masutaka

唎酒師・フリーライター / エッセイとお酒、ときどき小説

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マガジン

  • 日々是好日(にちにちこれこうじつ)

    日頃のエッセイ集です。

  • 酒屋が教えるワインの教科書

    町の酒屋が教えるワインの話。ワインが好きなあなたがもっとワイン通になれるマガジンです。

最近の記事

運動オンチ

 駆けっこはビリ、野球をやっても飛んできたボールも取れない、それどころかボールを追っかけようとして転んでしまう。幼少の頃から病気がちで気も弱く、人見知りのところがありました。親はとても心配したと思います。子供が成長して思うのはどのような親であっても心配はするものです。また、生まれてくる環境は誰も選ぶことはできません。不幸と言えば不幸で、幸せと言えば幸せなことです。  体や能力も先代の祖先や親の遺伝子が大きく関わってきますがこれもまた、不幸と言えば不幸で、幸せと言えば幸せなこ

    • 酒屋が教えるワインの教科書 ワインの醸造 3

       ワインの熟成  ワインの醸造が出来ても生の新酒は香りや味が若々しくて炭酸ガスや澱などがあってワインの特徴が引き出させていません。そこで口当たりや香り、味などのワインの良さを引き出すために熟成が必要になります。また、樽熟成することでいろいろなワインのバリエーションが生まれます。樽熟成の出来がワインの良し悪しに影響してくるため手を抜くことが出来ない作業になります。  様々な熟成法  若々しいアロマを残したいワインは気密性の高いタンクで熟成します。ワインが外気に触れることが

      • 酒屋が教えるワインの教科書 ワインの醸造 2

         ロゼワインの醸造  ロゼワインは色として赤ワインを薄くして、味は白ワインに近い。ロゼワインは赤ワインと白ワインを混ぜて造ることはしないがシャンパーニュ・ロゼの場合は該当しません。  ロゼワインの造り方は複雑で技術を要します。セニエ法と言う、最も使われている方法は黒ぶどうをごく短時間で発酵させて、目指す色調になったところでタンクからぶどう果汁液を取り出します。その後は白ワインと同じ醸造をします。  直接圧搾法を用いている醸造所は少ない。黒ぶどうを破砕して、薄く色が付いて

        • 酒屋が教えるワインの教科書 ワインの醸造 1

           ワインの醸造  ワインの醸造とはぶどうを発酵させて、ワインを造る技術や作業です。ぶどうはブドウ糖、果糖などの発酵可能な糖分を持っています。ビールや日本酒のようにデンプンを一度、糖化した後に発酵させる必要がなく、ぶどうが持っている糖分をすぐに発酵工程に入ることが出来ます。  ぶどう果皮自体には多くの天然酵母が付着しており、ぶどうを潰して放置すれば、果汁の糖に作用して発酵が始まります。古い歴史を持つ地方や伝統を重んじる醸造家などでは天然酵母による自然発酵を行っています。しか

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        • 日々是好日(にちにちこれこうじつ)
          5本
        • 酒屋が教えるワインの教科書
          7本

        記事

          酒屋が教えるワインの教科書 ぶどう栽培

           ワインの原料のぶどうの栽培について、栽培を知ったところでどうなるものでもないと思いますがぶどう栽培を知ることでワインも深く理解できます。ここではぶどう栽培がどのようなものか説明いたします。  ぶどう栽培は気温、日射量、降水量などの気象条件と土地や土壌の条件がぶどう品種に合うことが大切です。  栽培に適した気温は平均気温が10℃から20℃、一日の気温の寒暖の差があり、 生育積算温度2000℃から2200℃の地域が適していると言われています。生育積算温度とはぶどう育成期間4

          酒屋が教えるワインの教科書 ぶどう栽培

          酒屋が教えるワインの教科書 ぶどうの品種(セパージュ)

           あなたが好きなワインはすべてぶどうから造られています。ぶどうを知ることでワインの特徴がわかります。ぶどうには多種多様な品種があります。野生のぶどうはぶどう科のつる植物になります。その品種は改良されて数多くありますがヨーロッパ種でヴィティス・ヴィニフェラだけが質の良いワインになり、これが栽培されるすべてのぶどう品種の原種になります。カベルネ・ソーヴィニョン、シャルドネ、メルローなど世界中のぶどう畑に輸出されました。現代では日々、改良され進化しています。それぞれのぶどう品種は次

          酒屋が教えるワインの教科書 ぶどうの品種(セパージュ)

          酒屋が教えるワインの教科書 ワインの歴史 2

           日本におけるワインの歴史は縄文時代、弥生時代と言った年代に見られないが野生の山ぶどうが自生していた痕跡は遺跡などから発見されています。自生はしていたが大陸からぶどうが伝わったとか、ぶどう酒として醸造された痕跡は今のところ見られない。  奈良時代には中国から伝わったぶどうを僧侶の行基が今の山梨県に伝えたという説があるが定かではない。その後、鎌倉時代に中国から輸入されたアジア系ヨーロッパのぶどうが自生化した甲州種を鎌倉初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で栽培が始めたという

          酒屋が教えるワインの教科書 ワインの歴史 2

          酒屋が教えるワインの教科書 ワインの歴史 1

           ワインとは一言でいえば、ぶどうから造られる醸造酒です。ワインは世界中で造られ、ぶどうの種類も豊富で、多くの人に飲まれています。実に奥が深いお酒です。  ワインの歴史ですが人類が最初に作って飲んだお酒と言いてもいいでしょう。世界最古(紀元前6000年前)のワインの醸造の痕跡が今の東欧の南に位置に当たるコーカサス地方、今の東欧の南に位置に当たるジョージア付近に残っています。紀元前2500年の頃はエジプト、メソポタミアではぶどう栽培が組織化されてワインの作られていたとされていま

          酒屋が教えるワインの教科書 ワインの歴史 1

          キリマンジャロの記憶

           キリマンジャロと言って何を連想するか。アフリカの大地に悠然とそびえるキリマンジャロの山か。ヘミングウェイの小説、キリマンジャロの雪か?  昭和47年、私が中学生の頃、叔父さんから初めて喫茶店と言うところへ連れていかれました。昭和の高度成長期にみられたジャズ喫茶、マンガ喫茶と言った喫茶店ブームが遅ればせながら田舎でもブームになりました。  白の漆喰に木目の木材がうまく組み合わせられたレトロ調の外観。通りに面した出窓は大きく、木目が強調された枠に透明なガラス、やさしく冬の日

          キリマンジャロの記憶

          50歳からの筋トレ

           日曜と木曜の午後はスポーツセンターにあるジムに通っています。50歳で始めて10年になります。私にとって、筋トレはリハビリのつもりで行っています。と言うのも子供のころに小児喘息を発症してから体が弱く、アレルギー体質が大人になってもなかなか治らなかった。そのうえにお酒を飲むようになって、肝臓も弱って肝炎をも患った。肝炎も入院して何とか治療をしてが今度は右目に白内障を発症。白内障の原因も運動不足で酒の飲みすぎや糖質の取りすぎだと感じた。仕事や趣味をするうえで健康な体を維持すること

          50歳からの筋トレ

          煙草をやめた

           昭和六十二年の春、建築現場の工期がないため残業続きで疲労感が抜けない毎日が続いた。さらに、季節の変わり目もあって夜になると喘息を発症し、煙草を吸うことも出来ないようになった。無理して働いたのも訳があった。もうすぐ、子供が生まれることで期待と不安が入り混じって気が高揚していたのだ。そして出産費用を稼がないという焦燥に駆られていた。  妻から子供が出来たと結婚前に告げられていた。妊娠八か月になるお腹は目立つようになっていた。子供ためにも煙草も妻の前では吸わないようにしていたが

          煙草をやめた

          うどん屋のアイスクリーム

           昭和46年の夏、遊びに行ってる近所の公園に町営のプールができた。当時、町に本格的なプールが無かったので多くの子供たちで賑わっていました。私も毎日のように友達と泳ぎに行ってました。  ある日、友達がプールの帰りにかき氷を食べようと言いました。そこは夏になると店先にかき氷の旗を吊るす年寄り夫婦が営むうどん屋でした。夏になるとうどんは売れないのでかき氷やアイスクリームを売っていました。お店は商店街の中心部に近いところにあり、側には小さな川が流れていました。店先には狸の置物があり

          うどん屋のアイスクリーム