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海外生活10年目にして、ようやく手放せたもの

人が一生のうちに買う炊飯器の数は何台なのだろうか。ちなみに私は約10年で炊飯器をすでに4台、自費で購入している。

  • 一人暮らしのときに買った初代炊飯器。

  • 初めての海外赴任。タイで買った2代目炊飯器。

  • 異動先のベトナムで買った3代目炊飯器。

  • 転職し、ベトナム再赴任で買った4代目炊飯器。

国が違えば電圧もコンセントの形も違う。
買い替えマスト2大家電の「ドライヤー」と「炊飯器」。そのうちの「炊飯器」を海外生活10年目インドにて、ようやく手放すことができた。

インドのバンガロールに引っ越してきた当初、もちろん私は家電ショップで炊飯器を探した。見つかったのは、昭和の炊飯器。6,000円程度。インドの家庭ではこちらのCook/Warm切替のみの昭和スタイルがスタンダードなようだ。


買えない金額ではない。ただどうも気持ちが乗らない。私はこの花柄のデザインの炊飯器を自宅キッチンに置くことがどうしても許せない。

そもそも、なぜ花柄なのか?メーカーは、主婦層にウケると思ってわざわざ花柄を取り入れたのだろうか。キッチンを華やかに彩ることを狙っているのか、それとも機能性で勝負ができないから、この花柄のデザインで差別化を図ろうとしているのか。いずれにしても、私には余計なお世話に思えて仕方ない。

ただでさえ、インド色強めの独特な雰囲気の自宅キッチンに、どこか懐かしい雰囲気が漂う昭和レトロな炊飯器。さらにそのサイズ感。圧倒的な存在感を放つ姿を想像するだけで、ため息が出てしまう。

米を炊くたび、気分が下がるのではないかとすら思う。やはり、どうも納得がいかないのだ。これを買う訳にはいかない。

シンプルなデザインを求めて別の家電ショップにも行ってみたが、どこへ行っても花柄ばかり。

いろいろ探し回ったあげく、Amazon Indiaでシンプルな炊飯器は見つかった。ただ日本では1~2万程度で購入できる型落ちの象印の炊飯器がインドでは10万円を超えてしまう。さすがに炊飯器に10万円はかけたくない。だからと言って昭和の花柄炊飯器を置くのは絶対に嫌だ。

どちらの選択もできないままだが、米は食べたくなる。とりあえず、一時的にお鍋でお米を炊くようになった。

お米を60分浸水させる。最初は強火で、沸騰したら弱火にする。炊きあがったら20分ほど蒸らす。浸水は事前にやっておく必要があるが、他の料理をしながらお米を炊けば特に大きな問題はない。

そして、お鍋で丁寧に炊いたお米は、つやつやで、ふっくらしていておいしい。最初は焦がしてしまったり、お米の芯が残っていたりとうまく炊けなかったが、徐々にコツを掴み、おいしく炊けるようになってきた。

炊飯器もう、いらなくない?


10年間で4台の炊飯器を購入してきた私だったが、お鍋でお米を炊くというシンプルな選択肢に辿り着き、ようやく炊飯器論争に終止符が打たれたのだった。


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