが高まります。視座を柔軟に変え、多様な視点から状況を捉えることで、バランスの取れた合理的な判断が可能になります。

視座を変えることで、リーダーはより大きな視野を持ち、多様な視点からチームや組織をリードできるようになります。
それは、リーダーシップをさらに深く理解し、実践するための強力なツールと言えるでしょう。


3. 視点:具体的な問題や課題への焦点

「視点」とは、ある事象や問題に対してどこに焦点を当てるかという、具体的な角度や観点のことを指します。
視野が全体を見渡す力、視座が物事をどの立場から見るかを意味するのに対して、視点は特定の部分に対して注目し、詳細に理解するためのものです。

リーダーとしての「視点」は、問題解決や戦略立案の際に、どの部分に優先的にフォーカスすべきかを判断するために欠かせないスキルです。

視点と視座・視野の違い

視点は、視野や視座と密接に関連していますが、それぞれの役割は異なります。
視野は全体を俯瞰する力であり、視座は立場や観察地点を選ぶ力です。
視点は、そこから具体的にどの部分に焦点を当てて分析するかという選択のことです。
たとえば、リーダーがプロジェクトの全体像を把握して(視野)、部下の立場や顧客の視点に立って(視座)、その上でどの部分がボトルネックになっているか(視点)を特定するという流れです。

視点は「何を重要とするか」という優先順位を決める力とも言えます。
広い視野を持ち、視座を変える力があるリーダーでも、適切な視点を持たないと、問題の本質を見誤ったり、重要なポイントを見落としたりするリスクがあります。
視点をしっかり持つことで、細かい部分にも注意を払いながら、効率的に問題解決に取り組むことができます。

問題解決や戦略立案における視点の重要性

リーダーにとって、視点は日々の問題解決や戦略立案において非常に重要です。
例えば、売上が低迷している状況で、全体を俯瞰して(視野)現状を把握しつつ、競合分析や市場動向を考慮する(視座)とします。
その後、具体的にどの部分が売上に影響しているのか、例えばマーケティング戦略なのか、製品の価格設定なのか、チームの効率なのか、といった要素に対して視点を絞り込むことで、問題の核心に迫ることができます。

視点を的確に選ぶためには、以下のスキルが必要です:

  • 本質を見抜く力: 問題や状況の表面的な現象に惑わされず、その根本的な原因を見極める力が必要です。これは視点を絞り込む際の判断力として極めて重要です。

  • データと事実に基づく分析: リーダーは、感情や直感だけに頼らず、データや事実に基づいて状況を分析することが求められます。数字や具体的な情報に目を向け、そこに隠れたヒントを見つけることが、視点の焦点化に繋がります。

  • 柔軟な発想力: 視点は固定されるべきではなく、必要に応じて柔軟に変えることが大切です。初めは「売上の低下」に焦点を当てたとしても、途中で「顧客満足度」に視点を移す必要があるかもしれません。このように、状況に応じて視点を調整する柔軟性が重要です。

効果的な視点の持ち方

効果的に視点を持つためには、問題の規模やリソース、チームの状況などに応じて、適切に視点を設定することが求められます。
以下のポイントを押さえることで、リーダーは的確な視点を持ち、問題解決に臨むことができます。

  1. 目的を明確にする: 何を解決したいのか、どの成果を目指しているのかを明確にすることで、視点がブレることなく集中できます。目的が定まっていないと、焦点が散漫になり、効率的な解決策にたどり着けません。

  2. 優先順位をつける: すべてに均等に焦点を当てるのではなく、解決すべき問題や課題の中でも、特に重要な部分にフォーカスすることが大切です。リーダーは、リソースや時間に制約がある中で、何を最優先すべきかを決定する力が求められます。

  3. 定期的に見直す: 一度定めた視点も、状況の変化に伴って柔軟に見直す必要があります。市場の変化や新たな問題の発生など、外部環境が変われば、視点も適切に調整していくことが大切です。

効果的な視点を持つことで、リーダーはチームを正しい方向に導き、的確なアクションを取ることができます。


4. 3つの視覚的アプローチを統合するリーダーシップ

ここまで、「視野」「視座」「視点」の3つの視覚的アプローチについて個別に解説してきました。
これらはそれぞれ単体でもリーダーシップにとって重要ですが、真に優れたリーダーは、これら3つを効果的に統合して活用しています。
視野を広く保ち、高い視座から眺め、さらに問題解決において最も重要な視点を定めることは、リーダーとしての意思決定や行動を大きく左右します。

この章では、3つの視覚的アプローチをどのように統合し、日々のリーダーシップに活かすか、そしてそれによってどのように組織やチームに貢献できるかについて掘り下げていきます。

視野・視座・視点のバランスの取り方

視野、視座、視点はそれぞれ異なる役割を持ちながら、相互に補完し合う関係にあります。
これらの要素のバランスを取ることが、リーダーにとって非常に重要です。

  1. 視野を広く保つ: リーダーは、常に大局を見渡す力を持っている必要があります。チームの目標だけでなく、業界や市場の変化、さらには社会的なトレンドにも敏感であるべきです。視野が狭くなると、短期的な問題にばかり囚われ、長期的な成長や持続可能な発展が見えなくなってしまいます。広い視野を持つことで、チーム全体の方向性を適切に調整し、全員が目指すべき大きな目標を見失わずに済みます。

  2. 視座を高く持つ: 視座をできるだけ高く持つことも重要です。リーダーはチームメンバーよりも高い視座を持ち、より長期的なスパンで物事を見られる必要があります。メンバーが1年先まで見ていれば、リーダーは3年〜5年先を見ている必要があります。メンバーより常に先を見すえて指示が行動ができていれば、メンバーからの信頼感は高まるはずです。

  3. 視点を絞り込む: 高い視座を持つだけでは、リーダーとしての決断が曖昧になりがちです。最終的には、具体的な問題に対してどこに焦点を当てるか、つまり視点を定めることが肝心です。チームが抱える課題の中でも最も重要な要素に焦点を当て、それにリソースやエネルギーを集中させることで、的確な解決策を導き出すことができます。

日常のリーダーシップにどう活かすか

日々のリーダーシップにおいて、視野・視座・視点のバランスをどう取るかは、リーダーの具体的な行動に直結します。
以下の3つのステップを意識することで、これらの視覚的アプローチを日常のリーダーシップに組み込むことができます。

  1. 全体像を捉えた上で計画を立てる: 視野を広く保ちながら、組織やチームの全体的な目標を見据えて行動します。たとえば、年間計画を立てる際には、短期的な成果だけでなく、長期的なビジョンや市場の変化も考慮に入れることが必要です。こうすることで、計画が一時的なものではなく、継続的な成長につながるものとなります。

  2. 高い視座から見る意識で戦略を立てる: リーダーは可能な限り高い視座から状況を確認することで、落とし穴にはまることを防ぎます。たとえば、3~5年先に起きる世の中の変化について情報収集と予測を行い、数年先を見越した戦略を立てることが必要になります。

  3. 重要なポイントに視点を定めて行動する: すべての課題に手を出すのではなく、最も重要な部分に視点を絞り、そこに集中します。たとえば、プロジェクトが複数進行している場合、全体を俯瞰しながらも、リスクが高い部分や優先度の高い部分に特に注力することが求められます。これにより、効果的なリーダーシップが発揮され、チーム全体の成果が向上します。


「視野・視座・視点」という3つの視覚的アプローチは、リーダーが状況を俯瞰し、適切な判断を下すための強力なツールです。

これらをバランスよく使いこなし、日々のリーダーシップに活かすことで、組織やチームの成長を促し、リーダー自身も進化し続けることができます。

この3つの要素を意識して行動することで、より一層効果的で信頼されるリーダーになることができるでしょう。

ここまでお読みいただき、どうもありがとうございました!

よければ「スキ」ボタンも押していただけると、今後の執筆の励みになりますので、よろしくお願いします!

《このnoteを書いた人》
ひろ/介護事業経営者/理学療法士/介護支援専門員
・病院で80人の部下を抱える管理職⇒介護で起業⇒7事業立ち上げ⇒経営11年目
・仕事効率化、知的生産、ビジネス書、文房具、ガジェットの話題が大好き
X(旧Twitter)で介護事業の運営・マネジメント・リーダーシップについて発信
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