お姉さまの恋のスタイル 1
ミコは彼氏を公園に呼び出す。
彼氏をフルときは決まって公園を選ぶ。
歴代の彼氏が嫌でも頭に浮かんでくる。そして、「前の彼のあの頃が1番幸せだったんだ。」と思う。
しばらくして彼がやって来た。最近疎遠になっていたせいだろうか。少し心配したような顔に見えたが、何かが伝わったのか、覚悟を決めたような顔にも見えた。その微妙な表情が、ミコをより不快にさせる。
「あなたって、本当に良いところが無いんだから。私にしてみれば、世話を焼かなきゃならなくて、嫌な存在なのよ!」ミコはそう言いきってから、はっとする。またやってしまった。
どうして人にフラれることが出来ないんだろう。ミコは真剣に悩む。今回の彼氏、恭介《きょうすけ》とは上手く行けると思ったのに。ミコは恋が危うくなると投げ出してしまう癖があったが、今回もそうなってしまった。
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ミコは大学3年生。パッチリとした二重に丸顔が男ウケする。性格も天真爛漫を装っていてこれも男ウケが良かった。
ミコの4代目の彼氏、恭介は大学2年生だ。少し垂れた一重の目が優しそうな雰囲気を漂わせている。
2人は偶然バイト先で知り合いそこから付き合うことになった。