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“美”意識高い系が強い理由
独立研究者 山口周さんの著書 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? を読んだ。
ビジネス経営において、美意識を必要とする理由が説明されている。
わたしはここでいう「エリート」ではないが、日々の仕事や生活でも、欠かせないものだと感じたので、考えたことを共有したい。
アートを取り入れよう
経営においては「アート」を担う人物が必要。
ところが、現代のビジネスで重視されがちなのは、分析や評価を軸とする「サイエンス」、それから、経験や知識に基づく「クラフト」とのこと。
たしかに、わたしたちが普段仕事で求められるのは、サイエンスとクラフトだ。
しかしながら、どんどんチャレンジしたくなるような、モチベーションの高まる瞬間というのは、理想とする将来の姿がみえるときであろう。
そのビジョンを指し示すのがアートの役割ということだ。
日常の中でも同じで、心躍るような体験・暮らしのためには、理屈や知識のみではなく、美のスパイスがあるべきだと思う。
美しいと思えることをやろう
現在は変化が早く、システムの変化にルールが追いつかない状況と、述べられている。
つまり、ルールが遅れて作られるため、いま明文化されている法律を守っていたとしても、論理から外れる可能性があるということ。
そこで、拠り所となるのが「美意識」だ。
少々難しい話だが、著者は次の主張に置き換えてくれている。
人生を評価する自分なりのモノサシを持ちなさい
敷かれたレールに無理にでも乗せられた昔とは異なり、何本もレールがある、いや、そもそもレールなんかなく、どこへだって自由に進めるような現代。
良い時代といえばそうだが、「選べる」ことは難しいことでもある。
自分の選択に後悔しないように、胸を張って進めるように、何よりもまず、自分が美しいと思えることをやりたいと思った。
美意識の鍛え方は?
重要なのは「見る能力」である。
しかし、大人になるとパターン認識能力が高まるがゆえに、純粋に「見る」ことができなくなってしまう。
たしかに、子どものモノの見方に、驚かされた経験が何度かある。
「見る能力」の鍛え方として、VTSが紹介されている。
聞きなれない言葉だが、Visual Thinking Strategy の略で、簡単に言うと、絵画などを用いた鑑賞力教育とのこと。
教育というと堅苦しいが、絵を見て、何が書かれているか、どういう場面か、どんな感情が生まれるか、などを考えるだけだ。
これは、末永幸歩さんの著書 13歳からのアート思考 にも書かれており、わたしの中のアートという概念をアップデートしてくれた。
美術は分かる人にしか分からない難しい世界だ、そう思いがちである。
しかし、全くの誤解であり、全ての人が自分なりの感覚で、自由に味わうことのできるもの。
そんなアートとの接点を、増やしていきたいと思っている。