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95.メモの魔力【前田裕二】読書感想文
ずーっと前から知っていた本で、
我が家にはなんと3年前に来た本です。
ずっと読まずにずっと放置していましたが、ついに読みました。
タイトルの通り、SHOWROOM株式会社社長の前田さんによる、
メモを取ることで世界が一変する、という様な内容です。
わかってはいたものの、メモに関して言えば本当に変態でした。
というか、メモという日常動作に対して、
こんなに具体に掘り下げた経験が私自身にはありませんでした。
また内容としては「メモ」によって得られる考え方や姿勢にフォーカスしていることもあり、わりと自己啓発な内容が多いです。
感想文としてもメモのハウツーより、内容に共感したことを書き出します。
ハウツー書きになる方は、実際にぜひ手に取って見てください!
「解くべき課題」を明確に持っている?
メモを取る上で、「抽象化」の概念を丁寧に説明してくれています。
その抽象化のためには、具体を探す必要があるのですが、
それがないと感じる人も一定数いるはずです。
自分の身の回りの経験や潜む課題をぱっと言語化できない感じですね。
とはいえ、みなさんが普段とは異なる行動をするときは、
心の奥底に「解くべき課題」を持っているのではないでしょうか。
例えば、旅行に行きたいとき。こんな言葉が書かれていました。
いつもとは異なる刺激・インプットを受ける場所に身を置いて、抽象化するための新鮮な「具体」を探しに行っているのかもしれません。
実はこんな考えが隠れていたりしますよね。それをメモに書き起こせる様、自分のインサイトを掘っていくのです。
「解くべき課題」を明確にすることで、見える景色は180度変わりそうですね!
僕は幸運にも、具体的に解決しなければならない課題を多く抱えています。自分自身も大きな挑戦をしているので日々課題にぶつかります。
前田さんのこんな言葉がありました。かっこよすぎませんか…
「タコわさ理論」
前田さんが「タコわさ理論」と呼んでいる考え方があります。
要は、「経験してないと、タコわさが美味しいなんてことはみんな知らない」という理論です。
人生を振り返っても、やりたいことが見つからないんだ、という人は、過去に目を向けるのではなく、逆に、一つでも多くの新しい経験を通じて、新たな選択肢に触れることが重要です。
上記のためには、旅に出たり、映画を見たり、本を読んだり、会ったことのない人に会いに行ったり、と手段はいくらでもあります。
僕自身の場合は、天才的な彼女のおかげで価値観が広がっています。
それでいうと、タコわさなんて普段食べませんでしたが、
彼女が好きなので食べる様になりました。
本を読んだり、人に会うことも同様です。
個人的には山に登るのが一番価値観を変えてくれます。
自然の雄大さは自分のちっぽけさを理解するにはうってつけなんです。
「自分」とアポを取る
夢をかなえるためには、「緊急ではないけれど重要なもの」と向き合う時間を取ることが大切です。
以前読んだこちらの本にも同じようなことが書いてありました。
人は、急がなくていいことをやらないでためてしまい、大事なことをやる時間を失っている。結果、急いでやらなければいけないことほど大事なのに、わずかな時間で実行しようとし、事をし損じるんだ
そして最近自分が痛感していることがこれです。
日々の作業に追われていると、現状の自分には盲目になり、
気づけば違うレールを走っていた、なんて経験はないでしょうか。
ぼくはこれが死ぬほど多いです。
目の前の視界がやればやるほど狭くなるんですが、
ふと顔をあげたら、「どこやねんここ」状態です。
要は手戻りが多かったりして、現状維持。成長が伴いません。
ですので、ちょうど最近noteにもあげたように、目標と振り返り、そして自己内省をすることで、現在の自分の位置をしっかり把握します。
この時間をとることが個人的に本当に難しかったのですが、
やってみると分析しない恐怖で前に進めなくなります。
みなさんも「自分」とのアポ取りしてみてください。
メモの本質は「ノウハウ」ではなく「姿勢」である
堀江貴文さんのエピソードトークが書かれていました。
堀江さんのメモを改めてよく見てみると、その中には、「涙そうそうー3」という記述がありました。おそらく、カラオケをしている最中に、自分が最も気持ちよく「涙そうそう」を歌えるキーをメモしたのでしょう。
それ以上でもそれ以下でもない、そんなことからでもよいのです。
そんなことを記憶している脳のスペースがあったら、もっと意味のある別のことを覚えたり、新しいアイデアを産むことに使ったりしたい、という脳の使い方に対する貪欲な姿勢を持つことです。
これぞまさに「ノウハウ」ではなく「姿勢」の事例ですよね。
私ならむしろ逆に、メモを取るまでもない、と自分の記憶のキャパを埋めてしまいますが、脳に入れるまでもない情報、と捉えるべきなのです。
メモは外付けのメモリです。
いかに本体のメモリを圧迫せず、
ストレスフリーに働かせることができるか、を考えると、本体に入れるのが勿体無い情報ってたくさんありますよね。
この姿勢は本当に勉強になりました。
こういう姿勢をもっても、すぐにメモをうまく取れるとは思えませんが、
この一つの考えでメモを取るべきこと取らなくていいこと、だいぶ判別がつきますね。
さいごに
というように思ったより自己啓発な内容でした。
全体を通して前田さんの言葉はすごくまっすぐで、ときに行動できていない姿と重ねて胸が痛くなりますが、ここまで行動すればできる、という希望を示してくれている優しい本でした。
またそれを「メモを取る」という誰でもできそうな一歩とともに提案してくれているため、かなり親近感がもて、がんばろう、とモチベーションを上げてくれる一冊です。
僕はこの本を友人からもらいましたが、
その友人の会社では新卒のときの課題図書がこれだったそうです。
読み終えて、いい教育だな、と思いました。