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新谷勝老
2025年2月12日 06:30
もしも神様だったら人間に五十年ほど多く寿命を与え大空を浮遊する能力を与え普通に超能力を使えるようにし猫の言葉を理解する力を与えるだろう。日替りで鳥や虫の美しい声を聞くことが出来る世界にして蚊や蝿やゴキブリなど害虫や蛇やネズミなど鬱陶しい動物を存在させない世界を創るだろう。あらゆる場所に新鮮な果物を年中たわわに実らせて半袖だけで過ごせるように年中ほどよい夏にして餓えと
2025年1月31日 06:30
街に小さな風が吹いていた。その時、何がどうなんだと、酔っ払いの騒ぐ声が聞こえた。酔っ払いは道行く人に向かって、つばを飛ばし、身振り手振りで支離滅裂な持論を展開していた。予告なしの演説会は、聞く人もいなければ、振り向く人もいない。それでも酔っ払いは、声を詰まらせ、涙を流し、懸命に演説をし続けた。そして最後に酔っ払いは、「バカヤロー!」と叫んで、演説のすべてを終わら
2025年1月19日 06:30
こんなに明るい夜なんだから、星が落ちているかもしれないよ。家路に急ぐ足をちょっと止めて、あたりを探してみようよ。天上で輝いているわけじゃない。だから月の明かりじゃない。かといって街の灯りでもない。きっと星が落ちているんだ。もしそれが見つかれば、温かい気持ちになれるかもしれない。いい夢が見られるかもしれない。大きな夢が叶うかもしれない。ねえ、こんなに明るい夜なんだから、
2025年1月8日 17:00
もしタイムマシンが出来たら、きっと利用するだろう。それはぼくの長年の夢だったのだ。ただ、それに関して、ずっと昔から不安に思っていることがある。それはタイムマシンを使ったら、過去にしろ未来にしろ、もちろん今いる場所に移動すると思う。そうなった場合、移動した時代のその場所が車道になっていたとしたら、そしてそこを車が走っていたとしたら、いったいぼくはどうなるのだろう、というこ
2024年10月9日 17:00
1, 今朝投稿した詩は、30代前半に書いたものだ。 その当時、高校時代に好きだった人に、まだ潜在的な未練を持っていたのか、よく彼女の夢を見たものだった。その内容はこの詩にあるとおりで、「おれ、お前のことが…」と言いかけた時に終わってしまうのだ。 あまり頻繁に、そういう夢を見るので、「もしかしたら、彼女のほうが、何かぼくに訴えたいことがあるんじゃないか」と期待したほどである。 しかし
2024年12月18日 06:30
前世の場面を夢に見ることがある。現世の夢よりも少し煤けた背景で言葉遣いや服装がどこか古くさくそこに懐かしい感情が加わるのでそれが前世のことだとわかるのだ。夢に出てくる場面はいつも同じで特殊な大事件や事象などではなくありふれた生活風景が映っている。きっと前世の人生は大事件よりも日常の方が印象深かったのだろう。さてこの人生は来世の人生の夢に現世のどの場面を持込むのだろう。事
2024年11月28日 17:00
小学生の頃、人が夢を見るのは、どこかに夢を蒔く人がいるからだと思っていた。そのことを、けっこう深く信じていたものだ。 一度その話を友人に語ってみたことがある。すると友人は、「その人は何人おるんか?」と突っ込んできた。「一人」「おまえはバカか。一人一人見る夢は違うんぞ。たった一人でどうやって何十億の人に違う夢を見させることが出来るんか?」「それは…」 ぼくは答に窮してしまった。
2024年11月20日 06:30
ああ、ここはそうじゃない、ああ、そこはこうじゃない、そんなことばかり口走っては、朝から晩まで同じ思考を繰り返している。元々答なんかないんだし、ない答はいくら探したって出てこない。いろんな流れが行き着いた、今の姿こそが実は答なんだ。そうだ、そこに気がついたんだから、今日は好運なんだ。思考も袋小路に入ってしまうと、煩悩と何ら変わらなくなる。そろそろこの思考を終わらせて、前頭
2024年11月19日 17:00
1,犬係係長おいおい、下界じゃまた猫が車に轢かれているじゃないか。一体何千匹、何万匹殺したら気が済むんだよ。ただでさえ霊界は定数を超えているのに。猫係はちゃんと霊界と下界のバランスを取ってくださいよ。このままだと我々の住家までなくなってしまうじゃないか。2,猫係係長三味線の需要が減っている分何十年も死亡率は変ってない、という統計が出ているんです。ところで犬係さんよ。な
2024年11月13日 06:30
別にコツコツやるのが嫌いなのではない。どちらかというとコツコツやる性格だし今までコツコツやってきたと思っている。おかげで人並みな人生だけは歩いている。とはいうものの、心に描いている絵柄はコツコツとやる自分の姿ではありません。それはコツコツとは真逆に位置している、宝くじを当てたような一発逆転の姿です。大金を手に入れるということではなくて人生の全てを一瞬で変えるという意味で、それ
2024年11月9日 06:30
この駅のすすけた壁に『雨の過疎』というわけのわからない言葉が書いてある。誰が書いたのかは知らない。おそらくは何十年か前、この街がまだ賑やかだった頃に今の世を見てきた人が落書きしたものだろう。いつも雨を待っているこの街の今の有り様を案じているように思えてならない。
2024年11月6日 17:00
1, この街のチンチン電車が廃止されてから24年経つのだが、今でも時々チンチン電車の夢を見ることがある。 その内容のほとんどが、『渋滞でバスがなかなか来ない。このままだと遅刻すると思い、電停まで走って行く』 というもので、あまり思い出したくないことばかりを再現してくれるのだ。 とはいえ夢は、当時の電停付近の風景や、電車の車内を正確に再現してくれている。その当時の乗客の服装などを再現し
2024年9月2日 13:00
以前ラジオで「砂浜にお金がたくさん落ちている夢とか、龍が昇る夢を見た時、家を建てたりいろいろいいことが重なった。逆に落ちる夢などを見た時には離婚したりしてあまりいいことがなかった」 と言っていたのを聴いたことがある。ぼくはそんなに人生を暗示するような夢を見たことがないので、何かうらやましく思ったものだった。 そういえば、むかし家に生えていた木が突然龍に化けた夢を見たことがある。夢の中で「
2024年9月29日 08:32
空は重黒く垂れ下がっていた。風は艶めかしく吹いていた。雨は後ろめたく降っていた。街は空鉄砲に撃たれていた。若者は自由に明け暮れていた。大人は孤独を売り物にしていた。年寄りは赤信号で疾走していた。旅人は山頂の先を見つめていた。会社員は職安に群がっていた。組合員は職場を放棄していた。大学はアルバイトで溢れていた。予備校は遅刻者で溢れていた。ネズミ花火が宇宙を占めていた。線香花