見出し画像

わかる人が分かち合えばいい(10月14日〜19日の日記)

テーマのある日記を先に書きたいと思いつつ、忘れそうなので。
なんでもない日々の記録です。

▽10月14日
出かけた日。電車が混んでいて、人の流れに流されるように優先席の端に立つ。
目の前の座っている年配の方が、降りる少し前にわたしに話かけてくれた。
わたしはこの日、仕事で使う書籍を沢山買っていたので荷物が多かった。

「荷物、多いでしょう。次の席でわたし降りるから座りなさい。気付かなくてごめんね、荷物、膝の上でもってあげればよかったね」。

……!!

なんだか妙に照れて「いやいや!」と言って、その人が立っても座ろうとしなかったら「うふふ、大丈夫よ、座っても誰もとがめないから」と言って笑顔で降りて行かれた。
粋なおばさま。

わたしの心の中に「一期一会…」という文言が浮かぶ。
わたしはこういうとき、なんだか人よりどきどきして、無駄にたいそうな言葉が勝手に思い浮かぶ節がある。感情の処理能力が追いつかないんだろうな。一期一会って。いやそうだけど。他に何かなかったのか、と自分で反芻する。


▽10月15日
仕事先が締め切り日を守ってくれなくて悲しむ。「この日までで大丈夫ですか」と聞いたら「大丈夫です」という趣旨の返事が来たからそのように段取りをしていたのに、全然守られず、催促のメールをしてもその日は返事がこなかった。

ここの社の前任者の方の時は丁寧で、わたしはその社との仕事を結構提案して、たくさん一緒に仕事もさせてもらった。

だからこそ、わたしは仕事先として好きだったけど、もうこの社に関して何かを提案することはないな、と思ってしまった。
仕事関係ってドライだから、信頼関係が崩れると一気に冷める。

仕事って、人としているんだな、と改めて思う。「あなたと仕事がしたい」。そう思える仕事がわたしはできているかな。

次の日、謝罪とともに返事が来て、もう大人だから変わらず丁寧に対応したけど、もうこちらから連絡することないかも。そんな判断もできるような年次にもなった。それがいいのか悪いのかまだわからない。

大人になると、人はそっと離れていくんだなあと自分の振るまいを見て学ぶ。

でも仕方ない。わたしの仕事だって、関係する人がたくさんいるのだから、連絡がないと多くの人に迷惑がかかっちゃう。

自分の判断だけど、でもなんだか帰りは落ち込んで、家に帰ってお風呂の湯量をなみなみにして、もはや浮くんじゃないかくらいプカプカして癒やされた。わたしにはこういう時間が必要だ、絶対に。


▽10月16日
旧友が東京に来ていたので、休日出勤の代休をとって会う。丸の内の「BUTTER」という有名なパンケーキを食べる。あと一口、が食べられなかった。胃袋大きくしたい。

もう出会って長い友人だから、と、何でも無いように不妊治療のことを話すと、彼女が堰を切ったように泣き出した。

彼女も不妊治療で悩んでいるとのことだった。

彼女の話をたくさん聴いた。彼女の抱く感情、きっと全部は汲みきれないけれど、でも、多分わたしは他の人よりは分かち合える。わたしの人生で乗り越えたことが、ほんの少しだけ役に立てた日。わかる人が、一緒に分かち合えればいいのだと思う。


▽10月17日
不妊治療の通院日。昨日のこともあり、検査結果をみていろんなことを考える。

待合室はたくさんの人たちがいる。
お会計までの時間の間にふと、この病院の採用ページをみてみる。受け付け業務を募集していて、平日でも200人ほど対応するとある。

この病院は、特定の病気をメインに扱うクリニックなので、この日だけでもそれほどの同志がいるのか、と考える。

みんな、何かを抱えて生きているのかもしれないな。見た目ではわからなくても。なんでも大仰に受け取りすぎかな。

病院終わり、近くのお気に入りの喫茶店へ行って仕事をする。小さい店舗で、通っているものだからわたしのことを認知してくれている。店員さんが注文をとりにきてくれたとき「ショートカットになっていて気付きませんでした。とってもお似合いですよ!」と言ってくれてうれしかった。こんな一言でうれしくなっちゃうの、単純だなあと思いながらも、言葉の力を感じずにはいられない。

夜、夫と子どものことを含めた人生設計のことについて話し合う。
夫は「不妊治療」という言葉を使わない。
不妊治療クリニックも「子どものことの病院」とかって言う。気をつかってくれてるんだと思う。

そういえば、料理の味付けで「薄くなっちゃったかも。塩ふっていいよ」と言うときも、
「おいしい」と言いながら食べて、「塩かけてみてもいい?さらにおいしくなっちゃうかも」といって、わたしの返事を待ってからかける。

付き合ったときから6年目突入している今でも、それは変わらない。「自由に塩かけてくれてもいいんだよ~~」と思いながらも、そういう言葉一つ一つに救われているのだと改めて気付く。ありがたいな、と思う。

▽10月19日
わたしたち夫婦は、1週間のうち1日だけ夫と休みが合う。

だけど、今月は夫の出張が多かったことや、わたしの急な勤務や友人とのお出かけが重なって、ちょっと久しぶりに二人とも休みが重なった休日。

お昼は一緒にホットプレートで作ったペッパーランチを食べて、近くのケーキ屋さんで買ったケーキを食べて、録画していたテレビを視聴して、スイカゲーム対戦して、昼寝をして、その後は夫はネットフリックス、わたしは読書。

夜はこれから家でまたもやホットプレートで生地を焼くタコスを食べる。
なんでもない休日。食べて寝てるしかしてない。出かけない日はこんな休日を過ごしています。

読んでくれてありがとうございました!

手にとってくれた人たちが明日もいい日でありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?