クレーム・ダマンドって、なんだ?[クリーム編vol.9]
フルーツタルトの、フルーツの下。
カスタードクリームの、さらに下。
あっ、違う。サクサクのとこよりは
もうちょっと上。
そう!その、しっとりしてふわっと
してるとこ。
気にして食べたことなんて、ないか。
フルーツタルトはフルーツを食べに来てるん
だもんね。
でも、華やかな物の裏には地味な努力が
隠れてる。
フルーツの下のそれは、まさにそれ。
せめて名前だけでも覚えて帰られたし。
不肖、クレーム・ダマンド。
以後お見知り置きを。
おはようございます!真白けいです!
お菓子の面白さ・奥深さを広めるために、見習いパティシエとして皆さんと一緒に学んでいきます。
読んでくれた方は、スキいただけるとすっごく嬉しいです!!ボクのやる気スイッチですので遠慮なく押してやってください!!
今回のテーマは、クレーム・ダマンド です!
どっしりしてそうな響き…!
でもあながち間違ってないかも。みんな大好きなあるお菓子の土台になってたり…!
早速、一緒に勉強していきましょうー!!
Crème d’amandeって、なんだ?
結論から先に申し述べます。ドン!!
crème d’amande
(クレーム・ダマンド)
||
アーモンドパウダー、砂糖、バター、卵を四同割で混ぜ合わせたもの
四・同・割?!
まず読み方がわからんと。
これ「よんどうわり」と読むらしいです。いや初見じゃ絶対読めない…。
この音訓入り混じってる感じが気持ち悪いよーー!!
そして意味。意味はむしろシンプルで、4つが同じ割合、つまり4つの材料を同量ずつ使うという意味らしいです。
…すっごい使う場面限られてない?!「四同割」って…。
まあいいや。
材料に注目すると、アーモンド、砂糖、バター、卵ですから、おいしいものが出来そうな気配しかしない…!!だっておいしいもんしか入ってないもん!!
すっごいな〜。しかも同量ずつですぜ。アーモンドとバターもたっぷりというわけ。
リッチって言って伝わるかな。おいしい油脂分とか卵の風味が強くて贅沢ですよね!!
あーもうそれだけでも食べたい!!
このリッチなクリーム、どんなお菓子に使われてるんでしょう。
・タルト生地のフィリングとして敷き詰めて焼く。
・ピティヴィエ・フイユテの中に詰めて焼く。
・クレーム・パティシエールと混ぜてクロワッサンの上にかけて焼く。
うーん!焼いてます!
そりゃそうか。卵使ってるからね。
実はパウンドケーキの配合によく似ていて、クリームって言いつつ生地みたいに焼けます。
でも焼くことでさらに焼けた香ばしく甘い良い〜香りが〜!!
そして、なんだかちょっと準レギュラーみたいな、少し脇役チックな使われ方をしています。
多分リッチなクリームだから目立ちすぎると逆にくどくて飽き飽きしてしまうからかもしれません。
作る際には、これまた乳化という現象が大事になってきて、うまくいかないと食感とか香りの感じ方が変わってきてしまうんです。
乳化についてはまた別記事にまとめますので、しばしお待ちを!
クレーム・ダマンドの由来
この名前はズバリ!アーモンドのクリーム。って意味です!
そのまんま!ねこまんまより、まんまです!
そして由来!
ボクが見つけられた由来はいっこだけでした!
なんかもう逆に信憑性あるんだかないんだかわかんないですが、ごっちゃにはならなくて済みますね…!
あるところに、ピティヴィエという町がありました。時は16世紀、1506年のこと。
当時営業していたプロヴァンスィエールという一軒の菓子屋。そこで静かに発明は生まれました。
1506年ですって。
日本じゃあ織田信長が生まれる前ですよ…。
そんな古くからの重鎮だったんですね…!
菓子屋プロヴァンスィエールに限らず、ピティヴィエでは名物としてピティヴィエ・グラッセというアーモンドケーキに糖衣を掛けたお菓子が作られていました。
そのアーモンドケーキを作る1人の職人、これを応用し、クリームとして使うことを思いついたのがクレーム・ダマンドの始まりだとか。
なるほど。
アーモンドケーキというのはアーモンドパウダーを使ったしっとりしたパウンドケーキとご想像ください。
だからおそらく、焼く前の生地に流動性があったので、やってみよって思ったんでしょう。
信じられませんね…!生地をクリームにしてみようなんて、すごい発想の転換!
パティシエ界のコペルニクス!!
名前までは調べても分かりませんでしたが、現代では主流になっているスタイルを生み出した彼に惜しみない称賛を贈りたい!!
拍手‼️あなたもさあご一緒に‼️拍手‼️
わーわー、ピューイ、パチパチパチパチ!
ご協力ありがとうございます。天国の彼にも届いたことでしょう。
でも本当に、この出来事がなかったり、もしくは周りの人が「銘菓を勝手に変えるんじゃない!」とか言って反対してたら、今頃ボクらはタルトに何を詰めて食べていたんでしょう。
別の誰かが別の場所で別の時代にやりだした?
はたまた…。
結局、クレーム・ダマンドって、
「シックスマン」のようだ。
シックスマンってご存知?バスケ用語でレギュラーの次の番号の人のことです。ベンチ筆頭です。
あまりフィーチャーされることは少ないけれど、裏切らない味わいでお菓子を支える実力者。このポジションに収まるまではスタイルを変えたり波瀾万丈あったようです。
フルーツタルトの見どころはどこだ?
フルーツは農家さんの実力。そう、パティシエの腕の見せ所は生地とクレーム・ダマンドです。
ぜひ、お店ごとのフルーツの活かし方、注目してみてください!
ということで今回は以上です!
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今回に関連する「バター」「卵」「乳化」「アーモンド」に関しても学んでいきたいと思うので、興味のある方はフォローしていただくと、すぐにお届けできます!
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次回の大テーマは…
「クレーム・フランジパンヌ」です!
ここまで連載してきたクリーム編もとりあえずあと2回で一旦締めます!
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参考文献
猫井登、お菓子の由来物語、幻冬舎ルネッサンス、2011
中村弘典 木村万紀子、科学でわかるお菓子の「なぜ?」、柴田書店、2018
長尾健二、歴史をつくった洋菓子たち、築地書館、2017
川北末一、プロのためのわかりやすいフランス菓子、柴田書店、2018
クレーム・ダマンド、パティシエwiki、閲覧日2021-3-19、https://www.patissient.com/wiki/クレーム・ダマンド
【フランス地方菓子】ピティヴィエPithiviers、モンブランが好き!スイーツ食べ歩き、アメブロ、閲覧日2021-3-19、https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/chocolat-selection/entry-11318257896.html
※この記事は上記の参考文献を元に執筆しました。諸説あるものは一部のみ紹介しています。
また、新たな事実を勉強し次第、追記・編集する場合があります。