友達になれなかったプリンスへ
どうしても思い出せない曲がある。
思い出そうとすると、ある記憶が蘇る。
高校1年の今頃、私たちは合唱祭の練習に励んでいた。
中学に引き続き、私は合唱祭実行委員だった。
中学時代の合唱祭実行委員は、私にとって青春そのものだった。二つに分裂してしまったクラスは、私の涙の説得で一丸となり優勝した。
3年B組金八先生の学級委員になったような気持ちだった。
平等に意見を聞いたりするのが向いていると気付いたのはこの頃だ。
「またあの感動を味わいたい。」
その気持ち一つで立候補した。