詩No.102「西」
大して好きでもない西日を眺めながら
部屋で一息つくことも少なくなった
気がつけば
カレンダーは二枚か三枚進んだ
生きているのかも忘れるほど
必死だった
そうだ
生きることに必死だった
空けたペットボトルを棄てるのも忘れて
埋まっていく部屋で癒そうとする身体は
日に日に疵を増やしていく
足が重くなる
気持ちが、重くなる
身なりに気を遣う余裕すら無くなった
けれどその分銭が増えて
これが命を削った証なら
意外と僕達って軽いもんだな
誰が決めたルールなのか知らないけれど
知らないうちにその中に収まって
あの西日だって決まったように沈んでいく
毎日ってなんだろう
鏡を見ると
少しだけ老けた自分が居た
変わった
いや、変わっていない
瞳の色、僕の気持ち
久しぶりの休暇に
思い出したのはそんなことだった
飾り気のない人生
でもひっそりと今ここに生きていること
一息ついた
もうすぐ陽が暮れる
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