祝:アカデミー助演女優賞~ユン・ヨジョンの出演したエッジの効いた2作品
ユン・ヨジョンさんが、見事、アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。
韓国人俳優としては、初の快挙だとか。わたしも、「ミナリ」をみて、大感激して、noteの映画レビューにも、アカデミー賞助演女優賞を受賞するのではないかと予想していて、それが的中して本当に嬉しいです。
それにしても、授賞式のスピーチも、その後の記者会見も、彼女らしいエッジの効いた素晴らしいものでした。
そんなユン・ヨジョンの出演した韓国ドラマは、ヒット作を挙げたらきりがないくらいですが、わたしが、彼女の魅力がわかる一番のオススメは、このドラマ「ディア・マイ・フレンズ」です。
ベテラン有名俳優が一堂に会したドラマで、終わらない青春を生きる「お年寄り」たちと「若者」たちのストーリーなのですが、本当に面白いです。
わたしは、このドラマで、脚本家ノ・ヒギョンのすばらしさが、はじめてわかりました。
韓国では一目置かれる脚本家ですが、その作品は、クセが強いので、これぐらいの俳優たちが演じないと活きないのだなあと思いました。
かつて、ヨン様もヒョンビンも、大物脚本家ノ・ヒギョンの作品に、張り切って出たものの、その世界観を表現するのに相当苦戦していまして、そのせいか、日本の韓流ファンからすると、今一つ、どこがいいのかわからないといわれてしまったドラマもありました。
しかし、「ディア・マイ・フレンズ」は、老いを迎える人間を鋭い視点で洞察しながらも、そこに生きる意味と希望を持たせる、これぞ韓流のヒューマンドラマとなっています。
ユン・ヨジョンの魅力を、一言で言うなら、エッジの効いた老婦人というところかなと思います。多作な彼女は、韓国映画でもジャンルを問わず出演していますが、わたしが面白いと思ったのが、この映画「自由が丘で」です。
ホン・サンス監督で、加瀬亮が主演を務めていて、ユン・ヨジョンは、ゲストハウスの女主人の役ででています。
題名は、「自由が丘で」ですが、ソウルが舞台で、「JIYUGAOKA8丁目」は喫茶店の名前です。なんだか、大久保にある「明洞」という飲食店を思い出してしまいました。日韓のねじれた関係をこういう風に表現するところが、ホン・サンス監督の上手いところだなあと感心します。
ストーリーもホン・サンスお得意の時間軸がねじ曲がってしまって、いつのまにか人間の存在について考えさせられるようになっていて、わたしは面白かったです。
ユン・ヨジョンは、ノ・ヒギョンやホン・サンスのような、一筋縄ではいかない作品でも、その作品性を表現できる存在感を持った俳優なのです。