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Vol.44 振り返りってどうしてる?

振り返りは、学習プロセスの中でとても大切な役割を果たしますよね。
振り返りをすることで、学習内容を振り返るだけでなく、自分の学びを深め、次の学びへの橋渡しをするための大事なステップになるんです。
でも、振り返りが無駄な時間になってしまうこともあります。
「楽しかった」「面白かった」といった感想だけでは、振り返りの効果は限られてしまいます。(むしろマイナス?)
では、どうすれば振り返りが意味のあるものになり、学習の成果に繋がるのでしょうか?


振り返りの具体的な目的を設定する

まず、教師自身が振り返りの目的を明確にすることが重要です。
振り返りを行うことで何を達成したいのか、学習者にどのような気づきや理解を促したいのかを具体的に設定しましょう。
目的が明確でない振り返りは、単なる感想文に終わってしまう可能性が高くなってしまいます。

振り返りの手法と書式

振り返りを効果的に行うためには、具体的な手法と書式を指導することが有効です。
以下のようなポイントを押さえて振り返りを行うことで、学習者がより深く自己の学びを理解し、次のステップに進むための基盤を築くことができるでしょう。

1. 具体的な書式を提供する
• 学んだことの結論とその結論に至った理由を明確に記述する。
 例えば、一次方程式の単元において、「等式の性質を応用することで一次方程式を解くことができる。なぜならば、等式の性質から両辺に同じ数を足したり引いたりしても等式は成り立つからである。」といった具体的な説明を促していきます。
2. 振り返りの焦点を明確にする
• 単元の狙いや目標を明確にし、それに基づいた振り返りの内容を設定するようにします。
  ルーブリックなどを活用し、学習者が振り返りのポイントを明確に理解できるようにした準備しておくことをします。

振り返りの指導とフィードバック

振り返りを書いてもらった後、その内容に対して適切なフィードバックを行うことが大切です。
学びの方向性や理解の深まりを確認し、必要に応じて指導を繰り返します。例えば、授業後に「この部分はとても良く理解できているね」といった具体的なコメントを添えると、生徒たちは自分の理解度を確認することができます。

具体的な振り返りの事例

具体的な事例として、一次方程式の振り返りを以下に示します。

例: 一次方程式の単元
• 等式の性質を利用して一次方程式を解く方法を振り返る。
→「等式の両辺に同じ数を足したり引いたりしても等式は成り立つ。この性質を利用して、方程式を x = ○ の形に変形することができた。」と記述させる。

学習評価の一体化

先ほど出ていた学習評価の一体化のために、振り返りを評価の一部として組み込むことが有効です。
振り返りを通じて学習者の理解度や思考力、表現力を評価し、それを次の指導に生かします。
評価は、単なる知識の確認ではなく、学習者の成長や学びの質を見取るための重要な手段となります。

結論

振り返りを通じて学習者の単元理解を深めるためには、教師が振り返りの目的を明確にし、具体的な書式や指導方法を提供することが大切です。
また、適切なフィードバックを通じて学習者の学びをさらに深め、評価と指導の一体化を図ることが求められます。
これにより、振り返りが学びのプロセスの中で重要な役割を果たし、学習者の成長に寄与することが期待されると思います。

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