
希少な味を守る、わたりがに職人の挑戦
こだわり抜かれた、わたりがにの味
泉佐野市にある「割烹 松屋」は、わたりがに料理を極める専門店として知られている。市場で流通するわたりがには一般的に300g前後が主流だが、この店では500g~600g、大きいものでは700g~800gという特大サイズのものを扱っている。その理由は単純で、大きい個体ほど身がぎっしりと詰まり、濃厚な旨味を楽しめるからだ。
しかし、この美味しさを維持するためには、想像を絶する管理と手間が必要となる。
毎日3回、徹底した水槽管理
わたりがには非常にデリケートな生き物であり、「割烹 松屋」では365日、毎日3回の水槽チェックが欠かせない。水槽にいるカニの約2割が、何も問題がなくても1日で死んでしまうという厳しい現実がある。さらに、わたりがには死後30分で旨味が失われるため、死んでしまったものは食材としての価値を完全に失ってしまう。
このため、同店では生きた状態での管理を徹底し、お客様に提供する直前に捌くことを信条としている。料理の前には、活きたわたりがにをお客様の目の前でお見せし、「これを捌かせていただきます」と説明してから調理を始める。鮮度が命のわたりがににとって、これは最高の状態で味わうための必要不可欠な工程なのだ。
仕入れの困難さとわたりがにの希少性
わたりがに料理の難しさは、調理だけでなく仕入れにもある。天候や水温の変化に大きく左右されるため、安定した供給が難しい。実際、わたりがにの収穫量は年々減少しており、仕入れも大変。
このような状況の中でも、泉州の食文化として守り続けることを大切にしている。
最高級のわたりがにを味わうためには、それを支える職人たちの惜しみない努力がある。「割烹 松屋」の一皿には、ただ美味しいだけではない、深いこだわりと職人の誇りが詰まっている。
割烹 松屋の通販
