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人の一生にも旬(しゅん)がある

 あらゆるものは時々刻々と移り変わっていくものだ、という考えを日本人は、四季の移り変わりを通して感じているでしょう。
しかし、カツオの旬、野菜の旬などについてはよく言われますが、私たちの身体にも旬があるのは知られていません。ですから発音や楽器の習得、音感、スポーツなども子供の時から始めないと旬を逃すことになります。

家族でブラジルに移住してくると、子供がいち早くポルトガル語を覚えます。それも小さい順から上達していきます。
耳が若いほどブラジル人らしい発音ができるようになるので、そんな子供は準二世ともよばれて親の通訳をします。
大人たちは、いくらブラジル人と毎日ポ語で会話しても、発音はジャポネース式のままで私も同じです。これは一生直りません。

“ 訛りはお国の手形 ” というように、訛りはパスポートですから、幼い時に刷り込まれた訛りは修正がききません。日本語学校へ来る生徒でも、祖父母と東北弁で話していた子は東北弁で上手に話しますが、学校へ来るまでに日本語を話さなかった子の発音はどうしても外人式日本語になってしまいます。
英語でも同じで、これを「旬」といい、旬を逃したら間に合わないのですが、読み書きには旬がありませんのでいつでも覚えるようです。

人生は旬というプログラムに合わせて進んで行くようになっていて、例えば、おむつをした赤ん坊がおむつを汚すと「アラたくさん出たね、お利口ね」とママは喜びます。でも三・四歳になって汚したら叱られます。
四・五・六歳は悪戯をする旬で、この時期に大人しくしていると後に問題を起こすことがあります。
学校へ行く頃、隣のミヨちゃんと仲良くしたら「けんかしたら駄目よ」とママは喜んでいますが、中学になっても仲良くしていたら「勉強しないで何してんのよ」とママは怒ります。中高はしっかりと勉強する旬です。
大学に入っていつまでも一人でいたら「あんたそろそろ相手を見つけなさい」と注意されます。
二十代は相手を見つけて結婚をする旬ですが、卒業してもぶらぶらしていたら不幸の元。
三十、四十、五十は子育てと仕事の旬ですからしっかり働いて貯金をしなければなりません。
加齢による病気は、幕を閉じる旬ですから、いくら金をかけて名医にかかっても完治は無理です。終末期にいろいろ体が悪くなるのは、大自然の法則なので、従う他はないと思います。

人生の旬を楽しむことが幸福の秘訣かもしれませんね。

お読みになって頂きありがとうございます。宜しくお願い申し上げます。