命と向き合うきっかけを ~エンド・オブ・ライフを読んで~
ノンフィクション作家である佐々涼子さんの著書 エンド・オブ・ライフ を読んだ。
在宅での終末医療について書かれており、本屋大賞 2020年のノンフィクション本大賞に選ばれている。
「死」がテーマで、生々しく、ずっしりとのしかかる重い情景もあるものの、最後まで読むと、どこか心が軽くなるように感じた。
考えたことをギュッと濃縮して共有したい。
だれのための予後予測か
予後とは病気や治療がどう進むかの見通しだ。
余命が短い場合、それを家族や本人に知らせることは、残り時間の過ごし方に影響するため重要である。
一方、こんな意見も出てくる。
死ぬ人と決めつけられて、そういう目で見られる。(中略) そんな接し方をされると生きるエネルギーを削がれてしまう。
たしかに、運命を一方的に定められ、突き放されているように感じられるのかもしれない。
「本人にどう伝えるか」も難しい判断ではあるが、「その後にどう接するか」も本人に与える影響が大きいということか。
死は幸福も置いていく
大切な人が死んでしまうのはもちろん悲しい。
しかし、こうも書かれている。
亡くなりゆく人は、我々の人生が有限であること教え、どう生きるべきなのか考えさせてくれる。死は、遺された者へ幸福に生きるためのヒントを与える。
大切な人を看取るなかで、その人の生き方を知ることができ、それは、自分が今後どう生きていくかを考えさせてくれる。
命と向き合うきっかけを与えてくれている。
そして、それは、幸福に繋がっていくのだろう。
最後に
自分の考えを整理したかったが、上手くまとまらない。
ぐるぐると考えを巡らせてみたが、どう言葉を並べても、薄っぺらくなってしまうので諦めた。
ただ、「すべては『益』に変えられる、変えなくちゃならないんでしょうね」という言葉が、わたしの中に強く残っている。