吃音と意見文大会
こんばんは!毎日投稿20日目です。本日は、吃音の僕が、意見文大会に出た話をしていきたいと思います。
覚えても
意見文の練習は至って単純です。自分の意見文を覚えて、時間内に発表できるように抑揚や間を取る練習を積み重ねるだけです。
覚えるまでは、簡単です。すぐに覚えたので実践練習に切り替えました。5分以内だったかは忘れましたが時間を測って挑みました。結果は10分でした。
覚えていたとしてと、吃音の1つである難発(発したい時に言葉が出てこなくなり、しばらくして発することができる。例えるなら、何か言おうとした時に、誰かに首を絞められた状態が続く)のオンパレードになり悲惨たるものでした。
流石に担当教師も困惑してました。1年の頃も代表だった。この前の学校代表決定のときも普通に出来ていた。それなのにどうしたのだ!と、1番それが知りたいのは僕でしたけどね。当時は、吃音という病気を知らなかったので不治の病なんだと思い込んでました。
カウンセラー
次の日、練習しようとしたら先生に「カウンセラー予約しといたから行ったきな!」と言われました。
正直、腹が立ちました。僕は病気なんかじゃないし、病んでもないんだから!ただ、自分の思い通りに言葉を発することが出来なくなっただけなんだって!
今思えば、それって病気ですね。笑笑
カウンセラーに行って、よくある深呼吸や瞑想などを教わりました。残念ながら剣道部に所属していたので僕には何も効果がありませんでした。だって、普段からやってることでしたから。
この時、僕の抱えている爆弾は思っているより強敵なんだなと理解しました。だって、カウンセラーが役立たずでしたからね。最後にカウンセラーはこう言いました。「自己啓発本を読んで、自分に自信を持ってみたらどうですか?」
この時に、僕は自己啓発本と出会い読み始めることになりました。ただ、今思うとこのカウンセラー、人にたいしたこともできずに金貰ってるのって給料泥棒なんじゃないかなって考えます。偏見なのでスルーしてください。笑
自己啓発
練習は、何度やっても良くなりません。だからこそ、5冊くらい自己啓発本を読んでどうにかしようと思いました。
読んだところ、とてもいい話がたくさんありました。考え方って色々あるなって!これが後に、ポジティブシンキングに切り替わるきっかけになったので良かったのかもしれません。
ただし、当時の状況を打破できるような改善策はありませんでした。
何一つ。
苦肉の策
難発の時、首を締められている感覚に近いと表現してましたよね。そうであるならば、別の刺激を加えればもしかしたら、張り詰めたものが緩和されて言葉を発せられるのではないかと考えました。
じゃあ、別の刺激を加えよう!発表中に、誰にもバレないように自らに刺激を!
色々模索した結果、安全ピンに辿り着きました。難発が来そうな場所を予め何度も練習することで把握しておきます。その箇所が来る直前に、安全ピンを針を剥き出しにした状態で、拳に力を入れてピンを手に食い込ませることで刺激を加えるのです。
当時は、我ながら考えたものだと誇らしげに思ってました。今考えたら、あの時の自分の掌はへんな傷跡がたくさんあったと思います。
いざ決戦
安全ピンを相棒にし、僕は意見文大会に臨みました。難発が出る場所は理解しています。他の吃音は、落ち着きさえあれば乗り越えられるのであんまり気にしてませんでした。
僕は2番目でした。
さぁ、始めようか!意気込んで壇上に上がります。
まずは第一声です。
「・・・・・・。」
初手で難発が発生しちゃいました。安全ピンを刺しても変わりません。5秒くらいして僕は、ようやく難発から解き放たれ発表し始めました。
「終わった・・・」
心の中で、完全に察した僕はちょっとやる気を失いました。でも、最優秀よりも制限時間内に発表し終えることを目標にして話し続けました。
所々、難発は出ましたがやり切りました!!
なんだろう?人とは明らかに違うハンデを背負わされてそれでも対等に戦えた自分が誇らしいと思いました。
でも同時に、吃音のせいにして逃げている自分がいることに腹立たしくなってもいました。
そのような葛藤がありつつも僕は、この得体の知れない何かと生活しないといけないんだと改めて感じた大会になりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!また明日もよろしくお願いします(^ ^)