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~ある日の夏の思い出~【リレーnote4日目】

ずっきーさんが企画されているリレーnoteというものに初参加です。


ずっきーさんの文章から伝わる人柄に優しさと安心感を感じ、
企画に挑戦してみようと思いました。

この場を借りてのお礼になりますが、参加させて頂きありがとうございます。

他にも素敵な方々が記事を投稿されていますので、ぜひ他の記事も見てみてください。


そして、ゆづさんからバトンを受け取りました!
自分の思っている事や感情を文章で表現されるのがとても上手な方で、
感情移入するような素敵な記事を書かれている方です。

とても素敵な記事がたくさんあるので、ぜひ見に行ってください。





とある一日


23区の団地に囲まれたとある住宅街。
学校も夏季休暇に入り、セミの鳴き声と暑さで目が覚める。

眠い目を擦りながら「今日は何しようか」と思いながら夏休みの宿題のことなど頭の片隅に追いやり遊ぶことだけを考える。


携帯電話など持ち合わせておらず、冷蔵庫に貼ってあるクラスの連絡網を見ながら友達の家に電話をする。


「もしもし、〇〇くんいますか?」と緊張しつつ電話をかけると「もしもし?何か用?」という友達の声に安堵。

一人遊ぶ人が決まれば早く会いたくて「とりあえず公園集合で」と伝える。
合流してから「誰誘う?」と話し、遊び仲間を見つけるため友達の家に向かう。

家庭によっては少し強面なお父さんが出ることがある。
何も悪いことをしていないのに問い詰められているような気がし、心臓が飛び出そうになるのでピンポンだけ押してそっと友達より後ろに下がる。

何して遊ぶか決めていない時はだいたい鬼ごっこやドロケイをするのだが、暑すぎて走り回る気にもなれない。


近所の大きなスーパーの2階にある本屋で涼んだり、団地のピロティのベンチでは遊戯王大会が繰り広げられた。

なけなしのお小遣い片手に駄菓子屋に行き、30円で買えるパピコみたいな容器に入った30円のコーラで喉を潤す。


そして何をするでもなく、だらだらと時間を過ごしていると、夕焼けチャイムが鳴る。

「明日は9時に公園集合ね」と約束をして、早く明日が来ないかなとワクワクしながら一日が終わる。


また別の日


夏だけ特別に遊びに行ける場所がある。それが近所にある区民プールだ。


みんなが住んでいる場所からは徒歩だと20分くらい、自転車だと10分かからないくらいの距離ではあったが、家庭によっては自転車を持っていない子も当然いる。


プールまでの道中はペースを歩きに合わせるではなく、自転車に乗らない人が走るというのがお決まりだった。


「暑いからとにかく早く行きたい」という目的で一致団結し、自転車を持っていない人が走るではなく走るのが得意な人が変わりばんこで走る。


辿り着くとまさにオアシス。
施設に入った瞬間の涼しい風と塩素の香り。


屋内温水プール、流れるプールにウォータースライダー、サウナまであり、まさに遊園地のような場所だ。


スライダーに胸を躍らせ、サウナの熱さに一瞬で逃げたり、流れるプールで鬼ごっこをしたりと何度行っても毎回大冒険をしているようなワクワクした気持ちだった。


プールを上がると帰り道にいつもとは違う駄菓子屋に立ち寄る。

1本20円で買えるキンキンに凍らせたゼリーなのかアイスなのかよくわからないもので体を冷やす。

10円を入れてレバーをはじくゲームでちょっとでも小遣いを増やそうと友達と攻略法を試行錯誤する。
ホームランに入ると10円が30~100円券に化けるのだ。

友達と試行錯誤する中でローリスクローリターンの安定感ある技を見つけ出し、20円いれると確実に30円は手に入るという技を手に入れた。


たまに100円が出ると大はしゃぎし、皆で得た報酬なので仲良く山分けし合う。

そんなことに熱中しながら今日も一日が終わる。


センチメンタル


高校性にもなった夏休み。
久しぶりに部活が休みの日が来た。

地元の高校だったこともあり、私が昔通っていたあのプールを皆にも知ってもらいたい見てもらいたいと思い5,6人で向かう。

懐かしい道を通りながら、プールに着くと当時と変わらず涼しい風と塩素の香りが出迎える。

「いざ、プールへ」と更衣室から飛び出そうとすると、”水泳帽子を被ってください”と手渡される。


そんなルールが出来ていたのかと面喰いつつ、当時興奮した大きな流れるプールとスライダーをみると、、

「なんか小さくなった?」と思い、とりあえず流れるプールにも入ってみる。


当時はジャンプしていないと顔まで沈むくらいだった水かさは腰までしかない。
"ざぶーん"という感じではなく"ちゃぷん"という感じだ。


とてつもなく長く感じたスライダーも大人ほどの背丈になるとあっという間に終わってしまう。

プールが小さくなったんじゃなくて自分たちが大きくなったんだなとようやく気付く。

いつまでも子供のままじゃ、あの頃のままじゃいられないのだと実感し、センチメンタルな気持ちになる。


そして今


「自然の風景を見て実家の懐かしさを感じる」なんてことはないけれど、たまに実家に戻り町の風景をみるとノスタルジーな気持ちになります。

あの時あの光景をみて感じた気持ち、あの頃にはもう戻れないけれど、今あるこの風景や出来事、感情は未来の自分がノスタルジーな気持ちになる瞬間なのかもしれない。

今ある日々も一つ一つ大切に味わって生きていこうと思います。



次の走者は、やきいもさんです!

書くことで整理し客観視するプロフェッショナル。
様々な体験を通して発信をされている2児の母の方です!

母のリアルな体験やなんだかモヤモヤする人はぜひ、やきいもさんの記事を読んでみてください。


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