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思い出の扉

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#汽車

【詩】西から風が吹いてきたら

【詩】西から風が吹いてきたら

西から風が吹いてきたら
朝一番の汽車に乗って
懐かしいふるさとに帰るんだ
向かい風をたどってね

雨が降ったってかまわないよ
傘の一本もいらないよ
だってぼくのふるさとは
いつだって晴れているんだから

 小さな思い出をたどっても
 ぼくは懐かしいとは思わないよ
 だって東京の風はいつだって
 雨を誘うんだから

何も告げずに行くよ
恋人よ、ぼくのことは忘れとくれ
会おうとも思わないでおくれ
本当

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【詩】田んぼと電柱

【詩】田んぼと電柱

線路沿いの小道で昨日の子供達が
手を振りながら汽車を追っていく。
運転手のおじさんはそれに答えて
汽笛を鳴らし煙を噴かしてくれる。
田んぼと電柱の他に何もなかった
田舎町の小さな思い出であります。