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やってやれないことはない25話 『病院再建5年間で行った仕事一覧』

工事のすべてが完了しました。
                                                 全ては、病院の方向性と職員全員が呼応した結果です。
「三者良し」の結果が、病院繁栄の原則として認知され機能しました。
                                                マイナスからプラスを生み出すことは、簡単ではありませんが、職員の一人ひとりがポテンシャルを発揮できれば、結果はおのずとついてきます。
                                                  ポテンシャルを思う存分発揮できる「場」を提供できるようにすることが、私の仕事であり、その「実証実験の検証」の結果でありました。

わずか5年間でこれだけのことが出来た背景には、何物にも代えがたい職員が、過去を捨てて未来に生きる選択をした結果です。

未来に生きる希望を見出せたのは、埋もれていた職員たちの能力があちこちで沸々と湧き上がってきたことの相乗効果でした。

職員ひとりで出来ることは知れています。

職員が一度に変わることはありません。

少しづつ一人ひとりが変わってゆくことの力強さは、私との我慢比べでもあります。

同じことを何度も何度も言い続けて、自分たちの口からついて出る言葉になるまで、言い続けます。

過去の魑魅魍魎とした殺伐な職場を変えるには、かろうじて踏みとどまっている正論のあるべき姿の職員を縦糸とし、横糸になる幹部管理職を育てていくしかありません。

組織に職員がいる。これを信じながらあるべき姿にもっていく。

リーダーに委ねた真実の世界を確かめた時にこそ、初めてわかる「結束」という言葉の意味。

私と職員との関係は、1対全職員の関係の維持です。                       私が言われた言葉は、『私の前を歩くときは気をつけて』『事務部長はボンバー(絨毯爆撃をする爆撃機)ですね』                            これらはすべて思うところです。 ほくそ笑むことほどに確かな手ごたえを感じています。                                           強いて言うならば「柔よく剛を制す」ではなく「剛よく柔を制す」による深層心理学の応用です。  

この関係の中で職員を結束させ一致団結させることが出来るわけです。  何に向かって一致団結させるのか。                               成功体験を逐次織り交ぜながら、医療のあるべき姿に求めるものをリードしていくことなのです。

職員たちの我慢強さに脱帽です。

ここで、今回の増改築工事完了までに行ったことを列挙してみます。   (順不同)

入院病床数118床を125床に増床

8人部屋主体の一般病棟2棟を改修し下記2病棟体制にした
⇒4人部屋と6人部屋の急性期病棟を1病棟
⇒4人部屋と2人部屋個室の長期療養型病床群を2病棟
⇒全病床にバリアフリーの特注家具を設置

介護病棟新設
⇒広く明るい食堂ホールと談話室と幅広廊下と広い病室
⇒バリアフリーオープンカウンター型ナースステーション
⇒各病室に、換気と消臭効果のため大型ロスナイ設置
⇒各ベッドにバリアフリーの特注家具を設置

理学療法室のみのリハビリテーション科をリハビリテーションセンターに変更(変更前は理学療法のみ実施)
⇒理学療法室、作業療法室、言語療法室設置し総合承認リハビリ施設に変更
⇒リハビリテーション専用バリアフリー待合室設置
⇒各種訓練機器等新規購入

医療情報プラザ新設

薬剤その他医療情報提供パネル30枚常設

薬剤等医療情報提供パンフレット250種類配布用パンフレットケース渡り廊下に常設

外来待合室改装                                         ⇒特注バリアフリーチェアに変更

外来男性用・女性用トイレ改築

売店改装⇒バリアフリー配置の商品棚構成に変更

手術室の改修

当直室の改修

内視鏡室の改修

理事長室の改修

病院長室の改修

応接室の新設

霊安室の改修

エレベーター2基のバリアフリー化改修

井水のマンガン等浄化プラント新設

院外処方せん発行に変更(薬剤師の病棟薬事指導拡充)

給食における選択メニュー開始(保温食器導入)

訪問看護ステーション開設

指定居宅介護支援事業所開設

デイ・ケア開設

デイ・サービス開設

ショートステイ開設

医療相談室開設

医療機器の更新及び新規購入

全部署に最新パソコンおよびカラープリンター導入

院内LAN構築

医事課の最新式レセプトコンピューター及び自動診療カード打ち出し機導入

大型カルテ倉庫及び備品倉庫新設

大型血液検査機器導入(院内検査拡充)

最新式薬剤分包機購入

法人事業用地約1,800坪購入

院内酸素配管システム導入(以前は酸素ボンベのみ使用⇒液体酸素タンク導入)

院内連絡手段ネットワーク構築
⇒長距離はトランシーバー連絡
⇒院内はPHS利用連絡網アンテナ設置

分別ごみ置き倉庫の設置

職員専用食堂ホール及びテラスの新設

B5判カルテをA4判フリーカルテ・ファイル付きに変更、カルテ検索システム変更

診察券を新規デザイン磁気カードに変更

医局秘書新設

総務課新設

最新式CT導入

電話交換機入れ替え

全病院内カーテン新規入れ替え

看護服統一のため入れ替え

女性用事務服統一のため入れ替え

災害用機器の購入(発電機4台、灯火設備、暖房機器、扇風機、保管用水、燃料等)

職員用駐車場新設

病院用福祉車両3台購入

病院用送迎車両1台購入

病院用車両2台購入

患者さん用駐車場増設

印刷機導入

院内情報ミニコミ誌発行

正職員30名増員

リフレッシュ休暇の新設

退職金制度の新設

職員互助会新設

職員旅行の毎年実施

年間賞与4か月分支給実施

福利厚生の充実

職員の研修に年間経費500万円設定

街頭七夕健康教室開催

食事療法教室開催

玄関に郵便ポスト設置

院内すべての洋式トイレをウォシュレットに変更、消臭設備設置

最新式ストレッチャー4台購入

各外来の診察台を最新電動診察台に更新

記録用デジタルカメラ導入

消火訓練・災害訓練毎年実施

院内各種伝票・連絡票等の見直し再作成

労働基準監督署届け出各種書類提出実施

不動エアコンの入れ替え実施

病院の事務用チェア40脚入れ替え実施

給食献立ソフト導入

人間ドック専用個室新設

患者さん用浴場改修

職員用仮眠室新設

この5年間に達成した意義は、自分たちの職場であり、地域医療に貢献するという医療人のプライドが育ったことにあると思います。

私が着任するまでの7年間は、病院経営の基本である医療人育成と地域医療への貢献の二大柱が、全く無視された中で運営されてきており、この病院が疲弊してきた最大の理由です。

その結果、職員がバラバラの意識の中で、強迫観念による自己防御に走るという愚かな道を歩まざるを得なかったことは否めません。

人を性善説的に見れば、改革に苦労はあっても報われる時が来ることを信じていたことが実感できました。

そのためには、とても厳しい表現を幾度もぶつけ合いながら、事務部長Vs職員全体の構図を作り、職員の結束と良い意味での相互監視を活かして組織づくりを行ってきました。

基本は、患者さんのために、職員のために、その結果経営者、医療法人のためになる『三者良し』を逐次実施して行き、職員が守るべきは患者さんであるという医療人の使命に到達できる環境整備が出来たことは、この上ないほどの幸せです。

現在、この病院は、県の医療計画になくてはならないほどの病院になりました。2階建ての病院から6階建ての新築を果たし、病床数の増加や各種関連センターの開設も行われました。

どうしようもない病院=なくなっても困らない病院と言われていた病院も、ひとつのテーゼに基づき改革を進めればこのように変わることが出来ます。

このnote読んでいただいた方の中に、何とかしたいと思われていることがありましたら、忌憚なくご連絡ください。私の経験と組織づくりからアドバイスできることが多くあると思います。

国立医療・病院管理研究所 (現国立保健医療科学院) 履修完了コース     厚生省国立医療・病院管理研究所入校 事務部長コースⅠ終了
 厚生省国立医療・病院管理研究所入校 財務管理コース終了
 厚生省国立医療・病院管理研究所入校 病院建築・設備計画コース終了
 厚生省国立医療・病院管理研究所入校 医療福祉コース終了
 厚生省国立医療・病院管理研究所入校 事務部長コースⅢ終了

こうして私の任務は終わりました。

そして、次の人生デザインの構築が始まりました。









このnoteは、私の人生において成功・完結・失敗・後悔などのストーリーです。 若い皆さんのヒントになればと思って書いています。 書いてほしいことがあれば、気軽にご連絡ください。 サポートは結果であると受け止めておりますのでよろしくお願いいたします。