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思い出の扉

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2024年6月の記事一覧

【詩】ぼくの夏

【詩】ぼくの夏

大きく開いた空の下を
夏、きみと二人で歩いていく
静かな風は汗をぬぐって
蝉の輝きは時を止める

遠くで子供達が野球をやっている
カビの生えた思い出が日にさらされ
今にも飛び出しそうなぼくの幼さを
きみは笑って見つめている

そうだこの夏、海へ行こう
忘れてきたふるさとの海へ
きみと二人で子供になって
忘れてきたふるさとの海へ

 お祭りの夜、二人で浴衣着て
 いっしょに金魚すくいやろうよ

幼い

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【エッセイ詩】六月の思い出

【エッセイ詩】六月の思い出

梅雨六月の思い出のひとつに
夜下駄の音がある。
雨が上がった夜更けの街を
二つばかりの音影が
カラコロカラコロ過ぎて行く。
何をしゃべっているのだろう、
夜下駄の響く合間から、
忍び笑いが漏れてくる。
ぼくはたばこを吹かしながら、
窓から聞こえる夜下駄の音を
煙とともに追っていた。

【詩】青春のスクイズ

【詩】青春のスクイズ

きっとあいつは走ってくる。
砂煙を上げ滑り込んでくる。

ベンチはヒッティングから
スクイズサインに切替えた。
ベース上で土を払っている
あいつの目に覚悟が見えた。

一点ビハインドの九回の裏
あいつを生還させなければ
この一戦が引退試合になる。
優勝なんて望んでないけど
出来ることなら一試合でも
多く野球をしたい。これが
チームみんなの思いなのだ。

だからあいつは走ってくる。
砂煙を上げ滑り込

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【詩】富士の遊覧船

【詩】富士の遊覧船

小さな小さな雨が降る日
晴れますようにと祈りながら
富士の遊覧船に乗り込んで
ひとり水面を見つめている

ひとり見つめる水面の上に
小さな雨が落ちるたび
船は心を持ったごとく
想い出ひとつに揺れていく

想い出ひとつに揺れている
遊覧船のデッキの上で
ぼくは雨に濡れながら
想い出ひとつに酔っていく

想い出ひとつに酔っている
ぼくを乗せた遊覧船は
小さな雨に揺れながら
大きな水面を進んでいく