くしゃみについて本気出して考えてみた。
あなたに訊きたい7つのこと#1【回答編】
「わっっほーい」
何年か前に駅のホームで、隣の年配の方が派手にくしゃみをした。
僕は思わず耳を疑った。くしゃみと言えば「ハクション」だろうという自分の固定概念がその瞬間、崩れ落ちていった。
幾度となく、くしゃみを連発していくダンディ。
どう考えても、どう聞いても「わっっほーい」なのである。
僕はそのくしゃみのことがずっと忘れられずにいて、
以降、誰かのくしゃみの場面に出会うたびに、それをいかに正確に言語化出来るのか、心の中で密かに挑戦していた。
日本語でくしゃみといえば「ハクション」で、表記は統一されている。
世界のくしゃみの発音が天下のVOUGE JAPAN様でまとめられていたのでこちらに貼っておきます。
ご覧いただけばおわかりの通り、世界的に見れば「ハクション」というくしゃみ、表記はかなり邪道です。むしろ圧倒的にオンリーワンです。ワンアンドオンリーです。
以下の記事は、「あなたに訊きたい7つのこと」という企画の中で、先日皆さんから頂いた「あなたのくしゃみを文字におこしてくれませんか?」という質問に対しての900件近い回答を元に、その傾向と対策(何の?)について考察していきます。あなたの人生の為にならないことが、この先、長々と真剣に続いていきます。おヒマな方以外は、是非、読まない方がいんじゃないかと心配しておきます。念の為。
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・基本形について整理する(以下比較対象のため、表記をすべて平仮名で統一させてみました。)**
基本形である「はっくしょん」、
日本人の基準とされているこの型。
ちなみに、くしゃみを「はっくしょん」と正確に発声出来ている(と自覚している)人は、900人中4~5人くらいしかいませんでした。意外と難しい。
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・導入音について**
急にミュージシャンみたいなこと言いますけど、
くしゃみをする前に息を止める、その瞬間に音が鳴ります。
その時の口の形によって、”は”なのか、”へ”なのか変わってきます。
また、基本形の「はっくしょん」、その導入音が濁ることがあります。
Vの音が加わる場合。
「ゔあっっくしょん」
よりダイナミックさが伝わりますね。
Dの音が加わる場合
「どぅっぶぇくし。はー。」
かなり土臭い印象が加わりますね。
Bの音が加わる場合。
「ビャッックション」
かなり攻撃的な印象が強くなります。
そしてこれらの場合はすべて、リズムで言うところの、表拍から入ることが多いと推測されます。一連の動作が、なだらかなイメージです。
また、その導入音自体が省略されることもあります。
ちなみに促音(小さい”つ”)が入る場合は裏拍から入ることが多いですね。イメージで言えば、その瞬間を、切り裂く感覚です。
ハが省略されるパターン。
「(はっ)くしゅん」
そのまま導入音が濁ります。
「(はっ)ぐしゅん」
小さい”つ”が裏拍で残ります。
「っくしょん」
かなりプリティーな、コンパクトでミニマム、無駄のないフォームのくしゃみとも言えます。
・語尾について整理する
くしゃみの終わらせ方にはいくつかの傾向があり、
・ーい(盛り上げ系)
・んー(余韻系)
・しっ(寸止め系)
大きく分けて、この3つの系統があるのではないかと考えました。
・盛り上げ系について
「へっくしょーい」「ゔぁくしょーい」
語尾に”ーい”と景気よくつけることによって、
なんとなくその場の空気と、自分の気持ちが盛り上がります。
くしゃみをしてしまったという恥じらいを、決してネガティブに終わらせるのではなく、
みんなでくしゃみが出たね、スッキリしたね、良かったね、と喜びを分かち合うことが出来ます。(ちなみに冒頭の「わっほーい」というのもこの盛り上げ系に属します。)
・余韻系について
「はっっくしゅいぃぃー」「はっちゅー」
最後に伸ばし棒で終わるパターンで、ちなみに世界基準で言う「あちゅー」はまさにこれを指します。
より、くしゃみの余韻(サステイン)を大切にして、終わりまでそのくしゃみの快感、達成感を堪能することが可能です。
グローバル化が進む昨今、もっとも最先端なくしゃみといっても過言ではないと思います。そう、もはや、あなたが世界の基準なのです。
・寸止め系について
「へぶしっ」「へくしゅ」「へっっくち」
やはりくしゃみはどうしても、本来的には恥ずかしいものです。人前で大口を開けてしまうのですから。
ただ、やはり生理現象ですから、止めることなど出来ません。なので可能な限り最小限に抑えたいと言う気持ち、わかります。
そんな恥じらいが、特にこの日本で寸止め系を発展させたのだと考えられます。
日本人特有の奥ゆかしさ、心遣いを感じることができます。
また3つの系統には属さない、特質系についても触れておきます。
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・勝手にお土産をつける人がいる**
「ゔぁっくしょん あ゛ー」
「ゔぁっくしょん ありがとー」
「ぶぁっしょいーーやぁー」
「いえっくしょんばーろー」
一度くしゃみを終えたにも関わらず、一定の割合で、おまけをつける人たちがいることもこの質問でわかりました。
単なる照れ隠し、もしくは自分がした、くしゃみに対しての自給自足的なコールアンドレスポンス、とも言える現象です。”盛り上げ系”からの繋がりなどがあればそれはまさに至高の組み合わせとも言えます。
非常に希少種なので滅多に立ち会う機会はないかもしれません、これを聞けた皆さんは非常にラッキー、幸運です。
天から授かったギフトだと思ってもらって間違い無いです。
・どこにも属さないオリジナリティ溢れるもの
「あはうっ、、、ぶじゅっっ」
思わずティッシュを差し出したくなるタイム感ですね。
「んばっふんー」
かなりご機嫌な様子が伝わってきます。楽しそう。ウキウキしますね。
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「ふぁーあ かふんっ」**
知り合いのチワワのくしゃみとよく似ています。ほぼチワワ。
「だぁぁぐじょいあぁ」
かなり力強いですね、時計のブランドはタグホイヤーでしたっけ。
・決して大喜利をしたかったわけじゃない
「ハミルトン」
時計のブランドかF1のドライバーしか出てこない。
「アディクション!!(中毒)」
うん、そうなんだね、早く治るといいね。
結論(のようなもの)
くしゃみは「はくしょん」と言う固定概念を一度振り払ってみてほしい、
自分の感覚に耳を澄ませてほしい。
いつも通りの繰り返しの中にも、新しい発見は溢れています。
あらゆる固定概念が、あなたの手枷、足枷になっているんかもしれません。
その先に新しい世界が待っているのかもしれません(どんな)。
まあ、なんでもいいんですけどね。
というわけで皆さん、素敵な週末を、わっっほーい。
BIGMAMA 金井政人