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「心―身」と「心身」

(引用はじめ)

今日ドリームボディや心身の立場が重要視されてきているのは、心にも肉体(身体)にも関係しながら、しかし心だけあるいは身体だけに原因を求められない(「心ー身」症とは異なる)「心身症」が相当あることが理解されるようになったためです。
(藤見幸雄、痛みと身体の心理学)

ここで、「心ー身」という表現は、心と身体が別の物であるという考え方を反映したものです。心に原因があって、身体に症状が出るという、因果論的な考え方に結び付きます。

一方、「心身」という表現は、心と身体は不可分のものであるという考え方を反映したものです。ミンデルは、水槽の中の金魚という面白いモデルを使って説明します。直方体の水層の一つの面に正対して、金魚が浮かんでいるイメージを描いてください。自分もその面に正対して金魚を見ると、金魚の顔が見えます。次に、その面に直角の面に正対して金魚を見ると、金魚の頭から尾までが見えます。すなわち、金魚の別々の像が見えるのですが、金魚は三次元的な実体を持っていて、それぞれの像は金魚の二次元的な投影図を見ているに過ぎません。この金魚のように、人間の「心身」は三次元的な存在であり、「心」と「身」とは、その二次元的な投影なのだというのです。言い換えると、心と身体のより一つ高い次元に「心身」が存在する。心理学者たちは、この「心身」を「たましい」と呼ぶのだそうです。

身体に現れる糖尿病という症状も、これに対応する心理があるのではないかと思います。そして、その心理が原因で、身体に糖尿病という結果が現れるという因果論的な関係性ではなく、一つ高い次元にある「たましい」の病がその心理と糖尿病という身体症状に現れているのかも知れません。

その心理がどのようなものであるか知るためには、糖尿病を悪化させるにはどうすればよいか考えてみるといいのだそうです。例えば、もっとたくさん日本酒を飲み、お寿司を食べると、糖尿病はどんどん悪化するでしょう。では、どうして日本酒を飲んでお寿司を食べたいのか、その心理を観察することになります。すると、仕事の成果が上がらないというストレスが食習慣を歪ませていることが分かるかも知れません。この仕事の成果が上がらないことに苛立ちを感じているという心理を知り、これを癒すと、「たましい」が癒され、糖尿病という心身に現れる現象が鎮まるでしょうか。うん、なんだか、因果論的な思考になってしまっていますね。観察を続けます。

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