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初めての文学フリマ東京には、人と本との新しい出会いがあった
12/1東京ビッグサイトで開催された、文学フリーマーケット東京39。文学フリマと言われるこのイベントに、初めて参加しました。
当日は、339PLANNING さんのブースで自著『お箸で食べるスパイスごはん』を売り、合間に会場を歩き回り、色んな出会いがありました。その1日のことを振り返りながら書いたnoteです。
📕📕📕
乗り慣れない路線を乗り継ぎ、東京ビッグサイト到着。自宅最寄駅から約1時間なのに、気持ち的には2時間くらい移動した気がする。
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このカートと(布団のような)あたたかコートをコインロッカーに預けたかったが
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ロッカーはすでに「使用中」の表示だらけ。
そうだよ。文フリは西棟だけど、東棟でもなんかでっかいイベントやってたんだよ。
しかたなく、カートをひきずりながら入場待ちの列に行くと。
フェス?
なんかのフェス?
ってくらいの長蛇の列。
文学フリマ初めての私、驚きながら静かに最後尾に並んだ。
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12時、いよいよ開場時間。スマホにチケット画面を用意して、いざ入場。
ころころとカートを引きながら、目指すブースはS-46。
絶賛設営中。
— こんちゃん(今野正輝)🌗339PLANNING文学フリマ39 S-46 (@_konchan339) December 1, 2024
s-46に遊びに来てください📕#文学フリマ pic.twitter.com/yPGM4eVYhK
今日もお世話になるこんちゃんと、初めましてのたかまるさんにご挨拶。入場したばっかりだけど、カートを引きながら退場口へ。
ロッカーを探して歩くと、すぐ近くにあった。カートとコートを入れて身軽になって、会場に戻る。ちなみに、この再入場口、私は帰るまで3回くらい通った。
いよいよ、初めての文学フリマ、はじまり!
文学フリマで初めて売ってみた
うちらの向かいのブースは、有名な作家さんたち(らしい)。早速たくさんのお客さんがブースを囲んでいる。
左斜めの角には長い列ができている。作家さんがサインして、お客さんと写真を撮っていた。
え?アイドル?
アイドルの握手会?
って思いながら、つい興味津々に見てしまう。
いかんいかん。
前を通る人たちに、まずは立ち止まってうちらの本を手に取ってもらわねば。
最初は、ちらりとも見ず通り過ぎる人ばかりだったが、少しずつ、立ち止まって本を見てくれるひとが出てきた。次は、手に取ってくれるひとが出てきた。
ぽつり、ぽつりと本を買ってもらえるようになった頃、
「ますみさーん!」と、この方が来てくれた。
いっぱい買っていっぱい会えた!ただの来場者だったが、ひとつかふたつ、全力でスポーツの試合した感ある。ほくほく
— みずのけいすけ|goodbuff Inc. (@mikkemac) December 1, 2024
みずのさんのお顔見て、めっちゃほっとした。ほっとして、「サインください!」と言われて、あたふたしてしまった。
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みずのさんは福の神だったにちがいない。「じゃーね」と去られた後から、立ち止まり、手に取り、買ってくれるお客さんが増えた。
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手に取ってくれたお客さんに、「著者です」って言うと「あら!」て顔上げられて、そこから会話が始まる。
「スパイス、お好きですか?」って尋ねると、
「興味あるんですけど・・・」
「スパイス料理は好きで、お店に行ってよく食べるんです。でもつくったことはなくて」
「そうです。自分でスパイスカレーよく作ってたんですよ」
と言われて、「スパイスと、食べ慣れたおかず、コロッケやおでん、焼きそばとかにスパイスちょっと足してみる、そんなレシピなんです」って説明すると、また会話がつながる。
レシピ本、スパイスに興味あるお若い方から、80代の方まで買っていただいてるんです。
と言うと、みなさん「80代」で反応してくださった。
「クミンとターメリックが余ってこまっているんです」
と言われたときは、「そのお声、待ってました!」と心で思いながら、熱くレシピを紹介してしまった。
試し読みコーナーで見て、来ました!
と、声をかけてくれたお客さんもおられた。嬉しかった。「入り口から遠いのに、ここまで歩いてきてくれたのね」とお茶でも出したい気持ちになった。
会話の流れから買ってくれたお客さんもいれば、そっと置いて帰られる方もたくさんいた。その場では買わないひとには名刺をお渡しして、「よかったらSNS見てくださいね」とお伝えした。
その後、お昼ごはん食べて買い物から帰ってきたら、
ますみさん! 本がめっちゃ売れましたよ!
と言われ、急遽私が家から持ってきていた数冊も並べる。
文学フリマ行ってきました💨初参戦だったから人の多さにめちゃくちゃビックリした👀目の前で自分が書いた書籍を試し読みされてる方が居るって新鮮だったなぁ。ありがとうございました✨#文学フリマ東京 #文学フリマ39 pic.twitter.com/yBw0U3U72P
— misato|日常を写すフォトグラファー (@romephotograph) December 1, 2024
私がいない時間に、めっちゃ売ってくれたみさとさん。ありがとうございます。
初参加した文フリ、会場の熱気がものすごかった〜!
— みかんぬ | 対話する編集者 (@mikasoshi) December 1, 2024
最初は様子を伺いつつだったけど、後半は泳ぎ方を覚えて楽しくまわれた🥳
たくさん出会ってしまったので、読むのが楽しみ🫶
#文学フリマで買った本 pic.twitter.com/Vk8JxpeXBR
私がいない間に来てくれたが、無事会えたみかんぬちゃん!夫さんにもお会いできて嬉しかった!
午後3時を過ぎた頃から、足を止めてくれる人、手に取ってくれる人が増えた。お客さんたちと会話も弾んできて、楽しい。
お客さんと話していたら、
「なんかスパイスって聞こえてきたから」
と足を止めて、声をかけてくれる男性がいた。
聞いてみたらスパイスに興味があるってことで、さらに話が弾む。
「千円札ないんだけど」と言われたので、「カード使えます!」と、たかまるさんと笑顔で声をそろえて答える。男性は、「よかったー!」って言って買ってくださった。
買ってくれたことも嬉しいが、お客さんとのそんな楽しいやり取りも、私は嬉しかった。
買ってくれたお客さんたち、まずは1品から、つくってくれたらうれしいな。
#お箸で食べるスパイスごはん 売り切れました🙏@umauma_masumi pic.twitter.com/12ucaN7Sc1
— こんちゃん(今野正輝)🌗339PLANNING文学フリマ39 S-46 (@_konchan339) December 1, 2024
今回は私個人でなく(友人と二人で申し込んだが落選した)、レシピ本の版元『339PLANNING』のブースで文フリデビューとなった。
会場にはいろんな出版社もブースを出していた。出版社のひとだけが売ってるブース。著者も立って一緒に売っているブース。お買い物時間に両方見て回った。
自分が売る側、買う側、両方とも体験して思ったのは、
作ったひとが売るって、本でも野菜でも、お客さんへの伝わり方が違うな。
ってことだった。
作ったひとの顔が見えるようにする。声を届ける。
これを大事にしたいなと改めて思った。
文学フリマで初めて買ってみた
文学フリマでは売るだけじゃなくて買いたい!と思っていたが、出店数がものすごい(出店者4,026人)。事前にWEBカタログも見たが、全くわからない。
Xで『文学フリマ東京』と検索する日々。そしたら、「去年買えたんやけど、今年も買えたらええなぁ」と思っていたものを見つけた。
売り切れたら悲しいので、『行きたいブースリスト』のなかで、一番最初に行った。
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去年京都のコミティアで2024年カレンダー買わせてもろて、来年のカレンダーも欲しかったんです!
と嬉しくてつい言ってしまった。
行きたいブースリスト。次は、お名前時々お見かけしていたおくまほさん。『なんでそんなこと急に言うん?』と、流れてきたポスト見て、「え?このタイトル、読んでみたいかも」と思った『たらふく』。
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友だちに頼まれた本を求めて、さらに歩く。ブースで実物見たら、やっぱ私も読んでみたい!と買ったのがこちら。
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事前にチェックしていた本だけではない。文学フリマでは、偶然の出会いもあった。
息子に「のぞいてきて」と頼まれたブースを探して歩き回っていた時、5人ほど囲んでいるブースが目に入った。
離れたところからテーブルをちらっと見ると、めっちゃ装丁が凝ってる本が並んでいる。近くで見たくて、寄ってみた。
そのなかの1冊の帯を見て、驚いた。
えええー!あの本やん!
アマプラで「おすすめ」に上がってきて、なんとなく見たらめっちゃ良くてハマってしもた、あのドラマの本やん!
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0BX1QHGDT/ref=atv_dp_share_cu_r
ドラマ観ながら、「レシピ見たいなぁ。レシピ本あるんかなぁ」と思っていた。
そのレシピ本が、なんと目の前にあるではないか!
上がったテンションを抑えつつ、手に取り、ページを開く。見やすいし、アマプラで見てたレシピがたくさん。
自分が普段作っている料理とちょっと違う。でも、作ってみたくて作れそう。
「ください!」
と言って1冊買った。
このドラマ好きだったんですと言うと、店主さんに「ありがとうございます」と言われた。きっと、たくさんのお客さんが私と同じこと言って、買われていたんだろうな。
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息子に頼まれたブースを2つちらりと覗いた。若い人たちがたくさんブースを囲んでいた。「とりあえず行ったよ」という事実だけつくって、離れた。
再び自分がブースの中の人に戻るため、S-46ブースに向かって歩いていた。歩いていたが。
「あ、やっぱりここだけ最後に覗きたい」
と思い、ご近所のブースに寄り道した。
そのブースから、
「今日は蟹工船を書いた小林多喜二の誕生日です」
という、文学フリマではなかなかレアな呼び込みしている声が何度も聞こえ、その声の主が金髪のかわいい女性で、気になっていたのだ。
ブースに行くと、テーブルの上にこんな本があった。
「(数年ぶりに全話観た朝ドラ)『虎に翼』ではないか!読みたい!」
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買ったらこちらを渡されて、なるほど、だから「蟹工船の小林多喜二」って呼び込みしてたのかーと理解した。
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ちらっと中身を見ると、読み応えありそう。文学フリマ、レシピ本に続いて、こちらも予定していなかったけど、いいお買い物だった。
文学フリマは、日常では出会えないお客さんと本に出合えた場所だった
初めて参加した文学フリマの感想は、まさにこのタイトル通り。
レシピ本買ってくれたお客さんたちは、(私の個人的な感想だけど)30代、40代の方が多く、そのうち数名は男性だった。
文学フリマに来るお客さんが若いひと多いと聞いたから、まぁそりゃそうだわなと思ったが。
自分の日常でなかなか接点のない、出会う機会の少ない層の人たちが手に取り、それぞれの家に連れて帰ってくれたと思うと、楽しく嬉しかった。
本との出会いもそうだった。
本屋さんの店内をふらふらと歩いていて、惹かれる本に出会うこともあるが、文学フリマはちょっと違った。
Xのポストに流れてきた本を「読んでみたいな」って思い、そのブースを前日に調べる。当日探して歩いて、「あ!あった!」って見つけて買う。そんな出会い方も買い方も初めてで、楽しかった。
また、事前にチェックしていなかったけれど、場内を歩いていて偶然出会えた本を買えたときは、めちゃめちゃ嬉しかった。
初参加だけど、文学フリマの醍醐味ってこういうことなのかもなあ。
なんて思った。
— 文学フリマ事務局 (@Bunfreeofficial) December 1, 2024
めっちゃ長文になったけれど、とにかく、楽しかった!
ものすごく多くの人の中にいて、翌日は昼前まで寝て、銭湯に行って、やっと戻ってきたけれど(思っていたより、疲れてもいた)。
【速報】
— 文学フリマ事務局 (@Bunfreeofficial) December 1, 2024
本日の「文学フリマ東京39」の来場者数は14967人
(出店者:4026人、一般来場者: 10941人)となりました。
これまでの文学フリマで過去最高となりました!#文学フリマ東京
事務局のみなさん、当日スタッフのみなさん、ありがとうございました。
今回出店を決めて、当日までの準備や当日設営、販売、後片付けなど、めっちゃお世話になった339PLANNINGのこんちゃん、たかまるさん、久しぶりにお会いできて、「私が表紙撮ったレシピ本です!」って言ってくれたmisatoさん、最後に、お会いしたみなさま、ありがとうございました。
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