ズボラ卒花による【結婚式で役立ったwebサービス7種】の話を聞いてくれ
2023年夏、挙式披露宴をあげたこのズボラ卒花から、ネットに疎い方にこそおすすめしたい「手間の削減」と「節約」ができるwebサービスの話をさせてくれ。「IT」や「web」「オンライン」と耳にするだけでサブイボが立つ、そんなあなたにこそ聞いてほしい。
誤解を恐れず申し上げると、私はIT系企業勤めの企画職。非エンジニア・非デザイナー。要するに「あれしたい」「これしたい」という無数に浮かぶアイデアの中で、形にする術を一切持ち合わせない、悲しきズボラモンスターである。なんならIT系企業に勤める人類の中で最もwebに弱いかもしれない。
だからこそ、面倒なことがイヤ!不要だと思う箇所の費用を抑えたい!というプレ花嫁・花婿の一助にはせめてなりたいし。そんな私でも使えたwebサービスだ。君達であれば絶対に使いこなせる。ぜひとも安心して最後まで話を聞いてほしい。
役立ったもの一覧
ハガキ送付不要『オンライン招待状』
事前に頂戴可能『オンラインご祝儀』
連絡を一斉送信『結婚式公式LINE』
写真共有やリアルタイムチャットに『LINEオープンチャット』
ゲストは手ぶらで帰宅『オンライン引出物』
余興の景品に『LINEギフト』
写真や動画編集に『Canva』
早速結論だ。各パートで細かく解説しているので気になるものだけ見てもらってもいい。ただ、この7つについては全カップルにおすすめしたい。
もちろん各ツール、完璧ではない。だからこそメリット・デメリットを合わせて伝えるので天秤にかけて判断してほしい。
オンライン招待状
その名の通りweb上でご出席・ご欠席を伺えるツールである。スキル一切不要で簡単に作成できる。新郎新婦はフォーマットに則り、サイトを用意しURLを共有するだけ。ゲストはいつでもどこでも回答が可能だ。
オンライン招待状のメリット
一連の発送タスクからの解放
ミレニアル世代である私、友人の連絡先はLINEかSNSのDMくらいしか知らない。一から住所を収集して、一人ひとりに宛ててハガキを送付するなんてのは途方もないタスクだ。ましてやこちとら超ズボラ花嫁。絶対に送付先もミスる。できるはずがねぇ。
ゲストのハガキ返送の手間削減
新郎新婦同様、ゲストである友人諸君もミレニアル世代。返送ハガキの文化に馴染まない面々がほとんどである。また昨今のコロナウイルスの影響で、結婚式に参加するのがはじめての友人も多かったので、ゲスト側のストレスもいくらか低減できたように思う。
回答内容をデータ化してダウンロードできる
挙式披露宴用の招待状であればご出席・ご欠席の解答だけでなく、「お名前の表記」や「アレルギー食品」「ご連絡先」なども伺える。そしてサイト内で一元管理ができたり、CSVやExcelファイルでダウンロードも可能である。個人的にはお名前の表記が大変助かった。私以上にズボラな夫は友人の名前表記もあやふやであったからである。やば。
オンライン招待状のデメリット
LINEなどURLを共有した連絡ツールで回答される
これは共有した際の新郎新婦のメッセージ文言が悪かったのだが、結婚式に参加したことがない方は、招待状にも馴染みがないため「OK楽しみにしてる〜」という返信だけくるケースが多発した。連絡の際はサイト上での回答を収集してる旨を強調した方が良いと思われる。
ご欠席の場合連絡自体をスルーをされる
我々の場合はハガキとの比較が難しいのだが、やはり連絡スルーはあった。参加できない方がいらっしゃるのは念頭にあったので、全然気にはしていないが、管理がしづらかった。温度感がつかめずリマインドもかなり遠慮して送ったように思う。
webサービスに馴染みがない方の操作ネック
ご高齢の方やスマホをお持ちでない方は、web回答であること自体にハードルを感じるようであった。幸い我々の式場は10通までハガキ招待状が無料だったため、親族の2組だけ返送をお願いするスタイルをとった。
オンラインご祝儀
クレジットカードや振込などで事前にご祝儀を受け取ることのできるサービスである。前述のオンライン招待状に付帯しているケースが主流であるが、利用するかしないかは基本的に自由である。ご祝儀の金額も自由設定と会費制と選べるものが多い。
オンラインご祝儀のメリット
事前にご祝儀を受け取れる
ご祝儀を結婚式費用のあてにするカップルも多いと思うが、事前に頂戴できる安心感たるや。また、多めにいただいてしまった場合の対応などもあらかじめ考えることができた。
受付の負担軽減
我々は親族以外はすべてオンラインにて頂戴できた。そのため、受付は正直立てなくても良いと会場スタッフさんから言われるほどであった。
ゲストの負担軽減
ご祝儀袋の購入や記入&ピン札の用意など、意外と手渡しの負担を感じているゲストも多いようだった。最近はweb上で振込が可能な口座を持つ方も増えているため、この点でも喜ばれた。
オンラインご祝儀のデメリット
クレジット決済は手数料が高い
クレジットカードの場合は、3%以上の手数料が取られるのが主流である。3万円のご祝儀に対して900円くらいは手数料となる計算だ。1件で考えると大したことはないが、料理のグレードを1つあげることができると考えるとマイナスが大きい。
また、親族であればご祝儀金額がより上がることも考えられ、手数料額がアップする。我々の場合は、クレジットは諦め全体で3,500円だけ手数料がかかる口座振込のものを利用した。
クレジット決済は振込に時間がかかる
クレジット会社を経由する兼ね合いから、手元に現金が集まるまでに時間がかかる。ゲストの手間を省きたいだけであれば利用がおすすめだが、結婚式前の現金化をのぞむのであればデメリットだろう。
ただ、ここも口座振込にすることで期間を短くできるので検討してみてほしい。
振込忘れもある
出欠確認の連絡期限と振込期限が別々となるとゲストも忘れてしまうようだった。最終的に2名ほど振込忘れのご連絡をいただき、個人口座への案内をお送りした。
これは2名だけ手渡しとなる受付の管理コストの軽減と、他の方がほとんど振込になるため目立ってしまう可能性があると考えたための対応である。
公式LINE
我々カップル専用の公式LINEアカウントを設け、式に関する諸情報をまとめた。作りやすい部分では式次第や席次表、メニュー表などである。またよくある質問をまとめて、新郎新婦に聞きづらいが事前に知りたい、着替えスペースや当日の楽なアクセス方法をまとめた。正直一番使って欲しいwebサービスである。
公式LINEのメリット
ペーパーアイテムの省略
ペーパーアイテム費用の節約にも繋がるのはもちろん、できる限りのペーパーレスを実現できた。ゲストには極力手ぶらで帰宅いただきたかったので、小さなことだが持ち帰りの気遣いをかけずに済んだように思う。
変更の融通がギリギリまで効く
席次表やメニュー表なども式直前まで変更が可能である。ペーパーアイテムは即納してくださるところも増えているが、LINEはその場で反映できるため一歩及ばないであろう。忙しい式の直前対応の中で精神的な余裕に繋がった。
一斉にお知らせができる
当日までのカウントダウンに関する連絡など、個別で送る必要のないご連絡などを一斉に送れるのはやはり便利だ。また、余興で行ったクイズのヒントも事前メッセージに仕込むなどもできた。
公式LINEのデメリット
無料メッセージ通数200/月まで
全体に一斉送信するメッセージが200/月に限られるため、50 人のゲストがいる場合は4通/月までとなる。ただ、定型文の返答はこの限りではないため、特定の文言の返答やリッチメニューを用意することで解消できる。また、この後紹介するオープンチャットで代用も可能であった。
設定にややハードルがある
今回紹介しているサービスの中で最も設定のハードルが高いと思われる。ただ、慣れれば大したことがないので、ぜひ利用してもらいたい。需要があれば公式LINE設定単独のnoteもあげようと思う。
LINEオープンチャット
LINEアプリ内で利用できる公開グループチャットだ。一般的な利用方法は、特定のトピックに興味がある人を広く募り、情報交換を行う場として使用するものである。我々はもちろん広く募集する必要はないので、招待制にし式参加者のみのグループチャットとした。
LINEオープンチャットのメリット
匿名で参加が可能
ゲストはオープンチャット内でのみ利用できる任意のユーザーネームの設定が可能である。我々の友人もすきかってにユーザーネームを設定しており「ボブ」と「サップ」がいた。
通知がないため気軽に投稿できる
通常のLINEのトーク一覧に表示されるが、通知はアプリを開かないと確認ができない。そのため、気兼ねなくどんどん送ったり受け取ったりすることができる。
LINEオープンチャットのデメリット
画像の保存期間が短い
通常のLINE同様に、トークに投稿された画像の保存期間は送信されてから30日間と言われている。結婚式後はあらゆるタスクから解き放たれすぎて、危うくダウンロードを忘れるところだった。不安な場合は、ノートに投稿をお願いすることで永年ダウンロードが可能だ。
公式LINEとの併用だと存在を気づかれにくい
公式LINEとオープンチャットどちらも用意したため、式当日までオープンチャット参加者が増えなかった。式当日は司会者の方に、利用を促してもらった。
オンライン引出物
カード型のカタログギフト。カードに記載されているQRコードなどを読み取ることで、専用のECサイトのような場所にアクセスでき、ゲストが好きな引出物を選ぶものである。我々が利用したのは、自由に選べる引出物+縁起物+引き菓子がついてくるものであった。
オンライン引出物のメリット
ゲストが手ぶらで帰宅できる
遠方からいらっしゃるゲストも多かったため、大変好評であった。以前までは重ければ重いほど良いとされていた引出物の常識も、現在ではほとんど気にされていない。二次会もある場合は特に重たい引出物は大変。やめよう。
新郎新婦の負担軽減
引出物選びは楽しい反面ハードルが高いが、選べるギフトタイプであればゲスト側が希望するものを届けられるため、「いらな‥‥」なんて思われる心配もない。選べるギフトは人類の大発明だと思う。
オンライン引出物のデメリット
節約は難しい
選べるギフトあるあるだが、配送費も込みの費用のため現物の引出物よりもアップするのは仕方ないと考えてほしい。引出物の最低予算として広く言われる3,000円に抑えることはほぼほぼ不可能である。
持ち込みの場合はカードタイプであろうが構わず手数料をとられる
持ち込み引出物の場合、式場から手数料がとられることが多いがオンライン引出物でも構わず請求されるようだ。幸いにも我々の式場は、自前のオンライン引出物を用意しており、質や価格をとっても一般的なものに比べ魅力があったため、こちらを利用した。私も欲しいくらいで、危うく自分用に追加するところだった。
LINEギフト
余興の景品としてLINEギフトを用いた。LINEのメッセージ上でギフトを送れてとても便利なものだ。スタバやサーティワン、アカチャンホンポなどの商品券はもちろん、現物が届くギフトもある。意外と人気があったのは、出前館だった。
LINEギフトのメリット
ギフトの持ち込み不要
多くの式場で余興のギフトは、引出物同様に新郎新婦が事前に自分達で持ち込む必要がある。この点、ズボラ・期限ギリギリな我々には酷なタスクである。LINEギフトであれば、式が終わった後の対応で良いので、ゆとりを持つことができた。
ギフト選び不要
人類の大発明選べるギフト。我々は景品が当たったゲストの要望を聞く形としたため、ギフト選びも削減できた。ゲストは自分の好きなものが選べるし、我々は選ばなくて良い。win-win。
価格帯の広さ
下は飲み物1本分の価格から、上は数万円の高級ディナーまで幅が広いため、自由に予算が決定できる。我々はより多くのゲストに景品をお渡ししたかったので、一つ当たりの景品価格は抑え、たくさんの方にお配りする形式をとった。
LINEギフトのデメリット
希望を聞く手間
ゲストに自由に選択してもらうにしても予算はあるため、あらかたのリスト作成の手間はかかった。ただ、LINEギフトの検索機能内に予算や様々な条件での絞り込みがあるため、さして負担はないように思う。
なんならちょっと強引にデメリットを出してみたところもある。本音で言うと、とってもおすすめ。
Canva
写真の編集や動画作成に便利なツールである。数千種類に及ぶテンプレートや、無料で使える写真やアイコンも豊富。手持ちの画像と組み合わせることで、それなりに仕上げてくれる優れものだ。我々は自己紹介ムービーの作成や席次・メニュー表、ウェルカムボードなどあらゆるデザインに利用した。
メリット
センスゼロでもデザイン可能
センスゼロパンピーカッポーの我々でもサクッとおしゃれデザインを組むことができた。画像のアップロードも可能なので、余裕があれば海外のおしゃれフリー素材を持ってきて利用してみるのもおすすめだ。
共同編集が可能
作成しているデザインは他者にも共有可能だ。我々は自己紹介ムービーを、自分のパートを自分で担当するスタイルだったため、共同編集機能はとても役立った。
デメリット
スマホアプリ版はやや重い
Canvaの素晴らしい点はスマホ・PCどちらでも利用できる点にある。ただ、強いて挙げるならスマホ版の動作がやや遅い。私の環境の影響の線も否めないが、やや弱点のように感じた。ただ、PCがサクサクすぎるとも言えるのかもしれない。
有料デザインが多く紛れ込んでいる
ほぼほぼ無料で利用でき、課金のポイントがないと言っても過言ではないが、良さげなテンプレートだと思うと有料であることが多い。仕方ないよね、これだけの機能を無料で使わせてくれているんだもの。無料で使用したい場合は、有料のおしゃれデザインを参考にしながら無料の範囲で模倣するのが良いと思う。
web利用を検討してやめた&アレンジしたこと
ここまで読んでくれたのか、ありがとう。ざっとご紹介した内容で誰にでもおすすめしたいサービスは以上だ。ただ、「おいおい筆者よ、あの便利ツール知らんのけ?」と思われている部分も多大にあるだろう。せっかくここまで読んでくれた方のために、検討の末「やめた」「アレンジした」ことも載せておこう。
一部親族のオンライン招待状&ご祝儀
完全オンライン化を望んでいたが、親族の高齢ゲストは苦手意識をお持ちのようだった。そのため、招待状については2組だけハガキとし、ご祝儀については全親族を当日受け取りとした。
数十組ハガキ送付する手間を考えれば2組くらいなんてことはない。ズボラであるのは間違いないが、手間を惜しむのはあくまでも手段なのでこの辺りはハイブリッドで柔軟にするのが良いと思う。
Googleフォームによる招待状
挙式披露宴のweb招待状は無料でできる専用サービスが多くあるため、あえてGoogleフォームを利用する旨味がなかった。
多くのweb招待状が、ご祝儀機能の利用で課金となるため、この一連のフローが本当に楽。その他機能の充実度から見ても、専用サービスには叶わないように思う。
PayPayでのご祝儀
意外にもPayPayを利用していない人が多く断念した。既に登録している人はPayPayとすることも考えたが、支払い形式を複数用意する管理コストがかかると思いやめた。
また、現金化には本人確認が必要なため、もしPayPayを用いる場合はお気をつけいただきたい。
余興でのLINE利用
高齢ゲストの負担はもちろんあるだろうという点と、加えて機材トラブルの可能性も大いに孕んでいると考え利用は控えた。
加えて、余興中にゲストがみなスマホに集中してしまうのも、なかなかにシュールすぎると思った。
Googleドライブでのゲストからの写真共有
Googleドライブの最大の欠陥であると思うが、データ量が多くなると勝手にアップが止まる現象がある。最後まで利用意向は高かったのだが、この不備の観点から断念した。本当に素敵なゲストに囲まれたので、よく写真や動画を撮ってくれておりデータ量が増すことが容易に想像できた。
また、Googleドライブを使い慣れていないメンバーも多いので、この点はやはりLINEに軍配が上がるようにも思えた。
まとめ
超がつくほどのズボラカップルでも、色々なサービスの力を借りてなんとか結婚式を終えることができた。自分達が望んでやっていることに手間を惜しむなんて、と言う声も聞こえてきそうだが、正直ゲストからしてみてもwebの方が楽なことが多いようだ。
実際、我々のゲストの多くが「助かる」「参考になる」と言ってくれた。それで十分ではないだろうか。
ぜひ、ゲストもホストも幸せになれる形で便利なものを使い倒してみてほしい。