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『SF超入門』読書会(いきなりですが)chapter4 生物工学 で、考えた!

読書会ログ001(2023/05/06)

0.冬木糸一さん『SF超入門』で、朝5時読書会してます。

 この連休中、冬木糸一さんが書かれた『SF超入門』(※1)で、朝5時から読書会に参加させてもらっています。
 ファシリテーターは、年間300回以上、2000人以上と読書会をされてこられている、まーとさん。
 Twitter : まーと@リーディングファシリテーター @masatokaji
 もともと、まーとさん主催の別の読書会に参加して、そこからのご縁で、SF読書会やりたいなってご相談して、での、この読書会……って形になります。現在までに開催された『SF超入門』読書会は5回。まずは全体を俯瞰して1回、そこからchapter1~4まで一回づつ。

  • chapter1 仮想世界・メタバース

  • chapter2 人工知能・ロボット

  • chapter3 不死・医療

 を経て、今日がchapter4で、生命工学だったんですが、この章は私的に思い切り心を動かされた回でした。なので、ずっと、ここまでも書きたいと思っていた読書会ログをここから始めてみようと思います。
 まーとさんも、この回はご自身で残しておこうと言われてました。命について問い直す、このテーマ。いやはや、深く爪痕を残された……!

1.Read For Action形式読書会で読みこむ、『SF超入門』

 最初に、まーとさんの開催される読書会の形式について少し。まーとさん主催の読書会は、Read For Action (※2)という手法。
 これは、『読書を行動に結びつける』読書法
 昨年全く別の本で参加させて戴いてから、すっかりこの読書会にハマっているんですが、『行動につなげる』キャッチフレーズからもわかるように、ビジネス書とか向きで、小説でどう応用するのかというところで、当初は試行錯誤。これまで筒井康隆さんの『にぎやかな未来』で開催してみたりと、チャレンジしていただいておりましたが、なんと、やってみるとこの『SF超入門』での開催がこの方式に親和性が高く! しかも応用範囲が広い(まーとさんのようなビジネスパーソンにも、私のような単純ミーハーSFファンのどちらにも対応可!)事が判って来まして、いよいよ6月から参加者を募る形での開催が予定されているとのこと……あぁ、ワクワクしますねぇ……!

2.そして、私にとっての ”chapter4 人間工学”

 さて、これまでの読書会、それぞれもとても楽しかったし、発見もあり、自分のこれからにつながるものを得たのですが、毎回「読書ログに残したいな」と思いつつも、書き出すまでに至らなかった。「不老不死」も、「ロボット」も、凄まじくツボのテーマだったのに。
 そして、それなのに、この章についてだけは、どうしても(しかも即日のうちに!)書き残しておきたいという気持ちになった。そこもちょっと良く自分ではまだわかんない。
 でも、書きたいと思った時に書かなくていつ書くの!?ですので、とにかく書き始めてる感じです(まぁ、人生なんてそんなもん(笑))。

さて、このchapterで、人間工学を語るゲート本として紹介されている本は、下記掲載の5冊(※資料)。

 読んだことがあるものもあれば、書名は知っていても読んだ事のないもの、まったく存在すら知らなかった本もあり。

 Read For Action の読書会では、いくつか本へのアプローチの手法があったりするんですが、まーとさんのファシリテーションのもと、本文中からこの章のキーワードとなると思われる言葉や文を3つチョイス。
 ここで私がピックアップしたのが、「過酷」「改変」「復讐」。本文中の気になるフレーズが「内側から変わりゆく人体」「生命を創り出す事の倫理を問う」そして、「人は神に代わる創造主足り得るのか」?
 この最後のフレーズが私のそのまま著者への質問に。
 もう、この時点で脳内が滑り台化。いや、ジェットコースター化かも。問いがたったら、質問の答えを求めて本文中へダイブします。受け取る答えは、本文をソースにして、さらに、自分が思考したものになります。
 自分で発見したと思ったのは、この3つ。「人間は自分自身の行動の責任がとれない」「人間は自分自身の衝動が止められない」けれど、「それこそが人間を成長させてきた……?」

 ……この時点で、もうちょっと唇がへの字になってきて。
で、自分で出した質問への答えがコレ。

「人は神に変わる創造主足り得るのか? → 許されなくても、人はきっとそちらへ進んでいく。その上で。新たな生命を創造するだけでなく、人間自身を変容させていく。そして、そのときにこそ、創造主になってしまう?」

 ……でも、果たして、ソレ、その時点でもう、人間と言えるのか?

3.そして、じゃあ自分はどうしたいのか? どうするのか。

 Read For Action の読書会は、得た結論から自分のアクションにまで繋げていくものなんで、「じゃあ、(当初自分の設定した目標の達成のために)どうするの?」を考えて終わりになります。
 しかし、昨日(ようやく)『三体』(著者:劉慈欣 発行:早川書房)のマイク・エヴァンズ率いる巨大基地船、ジャッジメントデイへどうやって侵入するか(その前の陽子2つの話も伏線感に震えたなぁ……)悩む地球の軍人さんたちの会議に参加してた身としては(笑)、不老不死の章でも考えたこの二律背反から来る悶えを如何せん……!

 結局、私がどういう答えを出したか、が、まさに今書いているこの文章になります。

そう。思考の過程を残しておこう。

 Read For Action では、3か月後に自分がどうなっていたいかも提示します。今からだと……8月の始めかぁ。
 3か月後に私がなりたい自分として提示したのが、
『何をどう言ったところで、多分、世界はそう変わっていく。でも、その時に人間がどう感じるかの、思考の誘導は可能だろうか。心の感度をあげておくことは、出来るだろうか?』
 ……正直言うと、人間が生命を創る事に対しての生理的な恐れはあっても、人間はてんとうむしと一緒で、どうしても高い(と、自身が認識する方。これは、倫理とか社会性とかだけじゃなく、メリットや名声なんかも含めて)方へあがってっちゃって、我慢とか待てとか究極は無理な生物なんだろうと思っていて
 でも、だからこそ、生理的な恐れや、哀しみや愛情なんかを感じる「機能」がバランサーとして備わってるんじゃないかと。
 じゃあ、このバランサーの感度を皆であげておくのはマストじゃね?……で、それにはやっぱり……面白いSFを、皆で読むのが一番じゃね?
 結局、「SF読書会、やっぱりやりたいな。SFサミットもやりたいな。2025年の万博で、まさに、この大阪で!」
 ……っていう、毎度の結論に至る訳ですな(笑)。

え、予定調和?
 ( 赦されて(笑)!)
 
(※この読書会、まだまだ続く予定です。また、面白そうなネタにあたったら、こっちに落としに来ます)
                  (2023/05/06 文責:ノリアキラ)

資料:chapter4でピックアップされてたのは、この5冊!


※1 『SF超入門』 著者:冬木糸一 発行:2023/02/28 ダイヤモンド社

 厚さ3センチ、扉綴じ込み部分にSF沼地図が配置された、広大なSFジャンルを歩く、さながら「地球の歩き方@SF版」の感あり。
 毎年あれこれSFもミステリも地図本(いや、読みたい本だろ)出ますが、大州別(テクノロジー/災害/人間社会の末路)からの、代表国別(たとえばテクノロジー国なら仮想世界・メタバース/人口知能・ロボット……等)、さらにその国の一推し都市(たとえば人工知能・ロボットなら、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』/『われはロボット』/『BEATLESS』)と分類され紹介された、掻きたい・痒いトコ(性癖)に手が届く本。古典もぴちぴちの新鋭作家作品も国内も海外も全部包含。
 驚愕なのは、これが冬木糸一さん、一人で踏破した記録であるということ。ここ20年は、一人でこれだけの本紹介本を出した人はいないらしい(ジュンク堂のイベントでハヤカワSFの編集長の溝口さんがそう言っておられました)……こりゃ、SF界のマルコ・ポーロ? いや、マゼランか?

冬木糸一さん:書評ブログ『基本読書』主催。「SFマガジン」「家電批評」などでSF書評を連載。これまで読んだSF小説は2000冊超え。筆名の「冬木糸一」は「終末」の文字をバラバラにして再構築したもの。

「SF超入門」著者プロフィールから抜粋

 リンク:冬木糸一さんのブログ『基本読書


※2 Read For Action
 読書を行動につなげる読書法として提案された手法。公式HP拝見すると、とっても理念が高邁である! 私感ではありますが、ビジネス書など、自分が突破したい壁がある、この本読むとそれが解決できるんじゃないかなという場合、この読書法での読書会は目的の明確化と行動指針への指向性が高く、同時にアウトプットまでを成し得ることから、他に勝るブースターに成るように思います。ただ、物語でこの方法をとる時には、主催側の手腕が問われるようです。つまり、これを超えられるまーとさんのファシリテーターの腕のスゴさよ!という話ですね(と、無責任にハードルを爆上げ(笑))、ね、まーとさん!

 「読んでつながる 力に変える」をスローガンに、読書を通じて人と人 、人と場をつなぎ、「読むだけの読書」から「行動するための読書」へのシフトを実践する読書会を、日本全国からアジア、そして世界各国へと展開していくことにより、人材育成や地域活性化という、社会課題の解決に貢献することを目的としています。RFAは、「本を通じて周りとつながり、一人ひとりが自らの力を伸ばしていく。そして、参加者が自分の才能を使って、広く社会問題の解決に取り組んでいけること」を目指す、日本最大級のソーシャル・リーディングネットワーク(読書会コミュニティ)を企画・運営しています。
 リードフォーアクション | アルマ・クリエイション | (almacreation.co.jp)

RFA公式 HPより



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