残業時間No1のチームが会社で1番残業が少なくなるまでにやった5つのこと
この記事は以下のような方にオススメです。
こんにちは。
現在ヘルスケアテックベンチャー企業で事業開発をしてます、ゆう(https://x.com/matsu_marketer)と申します。
マネジメントの世界に足を踏み入れた方なら、誰もが直面する難題があります。それは、理論と現実のギャップです。
私が新しく赴任したチームは、会社の中で最も残業時間が多い部署で、正直に言って疲弊しており、雰囲気も明るいとは言えない状況でした。
ただ、赴任前のチームがダメだったのか?というとそんなことはなく、みんな一生懸命にどうにかしようとしていました。
なぜマネジメントはこれほど難しいのでしょうか。
その理由は明確です。マネジメントやチーム作りには事業内容、会社のフェーズ、チームの構成、人間関係など、複雑な要因が絡み合っているからです。
しかし、だからこそ、チャレンジのしがいがあると私は考えています。
(最近管理職が罰ゲーム化しているという話をよく聞きますが。)
この記事では、私たちのチームが「残業時間No.1」から「会社で最も残業の少ないチーム」にたった4ヶ月で変貌を遂げるまでに実践した5つの具体的な施策をお伝えします。
また、会社一明るいチームになったと自負しているのですが、その秘訣もお話しします。
完璧な解決策はありませんが、比較的横展開しやすい考え方なので、同じように悩むマネージャーやこれからマネジメントに携わる方々に、実践的なヒントを提供できればと思います。
それではいきます。
0.全体像
チームにおけるというより、問題解決全般に当てはまると考えているのですが、以下のフレームをベースに全体像を組み立てました。
1つずつ細かく解説をしていきます。
1. 課題特定のための徹底的なヒアリング
組織における問題解決の第一歩は「聴く」ことから始まると考えています。赴任当初、私がまず取り組んだのは、チームメンバー全員との徹底的なヒアリングでした。
ここで重要なのは、単に「話を聞く」のではなく、「聴く」ことです。
具体的には以下の点に注意しました:
聴くという言葉にしましたが、こちらからしっかり聴くのが大事になります。
原因というのはいろんな場所にあります。
それは仕組みで発生するものもありますし、個々人のスキル不足、感情が起因して発生することもあります。
ここで大事なのは、自分にしっかりとした情報が集まるようにすることです。話を聞いている途中で「きっとこういうことなのだろうな」となったとしても最後まで聴くことを心がけました。
途中で遮って、「それは違くない?」みたいな話をしたら「もう話さない」となってしまうので避けるようにしています。
個人的に大事だったと感じているのが、感情も聴くことです。
加えて、感情を聞くと各々の想いが乗る分、事実と感情が混ざって共有されることを前提に、しっかり切り分けてインプットするように心がけました。
人間は感情の生き物です。感情を聞いたところで寄り添えることも意思決定としては少ないケースもあるのですが、その感情をちゃんと理解した上で話すのと、話さないのでは大きく伝わり方が異なるように感じました。
2. 信頼関係を構築する
マネジメントの成功は、強固な人間関係の上に成り立つと私は考えます。そこで私は徹底的なヒアリングを行いながら、信頼関係の構築を目指しました。
具体的には以下の取り組みを行いました:
巷で「1on1が大事」という話をよく見ます。定期的に話す機会は大事であり、ここを否定するつもりはありません。
ただ、お互いのことを知る取り組みは1on1でやらないといけないということはなく、もっと自由な頻度で、積極的にやるべきと考えてます。
1on1やるからOK、ではなく、1on1もやる、くらいのテンション感があっているように思います。
これらの取り組みを通じて、徐々にチーム内の雰囲気が少しずつ変わっていきました。
(とはいえ、最初の1ヶ月くらいは「あまり変わりません」という話が多く、心がガクッとしたのを覚えていますが笑)
2ヶ月くらい経過するとこれまで発言の少なかったメンバーが自発的に業務改善のアイデアを提案してくれたり、こちらからオファーした仕事に対して応えてくれたりする機会が増えてきました。
3. 効果的な場所へのリソース集中
問題を把握し、信頼関係を築いた後、次に取り組んだのは問題解決のための具体的なアクションを検討する、です。ここでは、最も効果的な施策に集中することが重要になります。
まず、ヒアリングで得た情報をもとに、チームの問題を構造化し、システム図にまとめました。これにより、各問題の関連性や影響度が視覚化され、根本的な原因が明確になりました。
ここではチームメンバーと同期の会議で行い、認識の齟齬がなさそうか?を意識的に確認しました。同期の会議でやるメリットは2つあります。
1つ目は、1番困っている当事者に対して、こちらがちゃんと問題として把握して解決しようとしていることを示すことができる点。
2つ目は、これは問題解決をしないという意思決定を共通認識のもと下すことができる点です。
システム図を分析したあとは、最も影響力の大きい問題、つまりレバレッジポイントを特定しました。我々のケースでは、「コミュニケーションスキル」と「仕組み化・標準化」が課題でした。
前者については私がロジカルシンキング講座という名前で研修を作る形に、後者については部内の目標設定に落とし込み、短期的なビジョンと共に浸透を図りました。
また浸透という意味だと率先垂範がわかりやすいと思い、自分自身もオファーしたことを実行することを心がけました。
経営層の巻き込みについては、立て直しが終わるまで事業進捗を一定諦めるという大きな意思決定を部長以上にしてもらうなど、今後の計画と合わせて認識合わせをしました。
4. 進捗状況の可視化とチーム巻き込み
効果的な施策を開始した後、重要になるのは継続性と全員の参加意識です。こういう大きな取り組みは、一部の人が頑張るものではなく、みんなで頑張るものにするのが大事です。
以下の取り組みを行いました:
意外と当たり前だけどやってよかったのが、会議体の整理です。
どの会議に誰が参加して、何について話すのか?というのを明確にし、この定例会議までに何をしてほしいか?を明確にすることで、ダラッと時間が流れるのを防ぎ、一週間のリズムを作るようにしました。
良かったこと、良くないことをできるだけ公開し、意思決定もできるだけオープンな場でするように整えるのも良かったです。
特にやって良かったのが、マネージャー以上の意思決定方法を変えたことです。
従来、1on1の時間や個人DMを使って内容が前に進む事態が常態化していたのですが、不透明さからくる不信感と情報共有不足を招いていました。
組織というのは上から腐るとは言いますが、組織的な問題は自分たちか起きているかも?と振り返るのは良いことなのかもしれません。
これらの取り組みにより、チーム全体が一つの方向を向いて進むことができるようになりました。当初は懐疑的だったメンバーも、徐々に前向きな姿勢に変わっていきました。
5. 仕組みへの投資と個人の成長支援
これまでの取り組みを一時的なものではなく、持続可能な改革にするためには、仕組みづくりと個人の成長支援が不可欠です。
具体的には以下の取り組みを行いました:
例えば、データ分析をするというタスクがあります。これは今まで自分たちがやってきた結果を可視化して、クライアントに対してやってよかったとエビデンスを出すだけでなく、来年度に繋げる重要な営みです。
ただ、個々人の能力に依存してしまい、中々開かれたものにならないという課題を抱えていました。
これについてはまだ道すがらではあるのですが、一度分析できるようなツールや、資料を作ってしまうことで、自分以外の人ができるようにしたり、自分がやるとしてもすぐ対応ができるようにしました。
他にもたくさんやったのですが、取り組みの結果、4ヶ月後には残業時間が全社で最も少なくなり、会社で1番明るい組織になったと自負しています。
おわりに
この記事で紹介した方法は、決して魔法の解決策ではありません。每日のごとである起きる問題や予期せぬ事態に対応しながら、粘り強く取り組んでいく必要があります。
しかし、こうした取り組みを通じて、私たちのチームは大きく変わりました。残業時間の削減だけでなく、メンバーの満足度や生産性も向上しました。そして何より、「自分たちで職場を変えられる」という自信と誇りが生まれたと感じています。
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