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【美術展2024#11】VOCA展2024@上野の森美術館
会期:2024年3月14日(木)〜3月30日(日)
The Vision of Contemporary Artの頭文字をとってVOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により、毎年全国各地から未知の優れた才能を紹介している現代美術展です。
今開催で31回目となる「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催し、延べ1044名(組)の作家が出展。ここから大きな躍進を遂げる作家を多く輩出しています。
今年も「平面」の可能性を追求した多様な作品をご紹介いたします。
平面系若手作家の登竜門のひとつ。
テーマに沿った展覧会ではないため雑多な雰囲気がお祭り感覚で楽しい。
VOCA賞 大東 忍
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描画材料は木炭とのこと。
木炭ならではの温かみのある素朴な色味とは裏腹に暗闇の風景が不気味さを感じる。
草木の一本一本まで丁寧に描かれる既視感のある風景の中に、目を凝らすと踊る人が一人小さく描かれている。
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この人が描かれることで動きや音を感じ、この場所であることの必然性や大きな面積を占める草木の必要性が生まれるように感じた。
時が止まっているかのような日常の風景から、ゆっくりと歯車が動き出して非日常的な時間が静かに始まるかのような印象を受け、小さなきっかけひとつで作品の印象が一変するのが面白いと思った。
宮内 裕賀
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個性的で興味深い作品が並ぶ中、個人的に一際目を引いたのがこのイカの絵。
キャプションによると、
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約20年間イカだけを描き続けてきた「イカ画家」である。
とのこと。
イカ画家ってなんだ?
タイトル:「イカされていくこと」もとい「生かされていくこと」
素材:イカ胡粉
・・・なるほど。
確かにイカは美味い。
海の中を泳ぐイカのシルエットも美しい。
私も大好きだ。
とはいえ20年間描き続けるかね、イカを。
いつか自身もイカに共食いされ、死因イカとしてイカと一体化することを目指す。
そうか、目指しているのか。
イカれてる。
まさにこの言葉が頭に浮かんだ。
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