見出し画像

忘れられた子どもたちのメンタル

学習について、近年、気になっていることの一つを書いておきます。

それは、親御さんの意識として、子どものメンタル面がスルーされることが増えたこと。


うちの子は(勉強に対して)やる気がないだとか、モチベーションがない、こういう悩みというのは、時代にかかわらず多い悩みです。

実際は、無理やりやる気にさせることなどしようがないのですが、これは今回は一旦置いておくとして、この悩みって、子どもたちのメンタルの話をしているんですよね?

どうしたら勉強に向かえる意識を作れるだろうか?どうやってやる気を出してくれるだろうか?って、これは明らかに、子どもの精神面の話をしているわけです。


ところが、いざ、勉強を直接やる、という場面では、子どもたちのメンタルについては、ほとんど無視されている。

悩み相談などの場面でも、現状この子がどんなストレスを抱えているか、ここまでどんなストレスに苛まれてきたか、そして、実際に宿題や課題などに取り組む際にも、どのくらいストレスが生じるのか?これについては、親御さんからは、全く話題に出ないことが多くなりました。


この数年で一気に増えたように思います。かつてと大きく変わったところと言えるでしょう。


今まさに勉学に取り組むという場面でも、ストレスは必ず生じます。宿題や課題を無理やりやらそう、計画を大人側が立ててでも無理やりやらそう、そんな場面でも、なぜか、子どもたちには心があり、体だけではなく心の面でも疲弊もするのだ、ということが、置き去りにされているのです。


やる気?モチベーション?
そもそも、それはメンタルの話をしていましたよね?


僕らは誰一人、ロボットではないわけですから、精神というものがある。心がある。
好きなことをやったとしても、疲れるものは疲れる。得意なことをやっても、壁やハードルにぶち当たる時がある。
その時は、身体だけでなく、心だって疲弊する。

そういうことが置き去りになったまま、子どもは、「ただ勉強をやればいい」、やってくれさえすればいい、点さえとってくれさえすればいい、そういうことが増えてしまっているように思います。


やる気やモチベーションがメンタルの問題なのであれば、メンタルを支えなければ、メンタルに思考が及ばなければ、そもそも、やる気なんて起きないし、たとえ無理やりやらせても、心は疲弊し、場合によっては、心を病む子も出てくるでしょう。受験系の勉学においては、そういうことがしばしば起こります。(如何せん仕事柄、そして多数の子を見た経験上、多く目にしてきています)

その時が来て、焦っても、遅い。

どうモチベーションを支えていくかはここでは扱わないとして、子どもたちは機械じゃない、マシーンじゃない。

学校に行って帰るだけでも、宿題をこなすだけでも、部活をするだけでも、もうメンタル的にはいっぱいいっぱいの子だっているのです。

ロボットのように、なんでも、やらせればいいわけでもない。(たとえロボットだって疲弊していきますよ)

それを今一度、見つめ直す必要があるのだと思います。


よく考えてみると、宿題課題漬け、部活漬け、塾に習い事に、忙しい現代の子どもたち。この状況を生んでいる要因の一つなのかも知れませんよね。


また、あわせて、先日も述べている消費行動とその意識が大きく影響を与えているのだろうとも思います。それを付け加えておきます。


(おわり)




記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。