Chattu besara (チャットゥ・ベサラ )| マッシュルームのマスタード炒め| #Odisha 【インド100のレシピ集】
今回はマッシュルームのマスタード炒め、Chattu besara(チャットゥ・ベサラ)です。インドでは食べない人も多く微妙な存在のキノコ。ジャイナ教では禁じられているし、ヒンドゥーのマヌ法典でもキノコは食べることが禁止されている。死骸や糞から生えたりして汚れたイメージが強いのかもしれない。
Chattu Besaraは、オリッサ特有のマスタードペーストを使ったキノコカレーで、マスタードのピリッとした辛味とキノコの旨味が絶妙に調和する。マスタードはべサラと呼ばれ、魚料理などにもよく使われる。 オリッサではよく道端でマッシュルームが売られており、伝統的によく食べられている。 シメジやエリンギも売っているのを見かけた。べサラという名前の通りグレイビーにマスタードを使っているものの加熱することでほとんど辛味は飛んでおり、ツーンとするようなことはない。正式にはアンブロというドライマンゴーで酸味をつけることがあるが今回は省略している。ぜひロティやご飯と一緒に食べてみてほしい。
マスタードオイルについて
マスタードオイルは日本で買えるものは加熱処理されているため、独特の刺激臭が生まれ、苦手だという話もたまに聞きます。
日本では川越にあるカラシ屋さん【筋野商店】様が販売しているマスタードオイルはコールドプレスのため刺激臭が少なくまろやかで、とてもオススメです。(回し者ではありませんが、現地で出会ったマスタードオイルに近いと感じました)
オリッサ料理とは
そもそもオリッサ料理とはなんぞやという話は、後日更新されるまとめnoteをご参考ください。
オリッサ州はインドの東側、ベンガル湾に面している州ですね。ちょうど西ベンガル州とアーンドラプラデッシュ州に挟まれた州。オリッサの文字は丸いが、これは葉っぱに文字を書いていたときの名残で、かなり歴史のある文字だということの証左。
オリッサはメシウマだ。オリッサ料理はベンガル料理のルーツの一つでもある。イギリスがコルカタを首都としていた18世紀後半から19世紀にかけ、オリッサの僧侶階級の料理人たちがコルカタに大量に流入した。コルカタでは上流階級やイギリス人の家庭で、料理人としての需要が非常に高まり、ベンガルの食文化に大きな影響を与えた。
特にマスタードペーストやマスタードオイルの使用は、オリッサから伝わった要素の一つだろう。オリッサから伝わった豆や野菜を中心とした料理も、ベンガル料理の基本構成に取り入れられた。オリッサ料理がベンガル料理に与えた影響は非常に大きく、ベンガル料理の基盤の一部を作ったと言える。ただし、その後、ベンガルの料理は独自の発展を遂げ、より複雑で豊かな味わいを持つ料理体系へと変化した。
主食は米で、豆や野菜を使った料理が豊富。川も海もありベジタリアンは少ないので魚介もよく食べられている。魚介類はマスタードペーストやマスタードオイルを使って調理されることが多い。ベンガルと同様に5種類のスパイスミックス「パンチャフッタナ」(パンチフォロンと同様)を使う。
寺院のブラーミンはニンニクや玉ねぎはもちろん、インドにもともと存在しなかった新大陸の野菜なども使わず神に捧げる料理を作る。ジャガンナート寺院で供される「マハープラサード」などは神様へのお供えとして大量の食事を作り、そのおこぼれをいただけるというありがたいもの。
オリッサ料理は全体的にスパイスは控えめで、素材の風味が活かされているのが特徴。しみじみとおいしくお米が進むものが多い。
各地域別の料理をマガジンにまとめていきます。
Chattu besara(マッシュルームのマスタード炒め)
それでは実際に作ってみましょう。
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