『くちびるに歌を』
改めて知る面白さ。
『くちびるに歌を』中田永一
拝啓、十五年後の私へ。中学合唱コンクールを目指す彼らの手紙には、誰にも話せない秘密が書かれていた―。読後、かつてない幸福感が訪れる切なくピュアな青春小説。(Amazonより)
昔観たガッキー主演の映画が頭に残ってて、原作も読んでみようと思い。
細かいストーリー忘れていたってのもあるけど、個性が強い生徒数の割にはそこまでボリュームないから、淡々と進んでいくなあって印象。
でも読み終わってみると、あくまでこの物語の視点の中心はサトルとナズナのみで、二人の悩みや後悔、未来に対するある種の諦めについてのストーリーだったことに気づく。
とりわけ、サトルの十五年後の自分への手紙は、活字で読むと更に強烈で、そこに込められている感情が、希望なのか絶望なのか、今でもハッキリとはわからない。幼さや純粋さと内容のコントラストが激しくてゾクッとする。
そこからのサトルの兄を囲んでの合唱から、ナズナの過去への清算への奇跡みたいな繋がりも好きだった。
実写とはまた違った側面を知れて楽しかったし、歌詞で追うと改めて『手紙~拝啓 十五の君へ~』っていい歌。
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