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MESONを退職しました〜6年を振り返る〜
2024年9月末でMESONを退職しました、まちるだです。
XRという領域に飛び込みMESONでの6年の学びとその中で出会えたみなさんに感謝の気持ちをnoteに記したいと思います。
今後の活動についても後半に書いていますので、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
MESONでやってきたこと
わたしはクライアントさまと一緒にプロジェクトに取り組むSTUDIO事業で、MESONがリリースしたプロジェクトのほとんどに携わらせてもらいました。
XR制作はWebやアプリ開発とは異なる部分も多く、ワークフローが確立されていません。役割としてはプランニングと開発の間に位置しながらも、体験設計・UIを主戦場にプランニングの一部から開発の終わりまで幅広く経験を積むことができました。
プランニング面では初期段階からクリエイティブカンプを作り、世界観や体験ストーリー、プロジェクトの全体像をチームメンバーに視覚的に伝えることをしていました。
開発面では、デバイスの特性や技術的な制約を前提に体験設計を検討したり、Unityのprefabを使ってUIの設計とエンジニアへGit連携したり、エンジニアと密にコミュニケーション取りながら作りたい体験をどうしたら実現できるかを模索してきました。
正直、プロジェクトのデザイナーは1人という環境で様々なことをやりきることはプレッシャーが大きかったです。その中でのチームメンバーとのコミュニケーションやSlackのスタンプひとつが支えになっていましたし、プロジェクトが完了した後のクライアントさまからのメールや声がいつも励みになっていました。
XR × プロジェクトワークという特殊性、プロジェクトの性質やメンバー構成が異なる環境だからこそできた経験と成長だったと改めて思います。
XR業界ならではの学び
◼︎デザイナーとして:日常の気づきがデザインの源泉になる
3年くらい前に、あるプロジェクトでFOMALHAUT DESIGNの長田圭太さんとお話した際に、「どうしたらこういう世界観が作れるのですか」 と聞いたところ、パタっとPCを閉じて「フィジカルでの体験だよ」と仰ったのが強く記憶に残っています。このときに現実とデジタルの間の仕事をしているはずなのに自分がいかにデジタルに染まっているのかを自覚しました。
(MESONのPORTALのクリエイティブディレクションや前のMESONロゴなどを手掛けてくださった方です)
その言葉がきっかけとなり、自分の日々の暮らしや経験は体験づくりの材料だという意識を持ちながら過ごすようになりました。
旅行でフランス・イギリスに半月滞在した際、そのときたまたまエリザベス女王が亡くなった時期で思いもよらず貴重な体験をすることになりました。 その時訪れたロンドンは、数年前に訪れたときは全く雰囲気が異なり、街の雰囲気、ショップの装飾や貼り紙、テレビの放送などどこにいて何をしてもエリザベス女王がそこにいました。
帰国後、ちょうどオシム元監督の追悼試合展示Spatial Message for Ivica Osimプロジェクトが決まり、「『追悼』というシーンでのAR体験とはなんなのか」「オシム元監督とファンの間を繋ぐものはなんだったのか」を深く考えながら、ロンドンで見たもの、感じたものも織り交ぜながら体験とクリエイティブに落とし込んでいきました。
二度と感じることのできない貴重な経験がクリエイティブにいきるという実感を持つことができたとともに、改めてフィジカルの体験こそがクリエイティブの源泉であるということを認識しました。
そしてこの学びは、今後活動の軸にも繋がっています。
◼︎チームメンバーとして:トライの数が役割にしなやかさを作る
XRの開発はとにかく不確実性が高い。デバイスの特性、実装の難易度、デザインの実現可能性などなど あらゆる壁を乗り越えながら形にする仕事でした。
共同研究のような長期でコトに向かうプロジェクト、WowMomentやストーリー重視の2日間限定展示プロジェクトなど幅広くプロジェクトに携われたことで、自身のキャパを押し広げる瞬間を何度も経験することができました。
コンセプト・クリエイティブから体験設計、UIデザイン、Unityへの組み込み、ポスターやチケットなどの印刷物のデザインを担当させもらったプロジェクトは、会社の代表が交代して最初のプロジェクトで、大きな不安とプロジェクトを引っ張って行かなければという強い思いがありました。
「これはデザイナーのわいが頑張るんだ」と思いながら、プロジェクトの仕切りから提案の仕方、開発の進め方、どうしたらチームの一体感を作れるかなどを改めて考え、過去のプロジェクトではやっていなかったことを思い切ってトライしてみることにしました。
Behind the scene記事に内容を残しているのでぜひこちらも読んでみてください。
結果、どれもやってみて良かったですしプロジェクト成功に寄与することができました。 毎週スモールKPTも実施していたので、チーム力を加速させるアイデアも出てきていたのが良かったです。 プロジェクトでうまくワークしなかったトライがあったとしても、別のプロジェクトではうまくいくかもしれない。失敗も成功も自分の仕事のスタイルにしなやかさを作るための材料になりましたし、デザイナーとして柔軟な立ち回りやコミュニケーション能力が身につきました。
「いいね、やろう!」と前向きに一緒に推進してくれたチームメンバーには感謝しかありません。
退職を決めたきっかけ
入社当時「2Dスクリーンには限界が来る。もっと広くインターフェースを考えてみたい」という気持ちからXR業界に飛び込んだわけですが、今は「XRデバイスに限らなくて良い。空間体験はWebやアプリにも作れる」というふうに気持ちが変化したのが大きな理由です。
昨年Apple Vision Proが発売され「ついに6年前に夢見た“Apple Glass”に触る時がきた!」と心が躍りました。 実際に体験し、セットアップからデフォルトのアプリ体験全てに感動しました。 これが当たり前になるのかという高揚感と同時に、改めて一般の人にとっての操作性の難しさ、デバイスを装着するハードル、体験する機会の少なさなど今現在の人々を置き去りにしているかもしれないと感じてしまいました。
黎明期からこの業界で6年というデザインに向き合ってきたからこそゆっくりと感じてきたことなのだと思います。
未来ではきっとあらゆることが解消されて、スマホに置き換わるもしくは併存して使うデバイスが登場することを今も信じていますし、そういったデバイス向けに作るサービスや体験づくりに今取り組むことからは離れず、今現在届けられる空間体験も考えてみたいと思っています。
今後について
![](https://assets.st-note.com/img/1728403682-1XF6CK7aYBpGeqmM0oDs9RQL.png?width=1200)
今後はMAUD DESIGNとしてフリーランスで活動していきます。 「体験に感情的な奥行きを創る」を大切にしながらXRの体験作りやデザインはもちろんのこと、記憶や感情に残すためのWebやアプリのデザイン、空間体験やストーリーのある没入体験をつくることに携われたらと思っています。
また、もともと個人で制作活動していた#YONAYONA 3D Artも今後の活動の一部にしていきます。 自然や花をテーマに3DCGの短い映像やビジュアルを制作します。 コスメやフレグランス、ジュエリーなどのブランドさまといつかコラボレーションできたらいいなという夢を持ちつつ頑張ります。
何かお力になれることがあればお気軽にご連絡ください。
フリーランスで1人の時間が増えたので一緒にR&D的な制作をしてくれる方もぜひご連絡ください…!
🌐https://mauddesign.tokyo/
✉️ hello@mauddesign.tokyo
🔮https://www.instagram.com/maud.artstudio/
さいごに・・・6年を写真で振り返る
最後に、今のまちるだを作ってくれた会社の空間や人がどんなだったかを私自身が忘れないために写真で振り返ってこの記事を括ろうと思います。
全部のオフィスに思い出がたくさん詰まっていて、引っ越すたびにここからまた頑張ろうと思わせてくれました。
(HistoryというSlackチャンネルを漁ったら何気ない日常がたくさんありました…涙)
🏢代官山デザイナーズマンション時代
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アイデア出したり整理するのはいつも付箋(Notionなかった時代)
1日画家の気分になって過ごすというテーマでまちるだのベレー帽を全員に被せて仕事したり
🏡松濤の一軒家時代
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TGIFでご飯作ったり
バレンタインのチョコ買ってきて、コンセプトを説明したり
🏢神南オフィス時代
![](https://assets.st-note.com/img/1728286457-JjtY7mWLA4zXCEIsRqF6vehT.png?width=1200)
使える壁が前のオフィスよりもさらに広がり、
大人数でアイデアソンしたり
コロナの時期に突入し、バーチャルオフィス爆誕
→誕生日もコロナ時代ならではのアイデアでお祝い
オフィスが広すぎて人との距離が遠くなって寂しく感じる時期も
🏛️恵比寿ガーデンプレイスオフィス(Now!)
![](https://assets.st-note.com/img/1728285513-odIl0qCaw7guBf9LsrhFtZU6.png?width=1200)
距離が近くなるとやっぱり自然と会話が生まれやすくなった
まだまだ壁を使うのが上手い
全員で何かをするときはプロジェクター
ゲームを本気でやるのも大事
長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
この6年の経験はこの先もずっとずっと忘れません。
わたしを受け入れてたくさんの成長機会をくれたMESON、信頼してお仕事を任せてくださったクライアントさま、 まちるだに関わってくださったみなさま、本当に6年間ありがとうございました!
今後もまちるだをよろしくお願いいたします!
![](https://assets.st-note.com/img/1728286479-cwIa5NXmMguQseJ02WUTS8iG.jpg?width=1200)