本場のマナーとは何か
前回は、ヌン活コーデの話にしました。
執筆前に軽く調べているのですが、マナーが山程出てくるのがヌン活です。
スマートカジュアルにしろ。
スマートカジュアルに華やかさを足せ。
飲む時はこうしろ。基本的には注いでもらえ。
自分で注いでもマナー違反とまではいかない。
敷居を上げてどうするんですかね。
本場のマナーとは何か。
これについて述べてみようと思います。
世界史に残る本場のマナー
イギリスではなくイタリアの話になるのですが、世界史に残る本場のマナーの話があります。
エンリコ・デ・ニコラさんの話です。
イタリア初代大統領で、特に戦後政治においてのキーパーソンです。
エンリコ・デ・ニコラさんは、ナポリピッツアが大好きであったことが知られています。
イタリア初代大統領で、しかもナポリ出身。
ナポリピッツアの本場の国の本場の人です。
エンリコ・デ・ニコラさんは、ピッツェリアでは必ず窯の近くに座ったと伝えられています。
決して窯の近くだけは譲らなかったそうです。
(戦後政治の人なので、誇張ではありません。)
何故か。
ナポリピッツアは熱々が美味いからです!
出来立ての熱々をガツガツと食うのが一番なので窯の近くで食うのが一番良いのです。
このエピソードからわかること
このエピソードからわかることは何か。
本場のマナーとはそういうものだ、ということ。
これに尽きます。
大統領は上座に座るとか。
礼儀上、奥に座るとか、手前に座るとか。
そんなもんは知らん!
熱々のピッツアが冷めるだろうが!
それが本場のマナーです。
本場の国の本場の人は、ナポリピッツアを食べる際に、最も大切なことを知っているのです。
出来立ての熱々を冷めないうちに食べること。
これがピッツェリアに対する最上級の礼儀です。
エンリコ・デ・ニコラさんは、本場の国の本場のマナーに最も忠実であったということなんです。
本場ってそういうもの
本場ってそういうものです。
日本でもそうでしょう。
(抹茶でない)緑茶は、湯呑みからこぼれないように注ぐのがマナーだとされています。
しかしながら、お茶どころの県は違います。
こぼれたら拭く。それが本場です。
どれだけお茶がこぼれないようにしていようと、こぼれることはあるのです。
ゆえに本場では、こぼれたら拭く。
きちんと注ぐのがマナーだ。
二度とこぼさないように心がけておけ。
そういう机上の空論に意味はないのです。
特に本場は何千回何万回と注ぐわけですから。
細心の注意を払ってこぼさないようにお茶を注ぐなんて、ナンセンスな話なんです。
本場のマナーは本質のマナー
本場のマナーは本質のマナーです。
ナポリピッツアもそう。抹茶でない緑茶もそう。
最も味わえるようになっているのです。
しかしながら、ヌン活の場合には、中々本質的なマナーにはなっていきません。
イギリス人ごっこに過ぎないので茶番です。
もっと物事の本質に迫るのが大事です。
ヌン活の本質とは何か。
紅茶を最も味わえるのが一番に決まっています。
熱々のナポリピッツアを冷めないうちにガツガツ食べるのが最上級の礼儀であるように。
本場でない国でも本場になる
本場でない国でも本場になることがあります。
日式拉麺のように。
日本は中華料理の本場ではありません。
しかしながら、日式拉麺の本場です。
紅茶でも拉麺のように、本場になれるはずです。
例えそれがイギリス式から外れていたとしても、そんなもんは知らん!
日式拉麺も本場からは外れていますからね。
特に日本は茶道の本場です。
和風の茶菓子に和風の飲み方で本場よりも本場になれるポテンシャル(潜在能力)があります。
最も大事なのは、形式ではなく本質です。
紅茶が一番美味いのが一番のマナーです。