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大学生の自己責任:輝く未来への選択

大学生活は、自由と責任が交錯する貴重な時間です。「自己責任」という言葉の中に、ポジティブな成長の機会と、ネガティブな落とし穴が同時に潜んでいます。日々、学生たちと接する中で見えてきた、現代の大学生が直面する自己責任の二面性。その実態と、そこから導き出される人生の指針について、皆さんと一緒に考えてみましょう。


この話題は、実は大学生だけでなく、社会人の方々にも深く関わる内容かもしれません。そのため、幅広い視点から考察していきたいと思います。

ポジティブな自己責任:夢への邁進

大学生と接していると、自己責任には明確に二つの側面があることに気づきます。一つは、ポジティブな自己責任。もう一つは、ネガティブな自己責任です。まずは、ポジティブな側面から見ていきましょう。

ポジティブな自己責任を体現している学生たちは、明確な目標を持ち、それに向かって邁進しています。彼らは計画的に単位を取得し、多くの場合、3年生までにほぼすべての必要単位を取得してしまいます。私の大学では、1年間で約40単位取得可能で、3年生の時点で100単位以上取得している学生もいます。卒業に必要な単位が124単位(但し、必修科目をはじめとする進級要件科目の取得が満たされないとダメ)であることを考えると、これはかなりの達成度合いです。

このような学生たちは、4年生の1年間を自分の研究や興味のあるプロジェクトに没頭することができます。これこそが、大学生活の理想的な形の一つと言えるでしょう。

私自身の経験を少しお話しすると、大学生時代に卒業論文を2本書きました。3年生で1本、そして4年生でさらに1本。これらの論文は学会でも発表し、学会誌にも掲載されました。学部生として学会発表をすることは珍しく、合計で3、4回ほど学会に参加しました。各発表は約15分間で、12分の発表と3分の質疑応答という構成でした。このような経験は、学会の先生方を驚かせただけでなく、私自身の成長にも大きく寄与しました。

私の専門は農業土木と農村計画で、地域活性化や町づくりを土木の観点からアプローチしていました。しかし、当時からサウンドスケープ(音の風景)という分野にも興味があり、これを農業分野に取り入れようとしていました。「農業になぜ音なのか」と批判的な声もありましたが、大学という自由な学びの場だからこそ、このような挑戦的な研究ができたのだと思います。

現在の大学生たちも、多様な形で自分の夢に向かって努力しています。研究はもちろんのこと、学内のイベントやプロジェクトを通じて横のつながりを深めたり、後輩たちに自分の経験やビジョンを伝えたりしています。このような活動は、自己責任のもとで行われており、卒業後の主体性にもつながっていくのです。

ネガティブな自己責任:「ピー逃げ」の実態

一方で、ネガティブな自己責任の例も見受けられます。最近、他大学から聞いた話で「ピー逃げ」という言葉を知りました。これは、出席確認のためのカードリーダーに学生証を「ピッ」とかざした後、すぐに教室から逃げ出すという行為を指します。

多くの大学では、授業の出欠確認にカードリーダーシステムを導入しています。例えば、授業開始から10分以内のカード読み取りを出席、10分から30分までを遅刻として記録するようなシステムです(これはもちろん大学によって条件は違います)。このカードリーダーは通常、教室の出入り口付近に設置されています。

私が以前非常勤講師として勤めていた京都先端科学大学(当時は京都学園大学)でも、このようなシステムが導入されていました。学生が学生証をかざすと「ピー」という音が鳴り、出席が記録されます。しかし、「ピー逃げ」をする学生は、この音を確認した直後に教室を出て行ってしまうのです。(先端科学大学の学生さんは全員真面目でそうしたことはありませんでした)

教員側からすると、この行為は非常に残念なものです。自分の授業が面白くないのではないかと悩む教員もいます。しかし、これは単に授業の質の問題だけではありません。学生自身が、貴重な学びの機会を自ら放棄しているのです。

私の勤務する大学では、まだこのようなカードリーダーシステムは導入されていません。従来通りの点呼や出席カードを使用しています。出席カードの場合、学生は授業終了時にカードを提出する必要があるため、「ピー逃げ」のような行為は起こりにくいのです。

しかし、出席の確認方法に関わらず、重要なのは学生自身が学ぶ意志を持つことです。90分の授業は、金銭的に換算すると5,000円から12,000円ほどの価値があるという試算があります(こちらも基準によって大いに異なりますが)。これはコンサートホールのS席チケットに匹敵する金額です。

自己責任と時間の価値

「ピー逃げ」のような行為は、単に授業を聞かないというだけでなく、貴重な時間と機会を無駄にしているという点で非常に残念です。大学生活は、自分を成長させ、将来の基盤を築く重要な期間です。この時期にどのように時間を使うかは、将来の自分に大きな影響を与えます。

もちろん、すべての授業が自分の興味や将来の目標に直結するわけではありません。しかし、一見関係のない授業でも、新しい視点や考え方を学ぶ機会となることがあります。また、授業に真摯に取り組む姿勢そのものが、社会に出てからも役立つ重要なスキルとなります。

自己責任とは、自分の行動の結果を自分で引き受けるということです。「ピー逃げ」をする学生も、その行為の結果として学びの機会を失うという責任を負うことになります。一方で、授業に積極的に参加し、自ら学びを深める学生は、その努力の結果として知識や経験を得るという責任を果たしているのです。

大学生活を最大限に活かすために

では、どうすれば大学生活を最大限に活かすことができるでしょうか。以下に、いくつかのポイントをまとめてみました。

  1. 明確な目標を持つ: 自分が何を学びたいのか、大学生活で何を達成したいのかを明確にしましょう。目標があれば、日々の行動に意味が生まれます。

  2. 計画的に単位を取得する: 早めに必要な単位を取得することで、後々自由な時間を作ることができます。その時間を研究や自己成長のために使いましょう。

  3. 多様な経験を積む: 授業だけでなく、サークル活動や学内プロジェクト、ボランティアなど、様々な活動に参加してみましょう。多様な経験が、将来の糧となります。

  4. 好奇心を持ち続ける: 一見興味のない分野でも、新しい視点で見てみると面白い発見があるかもしれません。常に好奇心を持ち、学ぶ姿勢を大切にしましょう。

  5. 時間の価値を理解する: 大学生活は限られた時間です。一日一日を大切に、有意義に過ごすよう心がけましょう。

  6. 自己責任の意味を考える: 自分の行動の結果は自分で引き受けるという意識を持つことで、より慎重に、そして積極的に行動できるようになります。

大学生活は、自由と責任が交錯する貴重な時期です。この時期をどう過ごすかによって、その後の人生の方向性が大きく変わってくるかもしれません。

私自身、大学時代に2本の卒業論文を書き、学会発表を行った経験が、その後の研究者としてのキャリアに大きな影響を与えました。当時は「農業と音」という一見関係のない分野を結びつけようとして批判も受けましたが、その挑戦的な姿勢が新しい研究領域を切り開くきっかけとなったのです。

皆さんも、大学生活を通じて自分だけの「何か」を見つけ出してほしいと思います。それは研究かもしれませんし、新しい才能や興味かもしれません。あるいは、かけがえのない友人や経験かもしれません。

重要なのは、自分の行動に責任を持ち、能動的に学び、成長しようとする姿勢です。「ピー逃げ」のような消極的な行動ではなく、積極的に機会を掴み取る姿勢が、皆さんの未来を切り開いていくでしょう。

大学生活は、確かに楽しい時期です。しかし同時に、将来の自分を形作る重要な時期でもあります。この貴重な時間を、どのように使うかは皆さん次第です。ぜひ、自己責任という言葉のポジティブな側面を意識しながら、充実した大学生活を送ってください。

音楽は、私にとって研究と同じくらい重要な自己表現の手段です。大学時代から続けてきた音楽活動が、今では多くの方々と繋がる素晴らしい機会となっています。

このように、大学時代に始めたことが思わぬ形で花開くこともあります。皆さんも、今の興味や活動を大切にしてください。それが将来、かけがえのない財産となるかもしれません。

では、今日も良い音の一日をお過ごしください。そして、自分自身の人生の主人公として、責任ある選択と行動を心がけてください。皆さんの生活が、輝かしい未来への第一歩となることを心から願っています。

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