「大企業でしか働いたことのない私がある日突然、売り上げなしのITスタートアップで若者たちと働く事になった理由」つづき6
その関わりは、スケッター自身も助ける
先日より「スケッター」というスキルシェアサービスについて、お話させていただきました。このサービスは実は介護施設だけではなく、私たちと同じ立場の一般の方々へのメリットがあります。
一般の方々の立場では、今まで全く介護に関わったことがなく、親御さんや配偶者の方が突然介護が必要になった時、「どうしていいか分からない」といった不安を感じる事も多いのではないでしょうか。
スケッターという機会を活用し、介護施設の方々と関わる事で少しでも軽減できればと考えています。
私は介護施設は正直敷居が高く、家族の誰かを入居させるという状況でない限り関わりにくいと感じていました。しかし、何かしらで関わったことのある施設であれば相談もしやすくなるのではないでしょうか。私もボランティアで訪問することで、介護施設を以前より少し身近に感じるようになりました。
助けを求める事が出来た人と出来なかった人とでは全く生活が変わります。
私が介護の資格を取る為、週末にスクールに通っていた時の同僚に二人の方がいらっしゃいました。Aさん、Bさんとします。どちらも親御さんが認知症から要介護状態となったご経験のある60代の女性の方です。
Aさんはその時に病院事務のご勤務をされており、病院内にいらっしゃるケアマネージャーさんにすぐに相談をし、ケアマネージャーさんのアドバイスによってご自身の負担も少なく済みました。Aさんの言葉を借りれば「動揺していたけど、私はハンコ一本持って行って、あとは全部手配してくれたから助かったのよ。」
一方Bさんは全く介護に関わった事のない方でした。認知症のお母さまを誰にも頼れず一人で一生懸命介護をされました。ご自身の体調も崩しそうになりながらも「なんとかやった」そうです。ご自身が苦労されたご経験があり、「勉強のために資格を取りに来た。」とおっしゃっていました。
助けを求められるかどうかで、こんなにご家族の負担が変わってくるものなのかというのを目の当たりにしました。
スケッターで一般の方が介護施設との繋がりを持てば、困ったときに相談でき、Bさんのようなご苦労をされることも減らせるのではないか。
介護施設の方々は介護のプロです。介護については本当にたくさんの知識を持っていらっしゃり、また地域の方々との関わりを持ちたがっていらっしゃいます。
きっと困ったときに助けてくれる方に出会えるのではないでしょうか。
突然の介護に直面した時のために、事前に介護の基礎知識や介護の方法を一般向けに教える研修をしているご施設様もいらっしゃいます。
このような事前の準備が介護離職を減らすことにもつながると思います。
介護が必要な状態となるイベントは突然起こることもありえます。
少し補足をしますと、より高い介護が必要となる事が多いのは脳血管疾患、認知症、骨折・転倒が原因です(「平成 28 年 国民生活基礎調査の概況」より)。
この中でも脳梗塞、骨折は突然起こりえます。言い換えれば何もなかった一週間後には介護の必要に迫られご家族の生活が大幅に変わる可能性があるのです。
スケッターは一般の方々にはそのような介護準備のツールとして思っていただけたらとも考えています。
また、介護施設の下見にもなるかもしれませんね。
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