書籍の情報
村上龍
文芸春秋 2002年5月10日 第1刷
あらすじ
この小説では2000年ごろが舞台とされる。
中学生の集団不登校をきっかけとし、中学生が固定化された状況から脱出しようとする物語が展開される。
主人公のフリージャーナリストは、不登校になった中学生の代表であるポンちゃんが国会で演説をすることを支援する。
国会の演説を経て、不登校になった中学生のネットワークは地域通貨”イクス”を発行して、自分たちの自治体をつくろうとする。
中学生ネットワークの望んだ自治体が北海道につくられたものの、資本主義経済の枠の外には出ることができなかった。
感想
人は合意形成や解決が難しい問題を見えないようにして、無視することで状況を先延ばしにしようとする。
見えないものは課題として認識されない。
このため、子どもなどの弱者にしわ寄せされる。
コロナを経ても、あまり変わらない日本の教育。
変えることができない資本主義経済。
出版から四半世紀を経て読んでも、面白い作品だと思います。
印象に残った文章の引用