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映画『ラストマイル』を観て (ネタバレあり)

ドラマのアンナチュラル・MIU404が大好きだったので、ドラマファンとしてもう一度メンバーが見れるというだけで最高だったのですが、「ラストマイル」の内容も大満足でした!

現実でも起こっている社会問題を作品を通して見て、色々考えてしんどさや辛さ悲しさを感じることもありますが、それこそが野木亜紀子さんの作品であり、この社会で起きている歪みを描いているところに惹かれているんだなぁと改めて実感しました。



短い感想ですが、ネタバレを含みながら書いております。前情報一切なしで映画を観たい方はご注意ください。




何気なく指先でポチッと買い物をした先には…

「荷物を運ぶ配達ドライバー」
「ドライバーを管理する配達会社」
「荷物を管理する物流倉庫」
「物流倉庫を含む全てを管理する企業」

複雑に絡み合っている組織では、爆弾事件が起きても、すぐに商品出荷を止めることは出来ない。原因も分からない状態では、止めてしまうと色んなところにしわ寄せが起きる。

(命がかかってるのに、なんで今すぐ止められないんだよ…)
心が苦しくなると同時に、止められない現実があることも理解出来る。だからこそ、「止めよう」と必死に動き出す主人公たちの行動(弱き者から強き者への交渉)には勇気を貰いました。

あまりにもリアルに描かれる配達問題に、(何回も注文してごめんなさい)(再配達になってしまってごめんなさい)(いつも本当にありがとうございます)という気持ちでした。



爆弾の犯人を見つけて事件は解決したかのように見えるが、事件は終わっても、ベルトコンベアは止まらず、メッセージは残されたままで、、、現実的な問題は何一つ変わっていない。

弱き者が一度立ち上がったくらいでは、誰かが犠牲になり搾取される社会は何も変わらない。強き者が変わらない限り、、、

社会問題を突きつけて、考えさせてくれる。
簡単に正解を見つけることができない、人によって感じることが変わってくる、こういう作品が好きだなぁとひしひしと感じていました。



そして最後、、、

繰り返される機械音の「what do you want?」

最後の最後で、客席に問いかける音、人間の声ではない音にゾクっとしました。
「欲望」から生まれる社会の「歪み」や「しわ寄せ」
技術が発展して、何でも手に入る今、「本当に欲しいものは何か?」


あなたの本当に欲しいものは何ですか?

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