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生まれ持ったもので、全てを諦めてしまうのは違う

2023年9月初旬。

新婚ほやほや、夫は海外出張のさなかに、
わたしはひとり、大学病院の待合室にいた。

「妊娠するのは難しい可能性がかなり高いので、すぐにこの専門病院の予約をとってください」と大学病院の先生に言われて、

ついでの情報としては重すぎる、
卵子提供や養子縁組といった選択肢まで聞いた。

ヘビー。


今でこそ、涙を流すこともなく、
「ヘビー」なんて言葉で表現できるけど、当時はそれはそれは落ち込み、悩んだ。


そして、色々と調べると、わたしのケースだとどうも不妊治療をするとなると自由診療となることがわかった。


結果から言うと、
いろんな選択肢がある中で、
わたしは一定期間と決めてほんの一筋の光を目指して不妊治療にトライしてみることにした。

噂には聞いてたけど、
不妊治療をするとなると途端に降りかかってくる仕事との両立、膨大な通院時間、そして重荷となる治療費。


わたしは保険がきかないタイプの病気なので、自由診療。

しかも、結構先進的な治療までしちゃっている。(あえて書きますが、民間療法などではなく、科学的な根拠に基づくものです。治療系のことを書くと、いろんな情報が集まってくるので…)


持ち前の情報収集力で自分と同じ治療をしている人とSNSも駆使してつながりまくり、おおよその毎月かかる治療費なども把握した時、わたしはその額におののき、こう思った。


「結婚式なぞ、してる場合ちゃいますぜ…」


そう、人生の思い出作りとして結婚式をしようかと思い始めていた時だったので、

その結婚式費用を不妊治療にまわしたほうが、将来いろいろな投資として考えられるのでは…?と思ったのだった。

実際、その後1カ月くらいは、結婚式をやめて不妊治療にあてることにほぼ考えが傾いていた。


不妊治療って、お金で諦める人も多いんです。
だから、ちょっとでも可能性を高めるために、治療費にまわしたほうがいいのではないかと。


でも、1カ月くらいたってくると、こう思うようになった。

「やっぱり自分の気持ちに正直になると、結婚式、したいかも。というか、

なかなか授かれない身体の特徴を持ったのはわたしだけど、わたしがこの特徴のせいで、全てを選択肢を諦めるのは違うくない??というか、結婚式レベルを諦めたら、今後も他のことを諦めていくのかな。え、自分が望んでいないことで、自分の人生のいろんな選択肢を諦めてしまうの、嫌なんですけど!?!?」(心の中の自分が怒涛の反論)


今考えると、授かれない可能性が高いので、
当時は未来の自分が不妊治療を諦めた時に、
持っているものが少ないことに落ち込むこと(この場合だと結婚式の思い出)を恐れたんだとも、思います。


生きていく中で、自分が望まずして降りかかってくることって、沢山あると思う。

生まれた土地から始まり、親の職業(年収)、見た目、得意不得意、身体的特徴、、

数えだしたらキリが無い。

往々にして、いろんなことをそのせいにしてしまう。というか、そうせざるをえない。

だって悲しいことに、自分で選択できないことのほうが、変えることが本当に難しいから。


その事実を、わたしたちは時間をかけて受け入れていく。受け入れざるをえなくて、自分を納得させていく。

でも、わたしは往生際が悪くて、
なかなか自分を納得させられない。

いやだ〜〜〜!!(大声)


青臭いけど、諦めてしまうのが嫌で、もがいていたいなと思う。

なんで、わたしが望まずして手に入れたことで、思い出を減らしていかなきゃいけないんだろう。

我慢しなきゃいけないんだろう、と思ってしまう。

未熟なのだと思う。

でも、だから
わたしは結婚式をすることに決めた。

たとえ、不妊治療にあてられるお金が結果的に減ってしまうかもしれないけど、

その分新たな収入を模索したっていいし、
治療期間を少しだけ延ばしてもいいのかもしれない。

全部、手に入れたいなという気持ちで動いていたい。

今の会社に入社してほどなく、
同期がすぐに子供を授かった。

同期がみんな、第一線でキャリアを積み上げる最中だったこともあり、彼女は焦っていたようだけど

「子育ても仕事も、妻も、全部諦めない」

と話していた。

今、わたしは会社でたまに出会う彼女しか知らないけど、
でも、生き生きと働く姿をみて、
わたしは確かに勇気づけられてるんですよね。

あなたがただ、望む未来に向かって頑張ってるだけで
ひっそりわたしは、勇気づけられているよ〜と

思ってる。

もちろん最終的に全部、手に入れられなくても、
手に入れられたらいいなって思って、今を模索したいな〜と思ってます。

結果的に正解などなく、

よく言われますが
自分で正解にしていくしかないのだなぁと。

結婚式しないこともきっと正解。

なかなか自分で動かしにくいことを理由に
全部諦めてしまうのは違うのかもしれないと。

やっぱり客観的に見ても青臭いかもしれないけど、
でもこれからも日々をまた、くさらず、模索してみよ〜!って思ってます。

今日もみなさま、お疲れ様でした!

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